就職、進学、独立―。数ある進路の中から社会起業家への道を選んだ人が、毎年ボーダレス・ジャパンに集う。2018年4月に新卒で入社予定のメンバーに、この道を選んだ理由を聞いた。

5人目は、廣瀬 智之さん。「途上国と先進国を繋げ、1人でも多くの人が幸せに生きられる社会をつくる」という志に向けてどんな学生生活を送り、これからどんなソーシャルビジネスをつくりたいと考えているのだろうか。
(聞き手 / ボーダレス・ジャパン 新卒採用担当:石川)

「モノやお金以外の幸せの尺度」を持つ途上国の人々

―最初に、廣瀬さんが成し遂げたいことについて教えてください。

廣瀬:生まれた場所に関わらず、1人でも多くの人が幸せに生きられる社会をつくりたいです。

今の資本主義社会にある格差が人々を疲弊させていて、そこへの不満がテロや戦争、社会問題に繋がっていると思うんですね。心から満たされる人を増やせなければ、社会問題は解決されません

例えば、途上国は貧しくてかわいそうという印象を持たれがちですが、モノやお金が溢れていない途上国の人々だからこそ、多くを求めず目の前の人を大切にする価値観があります。彼らが持っている「モノやお金以外の幸せの尺度」は先進国が学ぶべきもので、これを伝えることで心から満たされる人を増やせると思います。

また、社会問題解決のためにアクションを起こす人を増やしたいと考えた時、社会問題だけにフォーカスをあてて伝えても実際に行動する人は本当にわずかです。大半の人は「途上国=恵まれていない」という感想を持つくらいです。

だからこそ、社会問題だけではなく、文化や私たちの暮らしに接点があるものを中心に「面白い」題材も発信していくことで、お互いさまというか他人事じゃない関係で、途上国の人と先進国の人を結びたいと考えています。

「支援する人・される人」ではなく、対等な目線で繋げたい

―社会問題に関心を持ったのは、いつごろですか?

廣瀬:高校生のころですね。学校の土曜講座に国際貢献の講座があって、そこで国際ボランティアについて知る機会が多かったんです。e-Educationの税所さんの講演もあって、強い影響を受けました。

初めて途上国と呼ばれる場所に行ったのは、大学に入ってからです。友人と宿泊したカンボジアのゲストハウスで、「おくりものや」という団体の代表とお会いしました。その団体はアーティストを途上国に呼んで現地の人とモノづくりをして、それを販売し、売上を作り手に渡す活動をしていました。

僕自身はタイダイ染が趣味だったのでその話をしたところ、カンボジアの一家と一緒にタイダイ染の商品を作ってみませんか?というお話を頂いたんです。

大学2年生の間は、ずっとこの活動をやっていました。Tシャツなどのデザインを一緒に考えたり、商品の種類を増やしてみたり。自分でネットショップを立ち上げて、ツイッターで販促もしていました。「作り手が困っている人だから購入する」ではなく、「良い商品だから買う」構図にするというポリシーがあったので、どうやったら魅力的な商品だと思ってもらえるかを考えながら、色々試してみましたね。

その時に一緒にやっていたカンボジアの一家には5人の子どもがいました。働かない父親に代わって母親が大黒柱で、子どもはゴミを拾って収入にし、なんとか生き延びているような状態でした。今は、おくりものやの活動を通して、貧しい地域とはいえ家を借り、子どもも学校に通えるようになっています。

彼らと出会うまで途上国のイメージは「かわいそう」とかネガティブなものだったんですが、関わるようになって、そこには社会問題だけじゃなくて、彼らの価値観や考え方など学ぶことがたくさんあると思うようになりました。だから、支援する人・される人という関係ではなく、対等な目線で繋げたいと思ったんですよね。

社会問題を発信する「写真家」から「社会起業家」へ

―その団体での活動は、1年で終えたんですか?

廣瀬:そうですね。いつの間にか、より売れる商品を作るために、自分がタイダイ染の実力を上げなければと思ってしまっていたんです。「それは本当にやりたいことと違う」と感じたので、やめました。

ちょうどその頃、フォトジャーナリストの安田 菜津紀さんの本を読んで実際にお会いしたことで、「報道」をやってみたいと思いました。この手段なら、自分のやりたいことに繋がりそうだと思って。

まずはNPOメディア「ganas」のスタディツアーに、大学3年の夏に参加して9日間、フィリピン・セブ島を取材・インタビューして記事を作りました。市場やゴミ山に行ってみたり、少数民族のエリアを取材したり。富裕層や財団にもインタビューしました。

その時に、そこにいる人たちと信頼関係を築きながら声を聞き、それを写真や文章で届けることで、途上国とか先進国とか関係なく「人と人」を繋げることができると思ったんです。

それからは途上国に足を運んでは取材・発信を繰り返しました。Webメディアでの発信以外にも、写真展や講演会など、直接人に会って伝える活動をしていましたね。

去年は8ヶ月、フィジーに留学していました。語学留学でしたが、メインは取材活動です。そこで暮らす人の声を聞いて届ける中で、「どうやったらより多くの人が途上国に目を向けるか」を試行錯誤していました。

自分がやりたいのは、国に関わらず、1人でも多くの人が幸せに生きられる社会をつくることです。そのためには途上国と先進国に関わらず、「人と人を繋げる」ことが必要で、その手段は報道に限らず様々あると思っています。それをビジネスという、持続可能な形で続ける方法を模索していました。

―ボーダレス・ジャパンはどうやって知ったんですか?

廣瀬:友人と就活の話をしていた時に、紹介されて知りました。すぐにサイトを調べて見てみると「社会を変えたい人のための会社」ってあって、すぐにピンときたんですよね。紹介してくれた友達に「これたぶん俺は入れるわ!教えてくれてありがとう!!」って言ったのを覚えています(笑)。

―なぜ、ボーダレスでやろうと思ったんですか?

廣瀬:正直なところ就職はずっと考えていなくて、フリーランスの写真家としてこれからも活動を続けていこうと思っていました。ですが、実際に発信者の身になって痛感したのが、どんなに伝えたいことがあっても、聞いてくれる人がいないと意味がない。さらに言えば、知ってもらうだけでは世界は変わらないということです。

途上国を知る機会に恵まれていた自分にとって、それらの国は凄く身近な存在ですが、多くの人にしてみれば「遠く離れた知らない国」。若い世代に途上国と関わる機会をつくることで、関心を持つ人の母数をもっと増やしていかなければならないと思っていました。

―これからどんなことをしていきたいですか?

廣瀬:まずは学生を中心とした若い世代に、途上国に関心を持つキッカケをつくっていきたいと思っています。今具体的に考えているのは、訪問授業やオウンドメディアの立ち上げ。そして知るだけではなく行動までを一連でサポートするために、ツアー事業の立ち上げも必要だと考えています。

そうやって先進国と途上国の繋がりを増やすことで、社会問題解決に向けてアクションを起こす人を増やしていきたいですね。

さらに、途上国の人々の「モノやお金以外の幸せの尺度」を先進国の人にも伝え、将来に渡って世界全体の幸せをつくっていく人たちを増やしたいと思います。

―ありがとうございました。来年4月、楽しみに待っています!

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