就職、進学、独立―。数ある進路の中から社会起業家への道を選んだ人が、毎年ボーダレス・ジャパンに集う。2018年4月に新卒で入社予定のメンバーに、この道を選んだ理由を聞いた。

2人目は、東京都出身の河内 将弘さん。不法移民が直面する社会問題を解決すべく、自らソーシャルビジネスを立ち上げることを志す彼は、どんな学生生活を送り、これから何をしていきたいと考えているのだろうか。
(聞き手 / ボーダレス・ジャパン 新卒採用担当:石川)

始まりは「カッコイイ」から入ったボランティア。

―早速ですが、まずは、解決したい社会問題について教えてください。

河内:既存の制度によって人生を決められてしまう不法移民の問題です。特に、マレーシアに移住してきたフィリピンの不法移民の子どもたちで、彼らが不法移民であることを理由にやりたいことや夢を諦めないといけない、そういう状況を変えたいです。

―かなり具体的に考えているようですが、そもそも、なぜ社会問題に興味を持ったんですか?

河内:きっかけは2つあります。1つは、大学1年の4月か5月に『僕たちは世界を変えることができない』という映画をみたことですね。海外でボランティアって、かっこいい!と思ったんですよ(笑)。

2つ目は、ツアーで訪れたアルゼンチンでの出来事です。4日間でアルゼンチンの色んな観光地を訪問して、最終日に国立公園を訪れた時でした。いつものように写真を撮っていたら1人の現地人が寄ってきて、「なぜ観光客は綺麗な所ばかりとって、ここの現状に見向きもしないんだ」と言ったんです。そこで初めてアルゼンチンの政治が不安定だったこと、彼はデモのために公園にいたことを知りました。

観光地や綺麗な建物に観光客は目が行きがちですが、その国の本当の姿は全く違うかもしれないのに、それに気づかないままその国が良かったとかを友達に話していたであろう自分にショックを受けたのを覚えています。その経験があったからこそ、色んな国の本当の姿を知りたいと思いました。

―それが学生団体での活動に繋がったんですね。

河内:そうですね、大学2年の5月に、マレーシアにいるフィリピン人の不法移民の子どもに教育支援をする学生団体に入りました。

最初に行ったときのことが、特に印象に残っています。8歳くらいの子どもが、自分たち不法移民が住む村を案内してくれたんですね。森の中にひっそりと小さな小屋が並んでいて、いかにもスラムっぽい感じの。その子は案内が終わったとき、「仕事に行ってくる」と言ってどこかに行ってしまったんですね。こんなに小さい子どもも働かなきゃいけないような状態なんだということに驚きました。

その団体は1回の活動で3週間ほどマレーシアに行くんですが、ともに活動する現地の大学生の勧誘等もやるため、実際に移民の子どもに授業をすることができるのは、たった3、4日だったんです。だから、もっと長い期間関わろうと思って、大学3年の後期から1年間、休学してマレーシアに行くことにしました

不法移民の子どもと更に深く関わるため、1年間休学し、1人マレーシアへ。

―1人で行ったんですか?

河内:はい、NPOや学生団体の活動ではなく、個人で行きました。泊まる場所とかは決めていなかったし、全て自腹だったので、前の年に学生団体の活動でお世話になったロッジのオーナーに頼みこんで。スタッフになるのと引き換えに1年間、ロビーを寝る場所として使わせてもらいました(笑)

その1年でやったのは、同じく不法移民の子どもたちへの教育支援で、週5回ほど、3か所で算数や国語、時々日本語も教えましたね。現地のボランティアや学生と一緒になってやりました。

自分が基礎教育を彼らに教えても、不法移民の子どもだという理由で、将来の選択肢がごく限られたものになってしまうことが大半です。教えるだけでは、子どもたちの根本的な問題の解決にはならないと思ったんですが、不法移民は政治的な要素が強く、彼らを合法的な移民にするにも莫大なお金が必要です。

教えるだけじゃ変わらない。でもどうすれば?と考え続けた1年間でもありました。

社会問題と関わることを諦め、就活を迎えたはずが…?

―就活の当初から、社会問題解決に関わろうと思っていたんですか?

河内:3年の夏に帰国してそのまま就活の時期になったんですが、話を聞けば聞くほど、ビジネスと社会問題解決は離れたところにあると思うようになりました。だから、社会問題に仕事で関わることは、1度諦めたんです。せめて1年に1回休みをもらって、その時にマレーシアに行ければと思って。

海外に投資をすることでその地域に貢献できれば、という観点で金融業界を見てみたりしました。全く離れたところに行ったら、今までの自分がなくなると思ったから、こじつけでもなんとか近いことができないかと思って。

―そんな時にボーダレス・ジャパンを知ったんですね。

河内:はい、今年の1月にGoodfindという就活サイトで知りました。サイトを見た時は「こんなことできるんだ」と驚く一方で、色んな会社説明会でお金の儲け方とか言われていたので、ソーシャルビジネスでどうやってお金稼いでるんだろう?と思いましたね。親にも見せたときも「嘘じゃない?」って言われましたし(笑)。

とはいえ、本当にやりたいことができるのはここだと思ったので、3月の座談会社長と話しました。結果から言うと、まさかの、その場で内定だったんですけど…。

その時初めて、今まで誰にも話したことがなかった自分の思いを話せたんです。普通だったら、例えば金融業界で3年働いて独立するとか、30歳でNPOをつくって社会問題を解決したいとか、大きな声で言いづらいじゃないですか。でも、自分がいままで不法移民をなんとかするために考えていたことを、真剣に聞いてくれて、嬉しかったです。

―直接社長と話してみて、どんな言葉が印象に残っていますか?

河内:「早くやろうよ」、という言葉です。金融とか何とか言ってないで、やりたいなら早くやろうって。僕自身も、一番動ける20代のうちに、いま思っているやりたいことをやりたかった。全く違う業界に入って仕事をするようになったら、思いが薄れるんじゃないかと思ったんですね。だから、そう言われたことで、吹っ切れたと思っています。

―これからは、どんなことをしたいですか?

河内:マレーシアにいる不法移民にアクションを起こすよりも、根本的に「不法移民を生み出さない」ようにしたいので、フィリピンで雇用を作っていきたいと思います。不法移民の人たちは好きで移住を選択したわけではなく、もともと住んでいた場所で安定した収入が得られないから、収入を得るために移住を選択している。彼らが移住しなくても済むよう、雇用創出に農業で挑戦したいです。

もうすぐ、自分が活動拠点にしたいと思っているミンダナオの人が、日本に来ることになっています。農業をはじめ現地の産業を知りたいですね。大学の講義も関係ありそうなものを選びました。

とにかく早くやりたい気持ちが強いです。今でもフィリピンからマレーシアに移住しようとしている人は、大勢います。どんな具体的な手段でこの問題を解決するかを改めて決めるために、動いていきます。

―ありがとうございました。来年4月、楽しみに待っています!

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