
献血ライフもはや7年目の15回に突入しようとしている。思えば18歳になった暁に、待ってました!と足を運んだのは「献血ルーム」だった。「自分の血が誰かの役に立てば。」という気持ちは勿論あったが、「どんな所なのか。」という好奇心も大きかったのだ。
というのも小さい頃、祖母がちょっと誇らしげに「献血50回記念」の表彰状を見せてきたことがあって、「よく分からんけどなんかすごい。。」と悔しくて、密かにあの記録を越そうと目論んでいたからである。
15回の間に、色々な場所の献血ルームを経験し、完全に自分が原因のプチハプニングもあった。
出典:http://www.yamaguchi.bc.jrc.or.jp
あれは大学生の頃。。スーツを着る機会があったのだが、シャツが見つからないのだ。部屋が散らかりすぎてシャツが見つからないのだ。仕方なく心優しい友達にシャツを借りて無事スーツを着れた。その帰り道に、やっと献血できない期間(400ml献血は女性は年間2回・男性は3回までしかできない)を過ぎていたので「献血行こうよ献血行こうよ!!!」と、友達と一緒に献血に行った。
献血では医師の問診を受けたあと、採血で赤血球などの数値を確認し、問題がなければ本献血。という流れになるのだが、毎回看護師さんが止血のためにシールや包帯を巻いてくださる。「シールは2時間、包帯は15分ほど巻いておいてくださいね。」と言われているのだが、もうここでせっかち魂が溢れ出てすぐ剥がしちゃう。「もういいっしょ!もういいっしょ!」と勝手にべリべリ剥がして友達の真っ白シャツに素敵な赤い模様を付けてしまったことがある。
去年の冬は献血後、貧血になって死ぬほど悔しい思いをした。いつも通り献血をしたあと、毎回献血後には「温かい飲み物やお菓子と一緒に十分に休憩をとってからお帰りになってくださいね。」と言われているのだが、ここでまた「もういいっしょ!もういいっしょ!」とそそくそと帰ったところ、帰りの電車の中で初めて貧血になったのだ。心の中では「くそぅ。献血6年目にしてこの失態。。!嘘だ!夢だ!」と叫びながら、「帰り道に気分が悪くなったらすぐしゃがみましょう」という教えを思い出して難を逃れた。
進化する献血ルーム
これは全て自分のせいで起きたことであるが、献血時はこのような事態が起きないよう事前説明も、アフターフォローも十分にされている。
この7年の間に、献血ルームはかなり変化したと感じる。ルームの居心地の良さ、献血をする人への手厚さがどんどん進んでいる。思えば勝手に来ているわけなのに、申し訳ない気持ちになるほど手厚く対応してくださるのだ。
採血前のお菓子や飲み物の無償提供(採血のために必要ではある)に始まり、待合室の漫画・雑誌・テレビの装備・そして献血中も楽しく過ごせるようにテレビが一人一台完備されている。何よりルームが清潔感あふれ、まるでカフェのような雰囲気が漂う。最近ではフリースペース付きの献血ルームもあり、勉強までできるようになっている。
実家近くのよく行く「西北献血ルーム」↓
出典:http://nishinomiya.keizai.biz
去年の11月からはレッグクロス運動という献血に伴う副作用防止運動も新たに始まったそうで、私も看護師さんに優しく教えてもらい、献血中にテレビを見ながらモソモソと足を動かして無事に採血を終えた。
そして帰り際には献血のキャラクター「けんけつちゃん」の毛布やら付箋やらに始まり、色々な粗品をくれる。歯磨き粉までもらったことがある。そういえば大学生の時はおにぎりやカップラーメンもくれて、命拾いしたなぁと思い出す。
「これは断った方が良いのか?いや、でも折角くださっているわけだし。。ここまでしないと献血する人が集まらないのだろうか。。」と悶々と複雑な気持ちになりながらも、ちゃっかり今も「けんけつちゃん」の毛布にくるまりながら過ごしている。
確かに、採血ルームが温かく居心地の良い空間であることは、献血をしにやって来た人にとっては嬉しい。「次もまた行こう。」という気持ちになると同時に、周りにも伝えようと思う。どんな理由で献血ルームへ向かったとしても、最終的に献血者の増加に繋がるのであれば、それで良いのではないかと思う。輸血用血液製剤の多くは、不慮の事故等に伴うものではなく、主にがん(悪性新生物)の患者さんの治療に使われているそうだ。
そして骨髄ドナー登録も献血ルームで行うことができる。これは先ほどのハプニング事件の時に登録したのだが、献血の「ついで」感覚でできるほど、短時間の採血で済む。実は実際に適合可能性の連絡通知が来たことがあるのだが、ちょうどその時海外にいて、帰国してからその事実を知った。何も知らず、何もできなかったのが、今までの人生で一番後悔していることだ。
最後に、献血に行っているというとよく聞かれるのが「痛くない?怖くない?」だ。痛いよ、そりゃ痛いよ。でもベッドの角に足の小指ぶつけた時の方が10倍痛いよ。あと、怖くないよ。看護師さんがみんな優しいから!
■参考に
献血の手順
全国の献血ルーム情報
骨髄ドナー登録の流れ