こんにちは。ボーダレスキャリア やまとです。

わたしもアドバイザリーボードとして関わらせてもらっている社会起業家養成所ボーダレスアカデミーの第二期もいよいよ終盤。8月後半の卒業発表、その後JAPANソーシャルビジネスサミットでのファイナルピッチで終了です。

このアカデミーの中で、現役の起業家・経営者の方から話をきく「起業家講座」というのがあります。ここで話されるのは先輩経営者からのアドバイスでもなければ、成功のノウハウでもない。講師側も教えるという姿勢ではなく、未来の同士に自分の経営体験をシェアするという感じで話をしてくれます。創業からここまで、経営とどう向き合ってきたのか?その根底となっている経営哲学とは?というように、よくあるビジネススクールの講義にはない独特の雰囲気が特徴です。

今回のブログでは、ボーダレスアカデミーを通して、いろんな経営者が語った思想や言葉の中から、わたしが印象に残っているものをいくつか紹介したいと思います。

ボーダレスアカデミーの講師陣

やり続けるには「失敗耐性」をつけること

どんなにすごい経営者でも一度も失敗したことないって人はいないのではないでしょうか。あの松下幸之助の有名な名言にも『失敗したところでやめてしまうから失敗になる。成功するところまで続ければ、それは成功になる』とあるように、チャレンジに失敗は付きもの。「"結果"をどう捉えるか?」が、成功するまで続けられるか?の分かれ道なのです。

これと似た意味ではあるのですが、わたしがいい表現だなと感じたのが「失敗耐性」という言葉です。成功するまでやり続けられる人には、"失敗"はちゃんと"失敗"として受け止め、その学びを次に活かして進ん行く力があるんです。

ですが、失敗を認める・受け止めるって簡単なことではありません。肉体的にも精神的にも結構ダメージを喰らいます。では、どうすればこの「失敗耐性」がつくのか?それは、意識のベクトルが内(自分)に向いているのか、外(自分以外)に向いているかが大きく関係します。意識が内側に向いている人は、"失敗"を自分だけのこととして受け止め、そのダメージをもろに受けてしまいがち。何度かは跳ね返すことができても、長期間に渡ってそれを背負い続けると潰れてしまいます。

一方で、意識が外に向いている人はどうか?
例えば、ボーダレスグループで新たに事業を立ち上げようとする際に、必ず最初に取り組むのが「ソーシャルコンセプト」づくりです。わたしたちが考えるソーシャルビジネスは売上や利益を出すことが一番の目的ではありません。今ある社会問題を解決し、「理想の状態」にするのが最大の目的。なので、「事業通じて、何を成し遂げたいのか?」という大きい目標を最初に決めるのです。そうやって大きい目標を決めた次は、問題解決のための手段「社会ソリューション」づくり。

「そんなのアホのすること」と言われてこそ本物

ただ、社会問題解決のためのソリューションというものは、本当に非効率です。そりゃあそうですよね、これまで社会は「効率や生産性」を最優先にしてきました。でもそのせいで、そんな社会から取り残された人や、後回しにされてきたことがある。それが社会問題です。そこに取り組もうとしてるんだから、「非効率」は覚悟しないといけません。時には「そんなのアホのすることだよ。」なんて言われることも。そんな声には負けず、トライしては修正を繰り返しながら進んでいきます。

こうして社会ソリューションをつくることを考えながら事業をやっていると、自然と意識は社会(外)へ向いていきます。自分がどう感じるかよりも、社会にとってどうなのか?という視点で見られるようになってきます。それどころか、「失敗はソリューションの肥やし。この失敗から、学べて良かった!」と思えるようになります。だから、常に「意識=ベクトル」は外側に、社会に向け続けることが重要です。

アカデミーの風景

分かりやすい方に逃げない

人って本能的に自分が分からないものは認めたくない生き物だと思うんです。だから、物ごとを分かりやすくするために個々を括ろうとしたり、自分が理解しやすいようにレッテルを貼りたがります。わたしも外で人に事業の説明する際にはどうしても「相手への伝わりやすさ、分かりやすさ」を重視してしまっていました。

例えばボーダレスキャリアの事業を説明する時は、「いじめや虐待、不登校を経験した若者の就労支援」という言い方をしています。でも本当は、働くことに不安を抱えていたり、社会で躓いている若者は、いじめや虐待を受けてきた人たちだけじゃない。個々がそれぞれ複雑な悩みを抱えて苦しんでいます。ただ、これを正確に伝わるように説明するのは難しい。外で話をすると「その若者は障害者なの?引きこもりなの?ニートなの?」という質問がよく返ってきます。

そこでこちらが正しく伝えるのを諦めてしまうと、今我々が取り組んでいる若者の問題はちゃんと理解されません。こういうことって結構多くて、世の中には様々な問題があり、それぞれ置かれている状況や抱えている課題は違う。だけど多くの人たちは十把一絡げに考えてようとしてまいます。その方が理解しやすいから。

だからこそ、そういう時こそ「分かりやすい方に逃げず、時間はかかっても丁寧に伝え続ける」ことが大切なんです。

今回ご紹介したのは、わたしがボーダレスアカデミーで得た学びのほんの一部、実際はもっともっと濃い多くの学びがあります。講師を担当している経営者の人たちも、講演などで不特定多数の人たちに話すのではなく、未来の起業家になるかもしれない人たちに話すのとでは、内容はもちろん、話す際の熱量も違います。そういった他では絶対に聞けない話が聞ける、学びを得れる、そしてそれが起業後の経営にも活かされていく。それがボーダレスアカデミーの魅力です。

第二期も間も無く終了、残り短い期間ですが、わたしもアカデミー生の方たちと一緒に最後まで駆け抜けたいと思います。第三期の募集はまだ始まってませんが、興味がある方はボーダレスアカデミーのサイトを引き続きチェックしてみてくださいね!
 

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