12月18日(日)、株式会社ボーダレス・ジャパンは、「社会起業家9名がソーシャルビジネスの実情について語るSEED BUSINESS FORUM」を開催した。事業社長が一堂に集う公開イベントは、同社初の試みとなったが、定員の2倍以上の応募があり、イベントは盛況のうちに幕を閉じた。

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■真のソーシャルビジネスとは

「ソーシャルビジネス」という概念に対し、「結局普通のビジネスと同じなのではないか」と感じている人は少なくない。しかし、ソーシャルビジネスは一般的なビジネスとは決定的に異なる点がある。イベントのオープニングで社長・田口一成は、「ソーシャルビジネスとは何か?」について語った。

ソーシャルビジネスは、「ビジネスを通して社会問題を解決すること」であるが、決して、人々が持っている不満や不都合など「社会の負の側面」を解決するビジネスのことではない。それら社会の負の側面は、いうなればマーケットニーズになりうる。

しかし、ソーシャルビジネスで解決する社会問題は、社会の欠陥や不合理から生まれた、人々が生活していく上で支障をきたすレベルの問題のことである。それは例えば、貧困問題、環境問題、難民問題などのことを指す。このような問題に対してリスクを引き受け、ビジネスという手法で解決に取り組むことをソーシャルビジネスという。
SEED BUSINESS FORUMオープニングトーク動画
SEED BUSINESS FORUMオープニングトーク書き起こし記事

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各事業社長の登壇では、成功事例だけでなく、軌道に乗せられなかった事業についても語られた。「バングラデシュから児童労働をなくす子ども服」CORVA社の社長・中村将人は、自身の事業を「成功事例ではなく、現在もがいている事業」として紹介した。CORVA社は2013年に創業を開始し、現在全国に5店舗を構えている。しかし、このままの事業規模では「バングラデシュから児童労働をなくす」という当初の目的は果たせないと判断し、今期ブランドのコンセプトを一新することを決めた。

中村は、「社会問題を解決するためには、失敗したから終わりではなく、成功するまで挑戦し続けること、そしてその挑戦をサポートしてくれる土壌が大事」だと語った。

CORVA社長・中村登壇動画

創業社長二人のトークセッションでは、社長・田口一成と副社長・鈴木雅剛が「ソーシャルビジネスに必要なこと」というテーマで語った。社長・田口は、バングラデシュの自社工場に、18歳以下の子どもが紛れていたことを明かし、「当事者の立場になって考えること」の重要性を語った。

バングラデシュでは、身寄りがない子どもが物乞いや児童労働をするケースが多いが、彼らが労働しない場合、生活が立ち行かなくなるという問題が常につきまとう。子どもが工場に紛れていた場合も、「児童労働は禁止」という先進国の論理を押し付けるのではなく、常に当事者の視点で物事を考え、最良の方法を共に考えていく必要がある」と述べた。
創業社長二人のトークセッション書き起こし記事

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■ソーシャルビジネスに対する関心度

当日の参加者の内訳は、学生と社会人がほぼ同じ割合であった。これは、イベント運営本部の予想を良い意味で裏切る結果となった。

一般的に、「ソーシャルビジネスでは食べていけない」というイメージがいまだに強く、それゆえに、社会人になると共に若い頃の志を諦めてしまう人は多い。そのため、今回のイベント参加者も学生が大半になるのでは、と運営当局は見込んでいたが、半数が社会人であったことは嬉しい驚きであった。

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今後自らソーシャルビジネスに取り組みたいか?
当日行った参加者アンケートでは、「今後、自らソーシャルビジネスに取り組みたいか」という質問に対し、「はい」と回答した人は全体の7割にのぼった。

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取り組みたい社会問題としてあげられた日本の問題は、
日本のホームレス問題
障がい者差別
食料廃棄問題
子どもの貧困格差
精神疾患に起因する若年層のひきこもり・自殺問題
などが挙げられた。

一方、世界の社会問題としては、
ラオス南部のコーヒー生産地における貧困
アフリカの元子ども兵士の社会復帰支援
カンボジアの性奴隷問題
東南アジアの児童労働
環境汚染問題
などが挙げられ、その分野は多岐にわたっており、参加者の問題意識はさまざまであることがわかった。

また、取り組みたい社会問題として、日本の社会問題を挙げた人の割合は全体の44%だったのに対し、海外の社会問題を挙げた人の割合は56%であった。「ソーシャルビジネス」というと、地方創生や障害者支援など日本国内におけるイメージが一般に強いようだが、海外に目を向けている人は意外と多いということがわかった。

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今回のフォーラムでは、社会人として企業に従事しながら、「社会問題解決のために力を尽くしたい」という思いで、新たな道を切り開こうとしている参加者の姿が多く見られた。イベント終了後も、参加者の多くが熱心に登壇者に質問しており、会場は大いに盛り上がった。

参加者からは、ソーシャルビジネスのイメージが変わったといった感想を多くいただいた。
「ソーシャルビジネスは稼げないイメージだったけれど、ボーダレスの事業規模を知って自分の中の常識が覆された。」、「リスクをあえて引き受けて闘っている事業社長たちの話を聞き、自分も挑戦しようという勇気をもらった。」、「ソーシャルビジネスは生ぬるいイメージがあったが、一般のビジネスと同じように、もしくはそれ以上に本気で取り組んでいることが伝わってきた。」などと感想をいただき、今回のフォーラムを経て参加者には、これまでのソーシャルビジネスのイメージを払拭し、真のソーシャルビジネスについての理解を深めてもらえたのではないかと感じている。

しかし、ソーシャルビジネスに従事したい人が多い一方で、実際には多くの人が踏み出せずにいるのが現状である。その理由として挙げられるのは、「ソーシャルビジネスでは稼げない」「十分な資本金がない」「専門知識を持った仲間がいない」ということである。

これらの問題点をすべて解消し、できる限り事業の成功確率をあげるために立ち上げたのが、ボーダレス・ジャパンの社会起業家のための創業プログラムSEEDである。

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■SEEDとは

社会を根本から変えるビジネスを自らの手で創ることを志す「社会起業家」のための創業プログラム。選考通過者は、ボーダレス・ジャパンがこれまでに創設してきた10の事業で培ってきた人材、ノウハウを活かし、社会問題を解決するビジネスを立ち上げ、実際に会社設立する。起業後も事業が黒字転換するまでは、ボーダレス・ジャパンの人材を無料でチームメンバーとして迎えることができる。

ビジネスプラン選考通過後は、最大3,000万円の資金ですぐに事業を立ち上げることができる。創業者を含め3人までであれば複数名でエントリーし、チームで創業することも可能。

一方、すぐに事業を立ち上げるスキルがない場合は、ボーダレス・ジャパンの既存の各社の中で実践経験を積み、その後2年以内に起業することを目指すSEED Youthも公募している。

一つでも多くの社会問題を解決するため、期限は設けず通年公募する。

エントリーはこちら
SEED
SEED Youth

■SEED ACADEMY

「社会問題をビジネスで解決する」ことを志していても、その方法を学ぶことができる場はまだ多くない。SEED ACADEMYでは、ソーシャルビジネスの現場で活躍するプロの視点を学ぶ機会を提供する。講師はボーダレス・ジャパンの創業社長・田口一成と副社長・鈴木雅剛が担当する。年間計8回の講義を経て、自身が考案したビジネスプランを現実に実行できる精度の高いものに仕上げていく。

第一回目のテーマは「ソーシャルビジネス概論とソーシャルコンセプトの考え方」で、副社長・鈴木が講義を行う。

<第一回 SEED ACADEMY>
日時:1月14日(土) 9:00~12:30
場所:市ヶ谷オフィス / 天神オフィス(オンライン中継予定)
参加条件:SEED MEMBERへの事前登録
SEED MEMBER登録はこちら

【株式会社ボーダレス・ジャパンについて】

「ソーシャルビジネスで世界を変える」ことを目指し、社会起業家が集うプラットフォームカンパニーとして2007年3月に現・代表取締役社長 田口 一成が設立。現在、「貧困」「環境問題」など社会問題の壁を超える10つの事業を展開中。偏見のない世界を作る多国籍コミュニティハウス「BORDERLESS HOUSE」、オーガニックハーブで貧困農家の収入をアップする「AMOMA natural care」、バングラデシュに雇用を作るビジネス革製品「Business Leather Factory」など多くの社会的事業を創出している。オフィス・活動拠点を東京・大阪・福岡・韓国・バングラデシュ・台湾・ミャンマーへと拡大し、2016年度の売上高は30億円を超える見込み。

【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社ボーダレス・ジャパン
「SEED運営事務局 石川」
E-mail:info@seedmember.com
TEL:03-5227-6980

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