
2年前のブログ「経営者は“たった一人で熱狂”してはいけない」で、経営とは個人の力量を超えることだと書きました。
あれから2年、ボーダレスもグループ体制へ移行をしたり、経営においても様々な変化がありました。
日本、韓国、台湾、バングラデシュ、ミャンマー、ケニア、グアテマラにグループ企業が13社(※2019年6月現在:24社)に増えました。今後は、年間10社ペースでグループ企業を増やしていきたいと思っています。
最近いろんな方とお会いしますが、皆さん決まって同じ質問をされます。
「どうやってそんなたくさんの会社をマネジメントしてるんですか?」と。
でも、この質問にはとても答えづらいんですね。
なぜかというと、僕らはマネジメントしようなんてそもそも思っていないから、どうやってマネジメントするのかと問われると一瞬とまっちゃう訳です。
なんで、そんなにマネジメントしようとするのかな?と。
もちろん、リスク管理の必要性など、マネジメントを必要とするもっともな理由はたくさんあるのでしょうが、でも根底にあるのは「信頼していない」ということ。
それは、人のことを疑っているというのではなくて、会社のメンバーと自分とをやっぱり別物だと考えているところがあるのかも知れません。
どこかで、経営者と従業員は違うと。その潜在意識が「マネジメントしなくてはいけない」という考えに至ってしまうのかも知れません。
でも、考えてみてください。彼らは、あなたと同じ目標を目指して、この会社に入ってきてくれた立派な大人たちなのです。こういう世界をつくろう!と同じ舟に乗って来てくれた彼らは同志です。
そんな彼らをマネジメントする必要は本当にあるのでしょうか?
もし、それでも必要だと思うなら、あなたは従業員との関係を「労使関係」としか見てないのかも知れません。でも、それはとても悲しいことだと思います。
その会社にいる人間たちは、何のためにそこに集まっているのか?
お金を稼ぐために雇い、雇われている。時間・能力を買っている、売っている関係。そこにいる人間たちを束ねるものは、結局お金になっちゃう。
果たして、それが幸せな姿なのだろうか?
経営者も従業員も、単なる役割の違いであって、同じ目標を目指して集まってきた同志。
そういう関係をどうやったらつくれるのか、それこそが経営であると思っている。
そういう関係をつくることができれば、ただの人の営みに過ぎないビジネスというものを、より味わい深く、人の幸せをつくりだすツールに変えることができるかも知れない。
いい社会づくりのためには、いい会社づくりが必要。
経営者はたった一人で熱狂しないで、たくさんの仲間と一緒に社会づくりをしている、ということを忘れずにいたい。
「労使関係」ではなく「同志関係」をつくるのが経営。
人を管理するのではなく、みんなを信じてゆだねること。
そうしてはじめて、喜びも苦しみも分かち合わえる本当の仲間になれると思う。
そういう仲間と一緒に過ごした日々が人生の喜びになると僕は思う。
≪ボーダレスグループ代表の経営ブログ≫
・失敗する起業家は「ビジネスモデル」から考える。
・なぜ、社会問題を解決するいいビジネスアイデアは広がらないのか?
・女性の社会進出=男性の家庭進出。 それを実現するカギはどこにある?
・20%の成果しか出さない8割の仕事でメンバーを疲弊させていないか?
・一人の人間のちょっとの勇気から、世界は変わっていくんだと思う。グローバル市民がつくる平和な社会