こんにちは。アルファジリ薬師川です。

今アルファジリでは、新規プロジェクトであるニンニク栽培とその流通に取り組んでいます。今回はこの、ニンニクにまつわる試行錯誤と、そこから見えてきたアルファジリの存在価値についてお話しします。

1. ニンニクの種を作る方法は奥が深い

これまでアルファジリは、大豆の契約栽培と流通を行なってきました。栽培するうえで、大豆とニンニクが大きく違うのは種の準備。大豆は収穫を良い条件で保存しておけば、半年程度以内ならそのまま種として植えてもしっかり発芽しますが、ニンニクはそうはいきません。ニンニクも一般的には、収穫したものを鱗片にバラして土に植えるのですが、大豆のようにいつでも植えていい訳ではありません。萌芽する条件があるのです。

萌芽をはじめたニンニク

ニンニクには休眠期間があり、収穫直後はニンニクは眠っていて何をしても活動をしません。暖地・寒地用など種類によって休眠期間も違うのですが、ケニアのニンニクは、収穫してから1ヶ月くらいは休眠しています。その休眠期間が終わることを休眠打破といいます。普通、休眠打破したあと6〜7ヶ月放っておくと、ニンニクが勝手に萌芽し始めます。つまり収穫後7~8ヶ月くらいに萌芽するのです。ニンニクの鱗片を割って中を見てみると、芽が伸びてきているのがわかって面白いですよ!

一方で、休眠打破したあと意図的に刺激を与えることにより、6〜7ヶ月待たなくても萌芽させる方法があります。その萌芽させる方法は、主に2つ。

1.種を2〜3週間、10度前後で冷蔵しておく
2.オーガニック萌芽溶液を用いて、萌芽スピードを早める

普通の個人農家さんはみなさん、自然萌芽の方法を用いて種の準備をしています。

ですがアルファジリは今後、ご新規の契約農家さんにもニンニクの種を販売する必要があり、そのために人工的な発芽方法のノウハウも必要としています。種屋さんから萌芽済みニンニクを買うと、萌芽方法は何であれキロ当たり400-450円程度しますが、アルファジリ自身が種をつくり契約農家さんに対して販売する場合、40%オフで販売することが見込めるのです。

そのため、種作りのオペレーションを確立すべく、冷蔵保存の最適温度と期間・萌芽溶液を用いた種作りのオペレーション・また各方法のコスト比較などを社内で実験しているところです。

2. ニンニクの試行錯誤で改めて感じた、アルファジリの存在価値

ここまでにんにくの種作りの苦労話を書いてきましたが、もしかしたら、こんなことを思った方もいるのではないでしょうか?

「そんな実験しなくても、ケニアの農家や研究機関などが教えてくれないのか」と。

実は、すでに多くの方に聞いているのです。ですが、ほとんどの農家さんは説明することが大の苦手。だから正確な情報を得るのは困難なのです。

また、ニンニク栽培のコンサルテーションも行なっている企業や個人事業主も数軒いらっしゃいますが、たとえ初期的な部分であっても「企業秘密だから教えられない」「情報提供料●●万円ね」という回答があり、特に貧しい農家が簡単に学べるものではありません。このような事例は日本でもあるでしょうが、ケニアには無料公開の部分はゼロに近いため、お金を払う相手を選ぶのも難しいのです。

ケニアの国家機関も、非常に高額な報酬を支払わない限り全く質問に答えてはくれません。日本の研究機関とは訳が違います。

それくらいニンニクの種作りは情報の価値が高いのです。だから私たちは、講習料を払ってでも種作りを学びに行き、非常に勉強になりました。とはいえ、オペレーションを確立するには自社実験は必須です。

ニンニク栽培の実験と手順について説明するFarm Advisorのポールくん(右)

アルファジリはこの「企業秘密だから一切教えない」もしくは「農家さん自身が、他人に教えるのが苦手」というケニアの現状に対して、私たちの価値を感じています。

アルファジリは、小規模農家に農業や生活のノウハウを教え、農村の暮らしを豊かにしていくことをテーマとして掲げ、農家へに提供するナレッジの部分からはお金をとりません。組織として事業を行うことで、流通や付加価値創造などのサプライチェーンやバリューチェーンの中から利益をあげていくビジネスモデルを構築しています。

このような組織はケニアの中では稀有。だからこそ私たちは、ケニアの人々にたくさんの知識やスキルを伝達していける組織へと成長していきたいと、日々試行錯誤しているのです。

3. ニンニクのプロの皆さん、アドバイスをください!

アルファジリは、農家の暮らしを良くしていくため、農業のノウハウならどんなことでも教えていきたいと考えています。しかし今の私たちは、まだまだ農業のプロとは到底言えません。日本のニンニク農家さんからすれば、何も知らないと言われても同然でしょう。ケニアの農業コンサルタントという肩書きを掲げる人の多くも、日本のニンニク農家さんには知識が及ばないでしょう。

だから私たちアルファジリは今後、にんにくの専門家の方ともっと意見交換をしながら事業を進めていきたいと思っています。日本の品種と大きく違ったり投入可能なコスト範囲などが違ったりするため、意見が食い違うかもしれませんが、それでも意見交換の中から新しい道が出てくるかもしれません。また特に施肥設計や土作りには、共通することが多いと思います。もし、本ブログを読まれて興味を持った方がいらっしゃれば、ぜひボーダレス・ジャパンの問い合わせフォームからご連絡いただければと思います。

ボーダレス・ジャパンの問い合わせフォームはこちら

マネジメント次第で、ニンニクの大きさはこんなにも違ってくる

実際にニンニク事業を手がける日本の方々に問い合わせをしていたのですが、先日なんとにんにくのよしだ家さんが弊社からの問い合わせに返信をくださり、代表の吉田さんとお話しさせてもらいました!わかりやすいアドバイスをいただき、誠にありがとうございました。吉田さんの素敵な人柄が伝わってきました。これからも時々近況をお伝えしながら、いつか将来ニンニクの名産地青森とケニアとで「コラボして何かできたらいいなぁ」と思っています。

「にんにくのよしだ家」さんのホームページはこちら

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2018.02.05 // 「もう少し勉強をしたい」を叶えるアルファジリ流の学校とは?
2018.01.04 // 貧困と無知に打ち勝つ「ちから」