座右の銘
迷い続けることだけが答え
なぜこの仕事をするか
「ちゃんと努力すれば報われるチャンスがある。」 そんな機会に、誰もが当たり前にアクセスできる社会のしくみを創りたい。 そのために、まずは自分の見えてる範囲の課題を解決する事業を創り、仲間を増やしていきます。
わたしの履歴書
1991年生まれ、大阪府出身。
三人兄弟の次男で、小学校時代はシンガポールで育ちました。
小学校の頃、家族旅行で行ったカンボジアで同い年くらいの物乞いの子どもと出会い、初めて”貧困”の現実に触れます。 最初は「知りたい」という気持ちが強かったと思います。世界で何が起きているのか、自分とどう違うのか、何ができるのか。知りたい気持ちから始まって、自分で調べたり勉強するようになっていきます。

大学では国際公共政策を専攻しつつ、インドのスラムでダンスの先生をしていました。スラムに暮らす子どもたちに、語学教育も行いつつ音楽・ダンスなどの情操教育を行うNGOのスタッフとして、バイトでお金を貯めては長期休みにインドに行って活動を続け、結局4年間関わり続けました。
カースト制度の中では“不可触民”とされて選択肢が制限されている状況の中にあっても、子どもたちは一生懸命かつ楽しく勉強していました。大きなコンサートホールでダンスを披露したりすることで、他人から称賛される経験を通じて自己肯定感を強めていく姿をみながら、この調子で大きくなっても未来への挑戦も諦めずに続けて欲しいと願っていました。
しかし、4年間活動を続けていると、教室を卒業する子が出てきます。彼らは結局仕事が見つからなかったり、もしくは見つかっても低賃金で辛い仕事を続けられずに辞めてしまったり。厳しい現実を目の当たりにするようになります。
また、NGOの活動も大半は日本にいてファンドレイジングに時間を使っていました。本当はインドに行って子ども達の直面してる問題を解決するための時間を使いたいのに、中々それができない。
もっと持続可能で、本当に社会の課題を解決できる方法をもう一度考え直したい。と思うようになりました。

ある時、スラムに暮らす人たちも、元々は農村部で親戚たちと一緒に小さく農業しながら暮らしていたんだという話を聞きました。農業収入では暮らしが立ち行かなくなり、都市部にでて仕事を探したいがお金も教育もなく知り合いもいない人たちが集まり、スラムを形成するようになったとのことでした。
そこからは「もっと小規模農家の暮らしが豊かになるにはどうすればいいんだろう。」と考えるようになります。農業を通じて安定した収入が得られるようになって、家族と一緒に農村部で過ごしたければ過ごせばいいし、教育を受けて都市部に行きたければそういう選択肢もある。そんなのがもっと当たり前になればいいなと。
そんな中、2015年にミャンマーを訪れ「BORDERLESS LINK」にも出会います。
当時は別のビジネスモデルでしたが、農家さんの一番近くで伴走する姿をただかっこいいと思いました。
何よりビジネスを通じて社会を良くしていこうとする「ソーシャルビシネス」というコンセプトを、自分も実践してみたいと思うようになります。

2016年には、京都で環境負荷の小さい農業の普及を目指すソーシャルベンチャーに入社し、新卒1年目から海外事業を1から任せていただきました。
農業知識もビジネス経験も全くない中で手探りで事業をはじめ、最初はオーガニックな農産物の輸入・販売を様々手掛けていましたが、徐々に主にアジアのスペシャルティコーヒーに絞り一つのブランドを立ち上げました。
まずは1人で100kgの輸入から始まった小さな事業でしたが、5年間で販売量約200t 程度まで広がり、時間はかかりましたがスタッフも10人程度まで増え事業も黒字化し軌道に乗せることができました。

そんな中、ミャンマーにいるBORDERLESS LINKの前社長の犬井から連絡をもらいます。
ミャンマーへコーヒーの買付に行くたびに立ち寄って飲みに行く仲でしたから、事業の現状はある程度知っていました。コロナ禍で、また2021年2月のクーデターにより様々な課題が起きている中で、今こそミャンマーで新しい事業に挑戦したいので、BORDERLESS LINKの社長を引き継ぐ気はないか、というオファーをもらいます。
私自身も「もっと農家さんの近くで、もっと多様な課題に対してアプローチできる事業に関わりたい」と思っているタイミングだったので、引き受けることにしました。
これまでコーヒーバイヤーという立場で農家さんに関わる中で、農家の抱える課題の多様さに触れてきました。
不安定な市場価格、遠隔地になるほどあがる栽培コスト、キャッシュフローの柔軟性の低さ、栽培技術含めた情報へのアクセス性の低さ。もちろん農業以外にも医療、教育などたくさんの課題が絡まっていて、一つのソリューションだけですぐに”貧困”から抜け出せるほど簡単な問題ではないことに気づいていました。
BORDERLESS LINKのコンセプトは「ワンストップサービス」。
農家に今必要な”すべての”サービスをワンストップで届けるという事業です。はじめに聞いた時にはちょっと風呂敷広げ過ぎてやしないか?とどこか思ってしまっていましたし、まだまだ全然”すべて”のサービスを提供できているとは言えないと思います。
が、実際にきてみて現地のスタッフと時間を共に過ごしている中で、彼らは本気で成し遂げようとしているんだなとヒシヒシ感じています。
政治状況も不安定な中ではありますが、最速で成し遂げられるように、彼らと共に歩んで行きたいと思います。
