創業者である市川(以下、いっちー)が幼少期から気になっていた「ホームレス問題」に切り込む事業として立ちあげた、Relight(リライト)。その中でも”見えない”ホームレス状態の人にサービスが届く工夫、壮絶な人生を話してもらう信頼関係の構築、いつでも戻ってこれるという安心感を通して、これまで着実に実績を積み重ねてきました。
そのRelightがこの度、創業メンバーを大募集!「誰も孤立しないで何度でもやり直せる社会」を作るため、起業するに至った想い、そしてこれからの事業構想を、印象的なニコニコ笑顔の裏に強い芯としなやかな心を持った創業者にたっぷり聞きました!

ケイスケ こんにちは!めっちゃいい笑顔ですね!元気出ました!

 

いっちー ありがとうございます!よく言われます(笑)!

 

ケイスケ 会社名は「Relight株式会社」でサービス名が「いえとしごと」ですよね。どんなことをされているのか教えてください。

 

いっちー 住所、携帯電話、身分証がないため、単発のバイトや派遣しかできず、ネットカフェ等などで生活している、いわゆる「見えないホームレス状態」の人たちに、寮を持っている良い会社さんのお仕事を無料で紹介するサービスです。

 

ケイスケ まさに「いえとしごと」なんですね。ところで、「見えないホームレス」って何ですか?

 

いっちー ホームレス状態の人ってその名の通り路上で生活していたりして、私たちの目に見えるじゃないですか。その一方で、路上ではなくネットカフェやその場しのぎの場所で寝泊りする人の存在は見えづらく、実態がわかりづらいので”見えない”という表現を使っています。

ケイスケ 置かれている状況は”ホームレス”ということですね。

 

いっちー 実際に炊き出しやボランティア活動など、ホームレス状態の人たちへの支援を行う団体は数多くあります。でも、まだ頑張って働けば自力で立て直せると思って単発バイトをしながらネカフェに泊まったりしちゃうと、”見えなく”なるし、なかなか貯金もできず生活を立て直せなくなります。支援がそこまで届いていないのが現状なんです。

 

ケイスケ 「いえとしごと」がその”見えないホームレス状態”の人に届くために独自に工夫しているポイントとかありますか?

 

いっちー インターネット経由で簡単に連絡がとれることが今の時代に合っているのかなと思います。うちのサービスに年齢制限はなく10代から60代くらいまで対象なんですが、この方法が「見えないホームレス」の主な層である若者に特に受け入れられています。

 

ケイスケ 窓口に行かなくてもいいっていう心理的ハードルが下がって利用してくれるんですね!

 

いっちー そうなんです。今の時代は何においてもまず下調べしてから動きますよね。レストランや映画などもそう。「探しやすい」「繋がりやすい」から、今の生活から無理せず気軽に、支援にたどり着くことができます。

ケイスケ 本当に大変な状況の中で見つけてくるでしょうから、安心して使えるって大切ですよね。

 

いっちー いえとしごとのWebやチラシの写真に私が写っているのですが、それを見て来た人の中には「あ、実在してたんだ!」っていう人もいるくらいです(笑)。

 

ケイスケ その透明性は安心ですよね!そもそも、なぜこの問題に取り組もうと思ったんですか?

 

いっちー もともと小さい頃からおじいちゃんおばあちゃんが好きで介護福祉士になりたかったんです。高校生くらいの時にホームレス状態の人を見るようになったけど、みんなが見て見ぬふりをしているのをみて、自分は何かできないかなと思ったのがきっかけです。

 

ケイスケ 幼少期まで遡るんですね!?路上で生活している人を見るのは怖くなかったですか?

 

いっちー むしろ「まだ生きてるかな?」って心配でチェックしたりしてたくらいです(笑)。でも結局何もできず大学生のときまでモヤモヤしていました。その後、もっと広い世界を見てから介護福祉士になろうとアフリカの国際協力に参加したんです。

ケイスケ そこで転機となる何かがあったんですね?

 

いっちー 例えばケニアのスラムでは、貧しいけど家があり家族もいて支え合って生きていました。ストリートチルドレンもいるけど、日本のような「ホームレス」という概念を持っていなかったんです。現地の学生と話していて逆に日本にはホームレス状態の人がいてかわいそうって言われて。そこで、「貧乏と貧困は違う」と気付きました。もちろん支援が必要な場合もあるでしょうけど、自分で勝手に「貧しい」とか「かわいそう」っていう水準を決めていたんですよね。

 

ケイスケ 彼らはお金がない状態ではあるけど、決して不幸ではなかったんですね!

 

いっちー むしろ、現地の小学生がさとうきびをおごってくれたりしましたから(笑)。そこで自分がやりたいことを考えた時に、フィールドは日本だったんです。国際協力はもちろん必要だけど、私が対象としたのは"日本で孤立している人”、作りたいのは「誰も孤立しないで何度でもやり直せる社会」でした。
(社長ブログ「誰も孤立せず、何度でもやり直せる社会を。ー見えないホームレス問題を解決するRelight株式会社ー」はこちら)

ケイスケ 「いえとしごと」ではどのような仕事を紹介しているんですか?

 

いっちー 住居も含めて提供するので、寮や社宅がある会社さんがメインです。住居・携帯電話・身分証明書なしの条件を受け入れてくれるところに限られるので、現状は警備・製造業・建設業が多いですね。女性も多いのでもっと業種を広げていきたいです。

 

ケイスケ その条件で受け入れてくれるとなると、本当に救われる人がいるでしょうね。

 

いっちー 彼らが焦っている状態で一人で職を探して、身分証明書も緊急連絡先もいらなくて応募できるところってなると怪しい企業になってしまうことも少なくないんです。炊き出しをしている団体から「この人に仕事紹介できる?」って紹介してもらうこともありますよ。

 

ケイスケ これまでどのくらいの人と関わってきたんですか?

 

いっちー エントリー(相談お問い合わせ)が750名、そこから面談に至ったのが160名、実際に就職までたどり着いたのが52名、そして継続しているのが37名ですね。就職とは別に市役所に相談できるケースを知らなかったりすることもあるので、市役所の支援を案内することもあります。

ケイスケ 実際にどんな方がお問い合わせてくるんですか?

 

いっちー 本当にパニックになっていて何に頼ればいいか分からない人が多いですね。家を出ないといけないとか、仕事もらえないとか、ここで仕事が見つからなかったら死のうと思ったという人もいます。

 

ケイスケ 壮絶ですね、、、。

 

いっちー どんな方も、まずは1〜2時間かけてしっかりお話しを聞いています。すぐに働ける人にはお仕事の紹介をするのはもちろんですが、中には働ける状態ではないような体調の方もいるので、その場合は市役所支援を案内したりもしています。

 

ケイスケ 最初が一番大事ということですね。

 

いっちー はい。その中で気をつけているのは、「まず話を聞いて、その人の人生を肯定する」ことです。論理的な世界ではなく、感情の世界なので、その人が思う不満や不安を聞いています。紹介先の会社で仮にうまくいかなかった時も、こちらに戻ってきてもらえたらやり直せますし。

ケイスケ 仕事紹介の前に、「ここなら大丈夫かもしれない」って思ってもらえる場所でありたいってことですね。

 

いっちー そうなんです!「仕事が合わなかったのでもう一回紹介してもらえませんか?」「働けないけどどうしたらいいですか?」という相談をしてもらえる関係性を、出会った最初の2〜3時間でどれだけ築けるかを意識していますね。

 

ケイスケ 相談してくる人にとっては、まさに”希望”なんですね。

 

いっちー そうだと嬉しいです。私たちに相談してくれた人の瞳に少しでも希望の明かりを灯せるように、人生捨てたもんじゃないと思ってもらえるように、という想いを込めて、社名を『Relight(リライト:再び明かりを灯す)』にしました。私たちの会社が着火剤になれたら嬉しいです。

ケイスケ 印象に残るエピソードがあれば教えてください。

 

いっちー 建設業で働いていた方が相談に来てくれたんですが、給料未払いに加えて、同僚の送迎を勤務時間外に無給かつガソリン代も自己負担で強要させられ、時給換算すると500円とかだったんです!しかも、日々の睡眠時間は2〜3時間ですよ。

 

ケイスケ めちゃくちゃ劣悪じゃないですか、、、。

 

いっちー 近くの市役所に行っても生活保護しか受けられないような状況でした。でも地元の家族に迷惑かけられないということで、「いえとしごと」に来てくれました。ただその時はRelight事業を初めて間もなかったこともあり、時間がかかりすぎてしまったので、その方はうちではないところから職を得たんですね。

 

ケイスケ まず「いえとしごと」に相談に来てくれたのに残念ですよね。

 

いっちー 期待に応えられなかったのは残念でしたが、その方が働き出してしばらく経ったある日、県外で働き始めたのに「お世話になりました」ってお礼を言いにわざわざ来てくれたんですよ!
今でも定期的に近況報告をしてきてくれています。

ケイスケ その方にとって「いえとしごと」に出会ったからこその人生と思っているんでしょうね。

 

いっちー おもしろいのはこの後なんです。全然関係ない別の方を製造会社にご紹介したのですが、その方が1ヶ月ほどで辞めてから音信不通になってしまったことがありました。もうどうしようもない状況だったんですが、先述の方の近況報告の中に新しく入ってきたがいるとありまして。

 

ケイスケ まさか、、、!?

 

いっちー そうなんです!私が関わったお二人が同じ職場にたどり着いて同僚として働いていたんです!今ではその方を通して二人の近況を知っている感じです。中には就職した後で音信不通になってしまう方もいますが、感謝がほしいからこの事業をやっているわけではありませんし、連絡がなくても会社の方から「元気にやってるよ」って聞けるだけで本当に嬉しいんです。

 

ケイスケ Relightとして今後こうしていきたいという構想はありますか?

 

いっちー 今はお話しした寮付きの職業紹介が主です。でも職業紹介だけだとセーフティネットとしては足りないので、職業紹介以外もやっていきたいと思っています。

 

ケイスケ どういうことでしょうか?

 

いっちー 働けない人はお断りして市役所などの支援をご紹介するのが現状ですが、市役所へ相談に行っても、紹介されるシェルターは個室ではなく集団部屋です。やっぱり体調が悪い時個室がない中での生活って大変ですよね。

 

ケイスケ ということは、個室の提供も考えていると?

 

いっちー 個室で生活保護を受けながら生活をしっかりできる環境を整えたいというのはあります。住まいは違う事業として提供できたらと考えているところです。Relightの中に違う事業がいくつもできていくイメージですね。

ケイスケ これまで一人で駆け抜けてきたいっちーが、事業スピードを上げるために『創業メンバー』を募集しているそうですね!「こんな人と働きたい」というのがあれば、ぜひ教えてください!

 

いっちー 本当に毎日がカオスなので、このカオスさを楽しめるくらいの人がいいですね。イメージで言うと、「大家族のお母さん」みたいな人がいいですね!

 

ケイスケ それは性別に関わらず、包容力のあるイメージということですよね(笑)?

 

いっちー そうです(笑)。壮絶な過去を負っている人に対して感受性が豊かに真っすぐ受け止めすぎると大変なので、客観的に話を聞いて「そうか、そうか」って受け入れらる人がベストです!

 

ケイスケ これを聞いて、「我こそは!」と立ち上がってくれる人がいそうですね!

 

いっちー 良くも悪くもいろんな経験を積んでいる人がいいですね。あと、「異文化を受け入れる」という意味では、国際協力などの経験がある人に向いているかもしれません。

ケイスケ 最後に、いっちーから伝えたいメッセージはありますか?

 

いっちー 死のうと思ってた人が死なない道を選ばなくてよかった、オレオレ詐欺しようかと思ってたくらい追い詰められた人が就職の道を選んでよかったと言ってくれる人がいます。

 

ケイスケ まさに、人の人生のターニングポイントに関わる仕事なんですね!

 

いっちー はい!人生のターニングポイント、もしくは”どん底”を一緒に伴走するっていう感じの方が近いかもしれません。身なり服装もそうですけど、関わる前と後では顔つきが全然違うんです。それを見るとやりがいを感じますね。

 

ケイスケ 社会人として働いていることが自信になっているのかもしれませんね!

 

いっちー 相談に来る人も、もともと目は死んでなくてキラキラしているんですけど、凛々しくなった顔を見ると、置かれている環境で人ってこんなに変わるんだなって実感します。 そんな人を一人でも多く増やせる仲間に会えるのを楽しみにしています!「誰も孤立しないで何度でもやり直せる社会」を一緒に作りましょう!

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回のインタビューは、ボーダレス・ジャパンが月に2回発信しているボーダレスマガジンのコンテンツです。

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