
2010年8月よりスタートしたAMOMA。現時点では、年間15万人の妊産婦さんに商品を提供する規模になりました。使用する年間ハーブ量を計算すると、357,000kg。これは軽自動車357台分に相当する重さ。
『一刻も早く、自分たちでハーブ栽培を開始したい』そうした想いを胸に5月19日から5月29日までミャンマーへ出張してきました。今回の訪問目的は、「誰にハーブ栽培をしてもらうか?」を決めること。最も必要とされるエリアを選びたいので、渡航前に現地のNPOやNGOに連絡をとり、貧困に苦しむ農村エリアを徹底的に探し、可能性が高い10地域を訪問することにしました。
家計簿まで教えてもらう、徹底したヒアリング調査を実施。現地での活動内容をイメージしやすいように、代表的な村「ロンコン村」を例に説明します。
まず農村に到着すると、村長宅に20名前後の農民が集合してくれました。僕たちから「ハーブ栽培をしてくれるパートナーを探している」という趣旨説明と彼らから「ロンコン村の概略について」教えてもらいます。質疑応答も活発で、みんな真剣な眼差し!
これだけで1時間が経過。お昼を挟んでしまったので僕たちのために食事を準備してくれていました。
さらに彼らの生活実態を知るために、村人の自宅へと案内してもらいその生活を見せてもらい、何に悩んでいるのかを丁寧に聞いていきました。より詳しく把握するために収入や生活費といったプライベートまで踏み込んで聞きます。
ロンコン村では、こうしたヒアリングを4家族行いました。以上で調査は完了し、村を後にしていきます。「貧困」って人によって基準が曖昧なもの。だからこそ自分の目で生活水準を確認し、収入を計算しなければ決められない。そういう想いからこうした調査を実施しました。こうして毎日村を訪問し続けました。
「農村を訪れるたびに、誰と組むべきか」悩み続けた毎日でした。色んな地域の農村を回って彼らの実態を知るにつれ、
僕たちの中で深まっていく「誰をパートナーにしようか?」という悩み。というのも、どの農村も僕たち日本人の基準でいくと「貧困」だからです。
例えば、「飲み水が不衛生」。この水はろ過せずに、そのまま飲みます。
「電気が通っていないのでライトもない」午後6時を回るとすでにリビングは真っ暗。
訪問する農村がすべてこうした村ばかり。僕たちは、どの村をパートナーにするべきか本当に悩みました。
「17歳の女性との出会いから、助けたい村が見つかった」
佐賀県に本部を持つNPO法人「地球市民の会」。今回、こちらの団体の方にも現地でアテンドして頂きました。この団体は2003年からミャンマーで、農村開発をテーマに活動されています。その活動の一部で有機農業の技術指導を7日間宿泊しながら行う農業訓練があります。その訓練生10名程度を前に僕たちのハーブ栽培を説明する機会を頂きました。
その中に1人だけ女性がいました。彼女は表情が暗くなんとなく気になりました。話を聞くと、農村から片道2時間かけてこの研修所まで来ているようです。それだけ頑張っているのであれば、絶対何か強い動機があるはずということで色々と話を聞きました。そうしたら彼女の母親が農薬の健康被害で肺の病気にかかっていると言います。
「どうしてそういう被害があるのだろう?僕らが何か助けられるかもしれない。」
直感的にそうした想いが湧き出て、僕たちは予定を変更して彼女が暮らす村に行くことに決めました。そこでついにハーブ栽培をしたいリンレー村と出会うことになりました。