
こんにちは!今年の4月から社会起業家になるべくボーダレス・ジャパンの門をたたいた、身長190センチ、右投げ/右打ちの池田将太です。
私は人口約10万人、太平洋に囲まれた607の島からなる小さな島国、ミクロネシア連邦ポンペイ島の「島で働きたいけど島内に働く場所がなく、仕事を求めて島を出ていってしまう若者の人口流出問題」を解決すべく、島の資源を活用した雇用創出型ビジネスの立ち上げ準備をしています。
今回は小学生から高校卒業までプロ野球選手を目指し、野球だけに打ち込む生活を送ってきた私が遠く離れた島国の問題解決のために、社会起業家になる決断をした理由をお話させていただきます!
野球漬けの毎日から国際協力との出会い
小学校3年生から野球を始めて高校を卒業するまでの間、とにかく野球にのめりこんでいました。寝ても覚めても野球のことだけを考えて、勉強もろくにせずひたすら白球を追いかける日々でした。「将来はプロ野球の選手になる」と心から信じていました。
しかし、高校3年生の時、自分は野球でご飯を食べていくことはできないのだと痛感しました。試合でも結果が出ない、プロから声がかかることもない。自分の技術的限界が見えてしまいました。
野球は高校までだと感じ、大学に進学する選択をしました。
野球を辞めて大学進学をした時、野球を辞めた自分には何もないということに初めて気づきました。人生で野球以外のことで頑張ってきたことが何一つなかったからです。
何となく大学の講義に出て、ただ時間だけが過ぎる大学生活にやるせなさを感じていた時、JICA出身の大学教授から「池田君は世界を見た方がいい。国際協力を頑張ってみてはどうか」と言われました。海外に行ったことのなかった自分は「よくわからないけど、時間はたっぷりあるし、とにかくやってみよう」とミクロネシア連邦で環境教育活動をしていた学生団体(通称:Japanesia)に入団しました。
環境問題の意識啓発を目的にミクロネシア連邦ポンペイ島に渡航した私でしたが、現地に降り立ってミクロネシア連邦はとんでもなく美しい海に囲まれ、自然も豊かで環境問題なんて本当にあるのか?というのが私の最初の印象でした。
しかし、町を歩いているといたるところにポイ捨てされたごみが落ちていて、リサイクルの仕組みがないことから島のダンプサイトは土に還らない非分解性のごみであふれかえっていました。その光景をみて「これは間違いなく社会問題だ」と思いました。そこから私は現地小学校の環境教育活動や山積する廃タイヤを活用したタイヤサンダルの開発を現地の学生と共に行いました。
ミクロネシア渡航で人生の価値観が180度変わり、青年海外協力隊を目指す
ミクロネシア連邦に渡航するまでの私は発展途上国に対して「貧しい」「問題だらけ」「可哀想」などとマイナスなイメージばかりを想像し、「助けてあげる」という想いが心のどこかにありました。
しかし、ミクロネシア連邦で現地の人達と接し、共に生活する中でその印象は180度変わりました。なぜならみんなとっても幸せそうで、自分のことをを家族の様に受け入れてくれたからです。お金を持っているとか持っていないとか、そんな物質的なこと以上に小さな幸せを大切にしている彼らがとっても輝いて見えました。そして彼らはとっても豊かな人たちだと心の底から思いました。ボランティアをする目的で現地に行った自分が逆に彼らからとっても大切なことを学ばせてもらいました。その渡航がきっかけで私はミクロネシア連邦が大好きになり、「この人達のために何かしたい」「自分を変えてくれたこの国に恩返しがしたい」と思うようになりました。
そこから私の大学生活は大きく変わり、前述した団体Japanesiaの代表に就任し、さらにもっと色んな世界が見たいと東南アジアをバックパックで1周したり、人材系ベンチャー企業でインターンシップを始め、通訳の仕事も経験しました。
そうして自分の可能性の扉が開き、将来も国際協力を仕事にしたいと青年海外協力隊を目指すようになりました。
ボランティアの限界、起業するしかない
翌年、大学3年生になり起業家を目指すことになる転機が訪れます。
ミクロネシア渡航をきっかけに国際協力の最前線である青年海外協力隊に入り、大学卒業後もボランティアを続けると意気込んでいた頃、大学から一通のメールが届きました。
それは「活動助成金制度廃止」の連絡でした。私が代表を務めるJapanesiaへ毎年与えられていた大学の助成金枠がなくなり、団体運営に必要な資金が得られなってしまいました。それにより、自己負担額が多すぎて「もう渡航にいけない」と仲間からの相談も受けました。とても大きなショックでした。「社会貢献がしたい」という強い想いを持った学生は、誰かの援助がないと活動を続けることすらできず、社会のために頑張ることを諦める選択をしてしまうことが悔しくてたまりませんでした。
そこから、「自分が支援を受けて、人を支援する」このボランティアの構造では持続可能な取り組みはできないと痛感しました。もっと自立した、援助に頼らない形で社会課問題解決に取り組まなければいけないと強く思いました。
それを期に私は、持続可能な自らお金を生み出すことができる社会問題へのアプローチをするべく社会起業家になることを決めました。
ボーダレスとの出会い
社会起業家になろうと決意し、すぐにでも動かなければとビジネスプランの書き方も知らないまま、自分が実現したい社会だけを資料にまとめて銀行やベンチャーキャピタル、企業の社長にプレゼンテーションに行きました。とにかく熱量だけで動き回りましたが、お金を融資してくれる所はなく、「今の自分では起業はできない。一度就職しなければいけないのか」と考えるようになっていました。
そんなある日、YouTubeで田口社長のプレゼンテーションと出会いました。社会起業家として社会問題解決の最前線を走る田口社長の言葉に感銘を受け、「とにかくこの人に会いたい。会えば何かが変わる」と思い、ボーダレス宛ににメールをしたことを鮮明に覚えています。当時は就活も全くしておらず、ただ田口社長に会いたいという内容のメールを送った所、起業家採用のエントリー方法がメールで送られてきました。「これだ!この起業家コースなら最短で社会起業家になれる」と確信しました。
そしてリクルートスーツも買うことなく、他の会社はどこも受けず、ボーダレス入社だけを考え採用面接に臨みました。
ミクロネシアの課題感の変化と自分がやらなきゃいけない理由
ボーダレスに採用していただいた時には「ミクロネシア連邦ポンペイ島の環境問題の解決」が自分の中のテーマでしたが、そこには大きな違和感がありました。それは問題を抱えている対象者の顔が全く見えないということです。環境問題は間違いなく深刻ですが、それに危機感を感じたり、直接的に困っている人が自分にははっきりと見えなかったのです。そこでもっと現地の人が感じている課題感や島の問題を知り、自分がアプローチすべき課題を見つけるため再度ヒアリングを始めました。
すると、現地の人から「みんな島を出ていく」という話がたくさん出てきました。教育課程の終了を期にとんでもなく多くの若者が島を出て出稼ぎに行っている事実を知り、強い課題感を抱くようになりました。高校卒業以上の若者の海外移住率は世界トップの約40%。若者の3人に1人は島を出てしまうのです。
それはなぜなのか?
色んな原因がありますが、産業がほとんどないため民間企業が島にほとんど存在しないことや国内雇用の60%を支えているのは政府機関であり、そこへの就職には親族のコネクションが重視され、全ての若者にチャンスがあるわけではないこと、アメリカにVISAフリーで移住できることから国内移動の感覚で国境を超えられてしまうことなどの要因が見えてきました。
私は大きな衝撃を受けました。
自分の島に誇りをもって、家族を大切にする彼らの生き方が大好きだった私は、そんな彼らが島を出ていかなければいけない状況が悔しくてたまりませんでした。「島で働く」という選択肢が現地の若者にとって当たり前になるべきだと強く思いました。また、島で働きたいという意志を持つ若者が島を出ていくことは、ミクロネシア連邦の社会にとっても将来の島の後継者がいなくなることになると強い危機感も感じました。
さらにその問題が自分ごとに変わった1番の理由は、自分の現地の友人です。
自分の友人は島の中で一生懸命就職活動をしていましたが、民間企業も行政機関も受け入れてくれる場所はなく、奥さんと小さな2人の子どもを連れてハワイへ移住してしまいました。電話をするたびに、「自分の故郷に戻りたい。子ども達を故郷で暮らさせてあげたい」と言っていました。
正直、胸が痛かったです。なぜ家族のため、故郷のために働きたいと思う彼が島を出なくてはいけないのか、と。
自分が人生で初めて訪れた国で、本当の幸せとか家族や友人の大切さやあたたかさを教えてくれたこの島で、私は「彼らの力になりたい」と心から思いました。誰も手をつけてこなかった社会問題の存在を知り、困っているのは自分の大切な友人たち。もうこれ以上、目を背けることはできない。自分がやるしかないし、この問題を解決するのは自分であって欲しいと強く思うようになりました。
気づけばこれは「遠い島国の誰かの問題」から「自分の問題」になっていました。そして私は、「環境問題の解決」から「若者が島で働ける社会を作る」という方向に描く社会が変わりました。
入社まで、とにかくもがき続けたい!!
今は新型コロナウィルスの影響でミクロネシアに渡航することはできませんが、問題を解決するために事業プランと向き合い続けることに貪欲でありたいと日々試行錯誤しています。
事業の仮説を立てては潰しを繰り返し、少しでも早く走り出せる事業を作りたいという思いで今は残りの学生生活を過ごしています。
「社会起業家になること」は今の自分が想像している以上に、険しい道になると思いますが、ボーダレス・ジャパンの最高の仲間と共に学びと挑戦が詰まった最高の環境で社会起業家を目指せることを心から嬉しく思います!
こんなに社会人になることが希望にあふれていることが素直に嬉しいです。とにかく愚直に一歩ずつ進んでいきます!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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