
ミャンマー新規事業「Borderless Link」は、僻地農村にモノを届ける物流サービスです。こちらに来てから、プロジェクトを始める村を探しています。
対象となる農村は収入も少なく、食料や生活必需品の物流コストも高い。いわゆる「BOPペナルティ」と言われる僻地がゆえの不利益を解消するプロジェクトです。
(BOPペナルティについては次の記事に詳しく書いてます。)
社長のブログでも、事業について紹介してもらっています。
今までに、20カ所ほど僻地農村を訪れ、村人に話を聞きました。調査しているのは「タウンジー」という山岳エリア。
メインの道路から、脇道に入り整備されていない山道をバイクで1〜3時間行くと農村が見つかります。
生活必需品は手に入りにくいし、自分が作った農作物も市場に売りにいくことができない。
なのに、なぜこんな僻地に村があるのか。
村の人に話しを聞いていくと、ミャンマーの特別な事情を知ることになりました。
ひとつは、1962年に発足した軍事政権下、軍の支配から逃れるため
一番近くの町からバイクで片道4時間、でこぼこの山道を登ると「Bow la bet村」が見えてきます。
当時、少数民族の民兵組織とミャンマー政府軍が交戦状態に発展したエリアがありました。この争いから逃れるために「Bow la bet村」の村人たちは山の上まで移動し、ここに村を築くことにしたそうです。
病院や学校に行くのも不便で、食料品や生活用品を得るためには山道を2時間半も下らなければなりません。
ふたつめは、ケシ(麻薬)栽培のため
活動エリアのシャン州は、タイ・ミャンマー・ラオスの国境が集まり、別名「ゴールデン・トライアングル」と呼ばれます。ケシ畑が広がり、密造麻薬が世界に輸出される「悪の三角地帯」。
104家族が暮らしている「Don ta khaw村」は、収入を得るために40〜50%の村人がケシ栽培に関わっています。現在、ケシの栽培はミャンマー政府によって禁止され、見つかれば罰則が課せられます。だから、政府の目の届かない僻地でケシ栽培が行われています。
村人も本当はケシ栽培はしたくないと言いますが、僻地の村では収入を得るために仕方なくこういった仕事をするケースが多くあります。
焦る気持ちを抑えて、少しずつ確実に進む
他にも村の事情はさまざまです。ドラッグが蔓延する村、医療が届かない村、雨期に完全に孤立してしまう村。
それぞれ事情を知り、全ての問題を解決したいという思いが湧いてきます。それでも、一挙に全て解決することはできません。その中でも、自分たちがプロジェクトを始める意義のある場所を探しています。
まずは少しずつ、一つのエリアで仕組みを作り上げたら、また別のエリアへ。そうやって広げていこうと思っています。
隠れるように存在する僻地の村々。
現在、プロジェクトを始める村を大方決定し、詳しい段取りを計画しているところです。それぞれの事情をきちんと理解し、村人と共にプロジェクトを進めていきたいと思います。
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