ボーダレスグループには、社会問題の解決を目指して起業した社会起業家だけではなく、彼らとともに事業をつくるスペシャリストも集まっています。ここに来た理由は「社会貢献に携わりたい」「新しいことに挑戦したい」「自分のビジネス力を試したい」など様々。この「シゴトファイル」では、そんなスペシャリストたちに、働き方や仕事のスタンスをインタビューしています。

第7弾となる今回は、「オシャレママのための子供用品ユーズドセレクトショップ」POST&POST(以下ポスポス)の長住店で店長を務める阿立恵(あだちめぐみ)のインタビューです。自らを『ポスポスの申し子』と呼ぶめぐちゃんが、ポスポスとのこれまでの歩みを素敵なエピソードを交えて話してくれました。

 

「夜の世界」から「ポスポスの申し子」へ


スイミングスクールのインストラクターを務めていたことも。

—まずは、ポスポスに出会うまでの経緯を教えていただけますか?

工業高校で印刷やレイアウトなど画像工学の勉強をしていました。入れるところがそこだけだったので。(笑)
受験勉強もせずただもう「楽をして暮らしたい」をモットーに生きてましたね。

両親の離婚後に単身赴任中の父に引き取られ、当時は祖母と兄の3人で住んでいたんですが、高校卒業後からは保険証も身分証明書も持たず水商売の世界に入りました。18歳の時の目標が「1千万円貯めて遊んで暮らす」で、実際にけっこう贅沢しながら5〜6年で1千万円が貯まったんですよ。1千万円貯まったら辞めることは事前に伝えていたので、通帳を見せてお店を辞めました。

ちょうどその頃、テレビに映った山崎まさよしさんの曲に撃ち抜かれて、「この人と同じ空気が吸いたい」との思いで、翌日東京に行っちゃいました。 羽田空港で乗ったタクシーで「銀座か歌舞伎町か六本木、どれがいいと思いますか?」って聞いたら「お姉ちゃんなら六本木じゃないかな」ってことで、そのまま六本木まで連れていってもらいました。最初はビジネスホテルに1ヶ月くらい住んで、すぐ中洲時代のお客さんのつてで六本木で働かせていただくことになりました。
遊ぶつもりで東京に行ったのに、怖くて結局働くことになってしまいました。笑

その後ある時、母がスナックを長住にオープンしたいということで連絡をくれて、そのお手伝いのために長住に帰ることになったんです。母と長いこと暮らしたことがなかったので、私はそれがとても嬉しかったですね。

—ポスポスは、アルバイトからスタートしたそうですね

はい、今でこそ店長ですが、最初はバイトでした。オープン前の募集を3年ほど前に見つけたんですが、リサイクルショップという業種ではなく、シングルマザーとして日給よりも日中に働けて安定して家から徒歩3分という条件に魅力を感じて応募しました。

—ポスポスの印象はどうでしたか?

吉田さんが面接してくださったんですけど、「私の第二の人生はここに捧げよう」ってくらい撃ち抜かれました。「『世界からゴミ箱を無くしたい』っていう社長の夢を私の夢と一緒にして一緒に目指したい」って思ったんです。

バイトの面接で聞かれることってどこもだいたい同じですが、吉田さんはそれ以上に会社のことを私にたくさん教えてくれたんですよ!それがまるで会社のプレゼンのように聞こえたんですよね。こっちが選べないで向こうが選ぶ、じゃなく、むしろ「僕の会社を選んでください!」っていう一生懸命なアピールに聞こえたのがすごい嬉しかったんです!こんな面接は初めてだったので、事業内容よりも吉田さんの思いを大切にしたいっていう思いで働き始めました。

 

お客様の“想い”が次のお客様につながる仕事

—リユースショップの理解を深めるために、商品が持ち込まれた後のプロセスを教えてください

査定を経た買取価格に承諾をいただいた商品は、洋服であれば首のタグ部分に値札を一着ずつ通し、サイズ別にハンガーにかけて店頭に並べます。1日に150〜250着くらいですね。おもちゃなどに汚れや欠品があれば磨いてラッピング。チャイルドシートなど大物商品は週に2〜3回、専任スタッフが水で洗ってくれています。雨でも雪でも懸命にやってくれていますね。シートや布部分も洗濯機で洗いピカピカに綺麗にして店頭に並べています。

—印象的なエピソードはありますか?

チャイルドシートを持ち込んでいただいた方のお子さんが「嫌だ嫌だ!」って泣いていたんです。「だってあの時もあの時もこれに乗ってたじゃん!僕はこれに思い出がいっぱいなんだ!」ってチャイルドシートに抱きついてるんですよ。

私そのとき初めてもらい泣きしちゃって「ごめんね。もういいよ、持って帰っていいよ」「次の人にちゃんと使ってもらうからね」なんて言いながら。最後は、お母様が「写真撮ってあげるから」ってなだめて、チャイルドシートと一緒に写真撮ってもらっていました。

チャイルドシートにスリスリして「バイバイ!今までありがとう!」って言い残して帰っていくのをみた時は、そのチャイルドシートを必死で洗おうって思いましたね。

『お客様の思いが次のお客様に繋がっていく』瞬間を見られるのもこのお店ならではです。ポスポスで買われた方が「もう使わなくなったので、次の方に」ってその商品を持ち込んでくれることが、何度もありました。ベビーベッドなんか1年ほどで「あ、おかえり!」「また、行ってらっしゃい!」って笑。スタッフも、もう全てが我が子のような思いで働いてくれていますね

 

経営難の店舗を立て直した“ポスポスらしさ”

—去年10月にオープン後、経営に苦しんでいた石丸店を黒字転換させた凄腕とも伺っています

私、本当に何もしてないですよ。実際に頑張ってくれているのはみんななのに、私に焦点が当たるのが他のスタッフみんなに申し訳ない気持ちが大きいです。
社長が周りに私のことを言ってくれてるみたいですが、私自身は長住店でみんなに日々助けられてるって感じです。石丸店も私が関われたのは半月ほどで、本当に石丸店のみんなが頑張った成果ですよ。

—石丸店で行ったことを、具体的に教えてください。

特に経営が赤字の時だからこそ、最初の「頑張り方を伝える」「気持ちを入れる」ってところにしっかり時間を使いました。そしたらその積み重ねでどんどん良くなっていくのが分かったんですよ。

時には一緒に店内を見て回って「自分が買うとしたら、どう?」「これくらいで、ちょっと賑やかにしてみよっか」って話しながら仕事をお願いすると、すごい頑張ってやってくれたり。また、私はいつもポケットに布切れとセロハンテープを入れといて、店内を回りながら商品の埃を拭くんですけど、「何で今まで気が回らなかったんだろう!」って感動して喜んでくれたりもしました。

目指したのは、“ポスポスらしさ”が出る売り場です。

—めぐちゃんにとって、その“ポスポスらしさ”って何ですか?

これはポスポスが生んだ言葉だと私は思ってますけど、『ファミリーワーク』です。”スタッフの家族”、そしてスタッフみんなを”家族”と思うことなんです。

例えばスタッフのお子さんが入院してしまったら、お店のことは後回しで、「みんなで何とかするから、ずっとついててあげて。」っていう文化があります。もちろん休む人を責める人は一人もいないです。それがポスポスらしさですね。

また、「自分が頑張れるのはみんながいるから」って思えるメンバーがいること。
うちの業務って全部が繋がってるんです。商品の買取、査定、商品のリカバリー、陳列、接客、レジ打ち。一人が接客でたくさん売って売り上げを達成できても、それはその間にフロントがレジをしてくれたからだし、商品を査定してくれて、それを磨いてくれた人がいたから。誰か一人でも欠けたらこのお店は成り立たないんだという感謝の意識も「ファミリーワーク」の一つです。

—石丸店の反応はいかがでしたか?

「さっきテープで修正したやつ売れたじゃん!」「抱っこ紐、売れるようになったじゃん!」って成果を喜び合ったり、みんな頑張り方がわかってイキイキと楽しそうに頑張って働いてくれました。私は頑張り方を伝えたくらいで、あとは本当にみんなが頑張ってくれたんですよ!

石丸店に入ってすぐに女性の新人2人と2〜3時間ほど一緒に店内を回ったその晩に彼女たちがそれぞれSNSに投稿した内容を、後で他のスタッフから教えてもらいました。「素敵な人に出会えた。もっとたくさん教えてもらいたい。たくさん吸収したい。いっぱいあの方を観察して盗む!がんばる!」っていう内容でした。長住店のみんなもいつも頑張ってくれてますが、こんなフレッシュな感情を受けたのは初めてで私もなんだかくすぐったくて、ものすごく嬉しかったのを覚えています。

—リーダーとして意識していることはありますか?

ボーダレスの方々は、論理的思考や分析・戦略が得意で本当に尊敬しています。私はそういうのができないので、感情や人の気持ちを一番に優先することが私にできることかなと思っています。みんなのモチベーションを上げてみんなが楽しく働ければ数字も上がってくると思うし、私はそこに力を入れ続きていきたいです。

そして、率先して「自ら動く」こと。

クレーム対応とか誰もができれば対応したくないことはできる限り私が対応しようと努めているつもりですし、元気にお客さんの目を見て挨拶をする姿勢を見せたり、できるところから常にみんなの手本にならなきゃとは思ってます。

 

ポスポスは“めっちゃ感動できる人たち”が集まる場所

—ポスポスでどういう人と一緒に働きたいですか?

一つ一つに感動できる人です。面接の時によく「最近感動したことありますか?」って質問するんですけど、すぐ答えられる人がいいですね。側からみたらバカのようなことでもめっちゃ感動できる人たちと一緒に働きたいし、ポスポスはそういうメンバーの集まりです。

長住店の売り場でも、「えっ!これすぐ出し?即出せるやつ?」「めっちゃいいやん!だそだそー!」「こりゃテンションあがるわー!」「お客さん喜ぶだろーなー!」って、みんなで楽しくやっています。

お客様が妊娠中からお子さまが産まれるまで、そしてその後も通ってもらえるようなお子さまの成長を一緒に見られる場所、そして「あそこにいけば助けてくれる」とか「あの人がいるから」って立ち寄ってもらえるような場所に、ポスポスがなるといいなと思っています。そして、最終的には吉田社長の夢『ゴミを出さない未来』を作っていきたいですね。

—インタビューを終えて

SNSやUber、AirBnBなど、今の世の中に溢れている「プラットフォーム」は必要とする人やモノをつなげるためのものです。それにより私たちの生活は便利になりましたが、私たちはそこで働く従業員の顔や名前を知ることはあまりありません。

今回ポスポスを取材して感じたのは、ここが「プラットフォーム」だということです。「子供用品が必要でなくなった人たち」と「子ども用品が必要になった人たち」をつなぐためのプラットフォーム、そしてここにあるのは、人が人であるための『温かさ』。温かな心、温かな笑顔、迎え入れる温かい雰囲気、人の気持ちがわかる温かさ。
それは、アナログのようで『一歩も二歩も先をいくプラットフォーム』だと感じました。

「フリスク、食べます?私、ミント依存症なんですよ。」
なんてインタビュー中に笑いながらフリスクを勧めてくれためぐちゃんは「自分は全然偉くない」と謙遜しながら丁寧に答えてくれました。自分のことよりも、特に長住店の仲間のことを楽しそうにたくさん話してくれたのが印象的でした。

インタビューを終えたのは12時ごろでしたが、その日1日は心がとてもほっこりし続けていた、そんな時間でした。

 

インタビュー連載―シゴトファイル

Vol.6 古谷優佳(ボーダレスハウス)の場合。
出会いを生み、社会をかえる仕事―立ち止まってみつけた、わたしの第二章。

Vol.5 作内大輔(バックアップオフィス)の場合。
ボーダレスの成長とともに歩んだ10年。僕だからできること、をもっと。

Vol.4 寺師悠(AMOMA)の場合。
伝えたいのは、わたしの仕事の先にあるもの

Vol.3 加藤千穂(ビジネスレザーファクトリー)の場合。
特別なスキルはいらない。信じたのは「わたしらしさ」

Vol.2 呉原祐香(ビジネスレザーファクトリー)の場合。
未経験の仕事に挑戦してみつけた、自分のスペシャリティ

Vol.1 金子健一(ビジネスレザーファクトリー)の場合。
「ソーシャルビジネスなんて意識高い」と思っていた広告マンが、ボーダレスで働く理由

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