ボーダレスグループには、社会問題の解決を目指して起業した社会起業家だけではなく、彼らとともに事業をつくるスペシャリストも集まっています。ここに来た理由は「社会貢献に携わりたい」「新しいことに挑戦したい」「自分のビジネス力を試したい」など様々。

この「シゴトファイル」では、そんなスペシャリストたちに、働き方や仕事のスタンスをインタビューしていきます。

第1弾はビジネスレザーファクトリー(以下BLF)の副社長、きんちゃんこと金子健一。ボーダレスグループ採用担当の石川がインタビューしました。

中学生のころから広告代理店に行きたかった。


(前職時代の1枚)

―きんちゃんは去年7月に入社しましたが、前職は広告代理店だったんですよね。どうして広告代理店で働いていたんですか?

「実は、中学生の時から広告代理店に入ろうと思っていました。ブームの背景を知りたくて日経エンタテインメントとか読むような子どもで。仕掛けを作ることに関心があったんですよね。自分が手を動かしてクリエイティブなものを作るよりは、マーケティングをやりたいなと思って選びました」

―新卒で入った広告代理店は、どんな会社でしたか?

「教育業界で高いシェアを持つ専門広告代理店でした。広告は面白い!と思う反面、本当に世の中のためになるのか疑問もあったんですね。その気にさせて、質の良いとは限らないものを売ってしまう可能性があるので。でも、教育という軸が交われば、ちゃんと社会のためになる仕事ができると思いました。就職先を選ぶ上で一番大事だったのは広告の力を社会に還元することで、教育はその要素の1つという感覚です」

―どんな仕事をしていたんですか?

最初の2年は経営企画、その後6年は企画営業でした。主に大学に対して、模試などのデータから集客課題を見つけて解決策を提案して、ツールに落とし込むのが企画営業。経営企画でも様々な数字から全社の課題を洗い出していたので、一貫して、数字の根拠に基づいて提案することが仕事でした。

とはいえ自分は何かのスペシャリストだったわけではなく、制作メンバーも含めたチーム全員が同じ方向を向くようまとめる役割だと理解して臨んでいました。どういう言葉だったら皆が同じ気持ちになれるかを、徹底して考えていました。

どの大学も少子化は免れないから、生き残りをかけているんですよね。一緒に仕事をするなら絶対に結果を残さないといけない。一方で、子どもたちに間違った選択をさせたら取り返しがつかない。そこに対して、広告という手段で少しは貢献できたかなと思います」

ソーシャルビジネスって「意識が高い」(笑)

―念願叶って入った広告代理店から、どうしてボーダレスに転職したんですか?

「仕事自体は楽しいけど、代理店はやっぱり代理で。お客さんとどんなに話して同じ思いでいても、自分は大学職員にはなれないんですよね。なので、例えばメーカーの広報みたいに、自分が所属する会社のモノ、自分がいいと思うモノを伝える仕事がいいなと思うようになりました。

BLFのことは立ち上げ当初から知っていて、ブランド初の催事にも行っています。バックアップオフィスのバディサラさんが前職の同僚で、バディの仕事に興味ない?って誘われたことが転職のきっかけでした。面白そうだとは思ったものの、ソーシャルビジネスは考えたこともなかったんですよね。それなら、各社をバディとして支えるよりも事業の中に入りたいと思って、BLFに決めました」

―ソーシャルビジネスのイメージって、正直、どんな感じでしたか?

『意識が高い』人たちが多くて、自分には縁がない世界のことだなと(笑)。でも、自分の仕事で1人ひとりの生活が変わるなら、やりがいは大きいだろうなと感じました。

仕事のインパクトを実感したのが、入社3ヶ月目のバングラデシュスタディツアーでした。

工場に行くと、メンバーが雨の中、工場の外で待っていてくれたんですよね。花びらをまきながら、大声援と拍手で歓迎してくれました。"雇ってあげている"なんて気持ちは全くないですが、相手に感謝の気持ちみたいなものがあるからこうやって迎えてくれるんだと思うと…本当に、すごく感動しました。

一方で、その翌朝に工場に行くと、雇ってほしいと外で並んで待っている人がいたんですよね。それを見て、早くこの人たちにも仕事を作りたいと心から思いました

『事業開発』は店舗を開き、ブランドを発信すること

―今年7月に副社長に就任するまでは「事業開発」という役割でしたよね。これってすごく範囲が広い仕事に聞こえますが、実際はどんなことをしていたんですか?

「入社してこの1年で、主に店舗開発、催事企画営業、店舗統括、販促企画を進めてきました。"事業開発"の役割は2つあると思っています。1つは、店舗を開いていくということ。もう1つは、ブランドを発信していくことです。事業の根幹になるので、インパクトはすごく大きいですね。

僕たちの店舗は独立採算なので、店舗ごとの戦略MTGにも毎月入っています。店舗社長は販売経験者ではありますが、PLを細かく見ることや企画づくりは慣れていないので、各店舗の課題を見つけて、打ち手を考えて実行するまでをサポートしました」

―前の職場とBLFの違いって何だと思いますか?

「前職でも尊敬できる先輩がたをはじめ、恵まれた環境でしたが、それに輪をかけて"足を引っ張り合う風土が一切ない"ことですね。メンバーが同じ方向を向いているので、仕事に集中できます。皆、このブランドの商品が良いと信じて疑っていないんです。自分たちが良いと思うものを自信をもって勧められて、かつ、バングラデシュのメンバーの生活や国そのものを良くしていけるという両輪がある。だから迷わずに働けているんだと思います。

あとは、組織のあり方ですかね。『決まったものが下りてくる』のが前職で、自分たちで決めるのがBLFです。ボーダレスグループ全体がそうですが、決断する範囲が広いですね。例えばBLFのプロダクトミーティングで価格を決める時は、原価の〇%という決め方ではなく、全員で個々が思う即決価格を出して、その中から納得感があるものに決めています」

「思いだけ」ではなく、想像力と責任感を持つ

―第二創業期を迎えたBLFの、今の課題を教えてください。

「僕自身は、この事業において"こなす"仕事は意味がなくて、"クリティカルな課題を探して結果が伴う行動を起こすこと"を突き詰めるのが大切だと思います。皆、もっと突き詰めた方がいい。課題発見力や、そこに基づいた戦略立案の力はまだまだレベルアップできると思いますよ」

―きんちゃん自身が大切にしている仕事のスタンスって、何ですか?

「お客さんに提案するときは絶対根拠がなければいけないし、そこに成果が伴わないと、相手に失礼だと思っています。前職では、会社が売れと言っても違うと思えば『それは違うと思う』と言って、代わりに自分で企画をつくって成約・実施に繋げることもありました。お客さんに、きちんと責任を持ちたかったんです。お客さんのことをちゃんと見て寄り添う想像力と責任感。思いだけでは、だめだと思います

―BLFでの仕事のやりがいを教えてください。

「やっぱり数字として結果が出た時ですね。ただ数字が動くだけではなく、実際の雇用に繋がるのがこのブランドなので

あとは若いメンバーが多いので、皆が初めてのことを前向きに楽しんでいたり、結果が出て自信を持ったりする姿を見たときもやりがいを感じます。マネジメントっていう意識はなくて、目線は皆と同じです。上からとかじゃなく、横の関係性でやっていく。ヒントを与えていくという気持ちでいますね。

今まではお客さんと自分のために仕事をしていました。ここに入ってからは、バングラデシュの皆のためという大切な軸ができて、さらに、メンバーが新しい発見や経験をするとか、新しい気付きを与えることを大事にするようになりました」

アイデアを形にするワクワク

―これからたくさんのメンバーを迎えることになると思いますが、どんな人と働きたいですか?

「特定のスキル・経験がなければできない仕事はあまりないので、アイデアを形にすることにワクワクを感じる人が良いですね。働く場所が店舗でもオフィスでも、やりたいと思ったことは実現できる環境なので、皆それを楽しんでほしいです」

―どんな人がBLFの「事業開発職」に合いそうですか?

「事業開発はマルチタスクで様々なプロジェクトを同時進行するので、それが苦じゃない、というのは必須かも(笑)。事業の根幹になる仕事に挑戦したい人が合いそうですね」

―きんちゃん自身は、これからどんなことにトライしたいですか?

「実は、仕事内容にはあまりこだわりはないんです。この7月からは副社長になったので、より"全体を見て戦略を決める"ことが多くなります。

このブランドをとにかく多くの人に知ってもらって好きになってもらうことにしか、関心がないですね。もっとスピードを上げるために、まずは目の前のこの仕事に集中していきたいと思います」

―ありがとうございました!