座右の銘

I will be the change that I want to see in the world.

なぜこの仕事をするか

自分のやりたいこと、実現したい世界観を持った組織が見つからず、自分でやるしかないと判断したため。寄付金や助成金に頼った傾向のある環境・野生動物保全業界にビジネスを手段とした新しいソリューションを提供すること、そして自然と人間が「どちらかを優先しなくてはいけない」という二項対立の関係で語られるのではなく、両者要望を同時に実現する「共存」のカタチを大好きなアフリカから実現すること、が僕のやりたいことです。

わたしの履歴書

1996年青森県生まれ。

僕は青森県の自然が豊かな環境で育ち、その中で日々遊ぶうちに自然やそこに住む生物に興味を抱くようになりました。

そうした経緯から大学は好きな生物を学べる理学部の生物学部へと進学。

しかしながら進学先の大学は第一志望でなかったため、大きな学歴コンプレックスを持って大学生活をスタートしました。そしてそのネガティブエネルギーから、何か大きなことをしなくては!という思いに常に突き動かされ、大学生活の大半をいわゆる意識「だけ」高い系の人間として過ごしてきました。

いくつか例を挙げると、仮面浪人をしたり(見事失敗)、理解できない高尚な本に手を出してみたり(結局ほとんど読まない)、「いい大学院に行って、学歴で周囲のみんなを見返す!」と考えたり(勉強不足で大学院を目指す動機が不純なため、どの専攻・研究室が自分に合っているのか判断できない)、という感じです。今思うと常に評価軸を外に置き、本当に中身のない、もったいない時間の使い方をしていたな、と思います。

そうした過ごし方をしながら気付けば大学3年生になり、就職や進学といった選択肢が迫って来る中で「周りの目・評価ばかりを気にし、自分がやりたいこと・好きなことも分からない」状態に陥っていました。そんな状況の中、当時の自分はようやく重い腰をあげ、「自分がやりたいことってなんだろう?」と考えはじめます。

取り敢えず自分が好きなことや、将来にわたって関わってみたい事象について思いを巡らせ、以下の3つをひねり出しました。

まず1つ目は、大学の専攻でもあった「生物」です。とりわけ、絶対的な正義だと感じていた時期もあった「野生生物保全」という概念については、大学などでの学びを通じて様々な主張や矛盾を内包した複雑な世界だと考えを改め、既存の問題解決のための新しい保全のカタチが望まれているのではないかとボンヤリ思うようになっていました。

2つ目は大学時代にハマった「海外旅行」です。長期休み期間中はバックパッカーとして旅をし、現地の美味しいものを食べ、文化に触れ、現地の人達と会話を重ね、その中で自分の変化を実感する時間に魅了されたことで、何らかの形でいいから海外に出続けたいな、と願望を持つようになりました。

3つ目は「国際協力」です。海外を旅する中で貧困や教育格差を目の当たりにし、それなりに恵まれた境遇で生きてきた人間として、それらの問題の解決に寄与したい、という思いを持つようになりました。

自分は世間知らずで欲張りなので、「上記3つを満たす何か(つまり、海外で野生動物保全をしながら、貧困や教育格差の解決にも貢献できるような美味しい話し!)がないか?」と思って色々ググっていると、アフリカで行われている「住民参加型保全」という野生動物保全と現地のコミュニティ開発を繋げようとする取り組みに辿りつきました。
アフリカの大自然は本やテレビの影響で興味を持ち、「いつかはその場所に立ちたい」とずっと思っていた場所。見つけたときの「これだ!」という感動は今でも覚えています。

その後大学を一年間休学し、ケニアや南アフリカ、ルワンダなどの国でボランティアやインターンをしながら、現地の住民参加型保全の取り組みや、それをどう地域開発に繋げようとしているのか、などについて学びました。

辛いこともありましたが、貴重な経験を沢山させてもらい、「絶対アフリカにまた戻ってくる」「アフリカの野生動物保全やコミュニティ開発に関わる活動をする」という、それまでの自分にはなかった内側から湧き上がるような目標を得て帰国しました。

留学後は「アフリカについてもっと学びたい」という過去の自分からは考え難い正当な理由でアフリカについて学べる大学院に進学。研究の傍ら「アフリカに戻りたい」「興味がある環境・野生動物系の分野に関わりたい」「野生動物保全だけでなく、それをコミュニティ開発に繋げていきたい」という思いを実現する術を模索していきました。

研究者がすぐに思いつく選択肢でしたが、実務的な活動を通じて関わりたいと思っていたのでアカデミックな世界に進むことは考えず。また環境保全系のNGOなどは新卒を募集していない場合が多く、寄付や助成金に頼った傾向が強い運営体系に以前から疑問を感じていました。就活が始まると「海外転勤が多そう」な商社やJICA等の独立行政法人や、「環境系に携われそう」な環境ベンチャー等を受けたりしていきましたが、正直どこもしっくりこず…。

そのうち(僕があまり企業分析を真面目にやらなかったからかもしれませんが)、「自分がやりたいことが既存の組織の中にはないのでは?」「自分がやりたいことをやるには起業するしかないのでは?」、と思うようになりました。

「世間知らずで何のスキルもない自分が新卒で挑むのはリスクが高すぎる」など不安は尽きませんでしたが、ボーダレスの説明会に何度も足を運び、Makers Universityのようなコミュニティに所属して同世代の起業家達と交流したり、社会起業家の端くれである父親と話したりする中でその考え方が徐々に変化していき、新卒でボーダレスに入社することを決めました。

僕は「自然と人間が二項対立の関係で語られるのではなく、ビジネスの力を借りて両者が成り立つ世界」を大好きなアフリカから実現したいと考えていて、その考えは「助成金や寄付金などで成り立っている傾向が強い環境・野生動物保全業界だが、ビジネスを手段とし、より持続可能で新しい選択肢を取れることもこの時代には必要とされているのではないか?自分がそれを提示してみたい!」、という思いに端を発しています。

これが僕がソーシャルビジネスに取り組もう、と決めた理由です。

そんな中で現在僕が注目をしているのがアフリカで生じているHuman-Elephant Conflictです。Human-Elephant Conflictとは農作物がゾウによって食べられたり、農地に入ってきたゾウを追い払おうとした地域住民がゾウに踏み殺されたり、逆にゾウが地域住民に銃殺されること、などを指します。農業を生業とする地域住民の現金収入が減少するだけでなく、絶滅が憂慮されているゾウの個体数減少の一因となっています。つまり自然と人間、どちらにも悪影響を及ぼす可能性があるわけです。


「ゾウの被害にあった農地と農家(写真提供:岩井雪乃)」

これから歩む道は決して簡単な道ではないと思いますが、自分が実現したい世界観を追求できる環境を与えてもらったことに感謝しながら、自分と周囲の人間を幸せにできる社会起業家を目指していきたいと思います!

I will be the change that I want to see in the world.

※入社時の内容のため所属が異なる場合があります。