こんにちは。やまとです。
ボーダレスキャリアの事業がスタートして約半年が経ちました。これまでやってきたことも踏まえ、我々は「誰のどんな問題を解決したいのか?」そして「社会に対してどんな働きかけをしていきたいのか?」について、改めて考えたいと思います。

事実、不遇な環境で苦しんでいる人がいる

先日、うちのスタッフの紹介で、ある女性が就職の相談に来ました。
人見知りが激しく、扉を開けて「○○と言います。高橋さんって方いますか?」と言う自信がないとのことで、スタッフがオフィスビルの一階まで迎えに行きました。

スタッフに連れられオフィスに入ってきた彼女は、マスクをしており、挨拶の際にも軽く咳き込んでいました。「風邪なの?」と聞こうとしましたが、「質問はあとにしよう」と思い直し、面談用の部屋へ案内しました。

少しでも安心してもらおうと、その紹介してくれたスタッフも始めだけ同席してもらうことにしました。彼女もスタッフも児童養護施設の出身で、つい先日施設出身者が主催するイベントで出会ったそうです。そこで「ステップ就職」の話を聞いて、もう少し詳しい話を聴きたいと今回来てくれました。

話し始めると、結構自分からいろいろと話をしてくれました。自分の生い立ちから現在に至るまでの話や、これまでやってきた仕事のことなど、途中何度も咳き込みながらも一通り話してくれました。スタッフからは事前に「シングルマザーらしい」と聞いていましたが、話を聞いてみると状況はもっと複雑でした。

彼女自身は生まれてすぐ乳児院に預けられ、その後は児童養護施設へ、環境的にも精神的にも不安定だった為、その間も鑑別所、少年院などを渡り歩き、中学卒業と同時に働き始めたそうです。しかし16歳の女の子が働ける職場と言うと、決して良い環境のはずがありません。職場でのいじめや暴力、経営者がヤクザで警察に捕まり会社が倒産したりなど、かなり厳しい環境で働いてきていました。

その後ある男性と結婚し、娘もできて幸せな生活が訪れると思ったのも束の間、夫が一歳半の娘に暴力を振るい警察も介入する程の大きい事件になってしまいます。事態を重く見た警察は、これ以上子どもをこの家庭に置いておくのは危険と判断し、娘は乳児院に預けられることになりました。

うちに相談に来たのはちょうどこの事件があった直後、夫とは離婚する方向で話がまとまりかけていたが慰謝料や養育費のところで揉めてしまい、訴訟問題に発展するかもという時期でした。

彼女の願いはただ一つ「娘と一緒に暮らしたい。」その為には、自分が一人で育てていけるだけの安定した仕事に就く事が必要でした。いろいろと話を聞き、これまでの経験や働く時間も選べるという理由で、一旦警備会社に絞り、まずはその会社の説明会に参加しようと決めてその日の面談を終えました。

人生の大きな選択の場面に関わるという責任

その二日後、彼女から「状況が変わったので、話がしたい。」と連絡がありました。そこで彼女は明るい声で私にこう言いました。

「娘を特別養子縁組に出すことにしました。だから、時間を気にせずたくさん働けます。」

「えっ?!」

驚きのあまりそれ以上言葉が出ません。大変なことを話しているのに彼女の声があまりにも明る過ぎて、逆に何も聞くことができませんでした。

特別養子縁組とは、実親が養子になる子との親子関係を解消するものです。一般的にその後は実親と会うことはほぼないため、子どもの記憶の中から実親の存在が消えていくことになります。むしろ、子どものためには「記憶から自分が消える」ことを願わなければならないのです。

彼女がどんな気持ちで、どれだけ悩み苦しんでその決断をしたのか?どれだけ我慢しながら、今こうして明るい声でその事を私に話しているのか?
私にも娘がいますが、子どもを持つ親であればこの辛さがどれほどのものなのかは想像に難くないと思います。

これ以上もめて訴訟とか裁判とかなるリスクなども考慮し、担当の弁護士にも相談した上での決断ということでしたので、「それについては私がとやかく言う立場ではない」と判断し、「分かった。とにかく仕事のことは、私に任せて。」と言って電話を切りました。

これが、今私がやっている仕事であり、我々ボーダレスキャリアが取り組んでいこうとしていることなのです。決して、単に求職者に仕事を紹介するだけではない。そんな軽い話ではありません。

こうして様々な苦難を経験し、それでも前を向いて働こうとしている若者がいる。我々はそういう人達のその後の人生を大きく左右するかもしれない選択の場面に関わっているのです。

だからこそ、我々が下を向いてはいけません。立ち止まってはいけません。
必ずや彼女に「ボーダレスキャリアに相談して良かった。」「ステップ就職を利用して良かった。」と思ってもらえないと、我々の存在価値はありません。

だからこそ、この事業は絶対に成功させないといけません。彼女のように我々を頼って来てくれる若者が、自分の将来に希望を持って生きていけるように。そして、多くの人が自分の仕事にやりがいを感じ、幸せな生活をおくれる社会にするために。

■ステップ就職への問い合わせ
WEBサイト: https://step-shushoku.jp/
Mail: info@step-shushoku.jp
直通電話: 03-5227-8890  担当:高橋大和(やまと)

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