■インターン経験者
久留島 愛
1999年生まれ。大学1年の時に国際協力を仕事にすることを志し、イギリス留学やケニアでのインターンを経験。帰国後に日本に住む難民と出会い、彼らの孤立を解消するために起業を決意。2021年4月にボーダレス・ジャパンに入社し、現在はバングラデシュ貧困層に雇用を生み出す革製品のOEMサービス「BORDERLESS FACTORY」を担当。
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■インターン先
Alphajiri(アルファジリ)
ケニアの小規模農家における貧困問題を解決する事業。貧困小規模農家が作る共同体「アルファ・チャマ」に農業・生活に関するあらゆるサービスを多角的に展開。現在、共同体に対する農作物の契約栽培、農業資材のローン提供、貯蓄指導等に加え、首都ナイロビでの小売店舗展開による流通網の構築を行う。
▶︎▶︎Alphajiriの事業概要

2日目からケニア人しかいない環境でリーダー育成!?

-アルファジリをインターン先に選んだ理由を教えてください。

久留島: 大学1年生の時から、国際協力を仕事にしたいと思っていて、国連やJICA、NGOの職員など色々考えていたのですが、大学3年生の夏にまずは具体的に試してみようと思い、アフリカの現場で長期インターンできるところを探しました。
色々ネット検索して出会ったのが、アルファジリのインターン募集でした。他にもNGOのボランティアなど色々調べたのですが、過去のインターン生のブログを読んで、一番裁量権を持って、いろんな仕事にチャレンジできそうだったのがアルファジリでした。

いきなりケニア人のまとめ役!? 衝撃のアフリカインターンで人生変わった話

-実際に現地ではどんな業務を任されましたか?

久留島: 実際2ヶ月間インターンをさせてもらったのですが、大きく2つ任せていただきました。アルファジリは、ケニアの貧困農家の生活を包括的に向上させることをミッションとし、「アルファチャマ」という10人ほどのご近所農家グループを形成して、農法指導や農業資材のローン提供などを行っています。そして、会員農家から買い取った作物の卸売によってマネタイズするというビジネスモデルです。
そこで私は、農家のまとめ役となる「フィールドオフィサー」という社員の指導と、卸売オペレーションの改善に、他の日本人インターンやケニア人社員とチームを組んで取り組みました。

インターン2日目からケニア人しかいない環境で、農家のリーダー育成を担当することになり、アルファジリの農家のためのコミュニティを運営していく上で、どのようにすれば彼らがルールを守れるようになるのか、どうすればうまくコミュニティが機能するか、ゼロから課題を特定するところから始め、施策の議論、実施、フォローアップのサイクルをオフィスメンバーと連携しながら行いました。

インターンはもちろん、リーダー経験ゼロの私が農家のリーダー育成なんてできるのかとても不安でしたが、とにかくやるしかない環境下で必死にもがきながら、メンバーと一緒に事業を進めることの楽しさとやりがいを感じていました。

また、住環境もなかなかすごくて笑、農家さんの家にホームステイさせてもらったのですが、電気水道ガスは一切ない環境で、お風呂は雨水を溜めて浴びたり、洗濯は川で洗うスタイルでした。食事も合わず、寝る部屋の隣は牛がいて、足元にはネズミがいるという、今思えばすごい環境で過ごしていました笑。

後半は、さつまいもを農家から買取るという工程のオペレーション改善をまるっと任されて、まずはトラックに乗り、同行させてもらうところから始まり、オペレーションの詳細を把握し、何が課題なのかを探り、小さな改善を重ねていきました。

壁にぶち当たりながらから学んだ「ついていきたくなるリーダー」の条件

-インターン2日目からすごい裁量権とハードな日々が始まったんですね!実際に仕事を進める中で、どんな気づきや学びを得ましたか?

久留島: たくさんの学びがあったのですが、その中でも「人をどう動かすか」「メンバーがどうすれば協力してくれるか」という壁にぶち当たったことが大きい出来事でした。私自身は、業務改善をしたいと思っているが、メンバーは同じようには思っていない。「賃金を上げてほしい」などという声がメンバーからあがるなど、メンバーを巻き込むことに苦戦しました。

改めて、社長の薬師川さんと副社長西田さんがメンバーたちにどのように接しているのかを見よう見まねで学び、「リーダーたるもの、誰よりも必死で行動するからこそ、メンバーがついてくるのだ」ということに気づきました。これまで現場全体の監督や指示に徹していたのをやめ、まずは自分が必死になって業務を実際に行うようにしたことで、メンバーの反応も変わり、状況が変わりました。

また、スタートアップならではの朝令暮改のスピードを日々実感していました。「ビジネス」である以上、1円も資金を無駄にすることはできず、利益を生み出していく必要があるため、常に目的に沿った経営判断をスピーディーに行うことが求められます。頻繁に方針転換が発生していましたが、全てはソーシャルインパクトを最大化するという目的のため。そのために、日々スピーディーに事業を改善し、自分が提案したことで、すぐ翌日には反映されるという経験ができたことは、本当に素晴らしい経験でした。

いきなりケニア人のまとめ役!? 衝撃のアフリカインターンで人生変わった話
農村の風景。ここを毎日歩き回りました。

「正解が分からない…」そんな迷いが消えたある社会起業家の言葉

-実際に社会起業家である薬師川さんらと仕事を共にして、どうでしたか?
久留島: 社長の薬師川さんに言われた言葉で、とても印象的だった言葉があります。「何が“正解”かなんて、自分の小さな頭の中で考えていてもわからない。行動し続けて、何年も経って、初めてわかること。だから、とにかく“善い動機”をもって、がむしゃらに行動し続けることが大事。」

日々業務を進める中で、「自分がやっていることは合っているのか」と迷うシーンが多々ありましたが、覚悟を決め、人生をかけて事業に取り組んでいる薬師川さんに言われたこの言葉がその当時の自分にとても刺さりました。考え・悩むことも大事だけれど、正解探しはせず、信念を持って、とにかく行動し続けることこそが、ソーシャルビジネスをやり続ける上でとても必要なことだと感じました。

また、これまで自分で起業するという選択肢は一切ありませんでしたが、今回の経験を通して、社会問題を解決する方法の1つとして、社会起業家という選択肢を知り、社会起業家になることを決意しました。

-最後に、これから挑戦しようとしている学生の皆さんへのメッセージはありますか?
久留島: とにかく現場に飛び込んでみることをおすすめします。何もしないよりも、現場に身を置くことで、自分の実力が分かり、経営者と自分の実力のギャップが明確になることで、将来のためにこれから自分が何を身につけるべきか、何をすべきかが明確になると思います。
もし現場へ飛び込むことに迷っている方がいたら、考えすぎずに、まずは飛び込んでみてください!

※2021年当時のインターン内容です。現在のインターン内容はエントリーページをご確認ください。

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