
日仏共同キッズ企画『LFCコンポスト 自由研究キット』の限定販売がスタートしました。LFCフランス代表の川波朋子に、自由研究キットの楽しいポイントや、フランスの最新エシカル事情について聞きました。
日×仏共同!なつやすみコンポスト 自由研究キットで何ができる?
――「LFCコンポスト 自由研究キット」が日仏共同で発売されましたが、こちらはどのような商品なんでしょうか。
「LFCコンポスト 自由研究キット」は、夏休みに生ごみをLFCコンポストで堆肥にして、野菜づくりまで取り組むことで生ごみの栄養循環を体験できる自由研究のセットです。
今年は日本とフランス合同で行う企画にバージョンアップ。
それぞれの家庭で子どもたちにコンポストを体験してもらい、お互いの国の生ごみ事情や、コンポストの進み具合など国際交流しながら学んでもらいたい、という企画です。
LFCコンポスト 自由研究キット/限定100個
キットの中にはワークブックと温度計が付いています。毎日コンポスト内の温度を測って折れ線グラフを作ったり、土の色の変化を観察日記に記録したり、生ごみがどこからきてどんな風に変化していくのかをみんなで学んでいきます。
7月と8月に1回ずつオンライン講座も開きます。日本とフランスの生活が見える形で交流ができたり、コンポストの進み具合を共有したり、それぞれのご家庭でただコンポストをかき混ぜるだけではない楽しさがあると思いますよ。
――うちも今年から小学生なので、早速夏休みに自由研究の宿題が出されています。他言語の同世代の子どもたちと交流しながら、チャレンジできるのがいいですね!
日本は250人、フランスは100人、最大350人の子どもと一緒に、講座を進めていきます。私はフランス語の通訳を担当します。1年生だとお母さんのサポートがあった方が理解しやすいと思いますので、是非やってみてください!
昨年実施したアンケートには「他の子がどんな感じでやっているか聞きたかった」という意見もあり、親御さんのモチベーションを上げるのも大事なことだと感じました。
前回は、LFCと子どもたちという1対1のLINEサポート体制しかなかったんです。今年は、他の家庭がどのようにコンポストをやっているか、ワークブックの進め方など、ユーザーさん同士で言語が違ってもコミュニケーションができるプラットフォームを準備しています。
通常のコンポストよりも短い時間で堆肥ができる設計になっているので、ご家族みなさんで取り組んで他の家庭ともコミュニケーションをとっていただければと思います。
――短い時間で実践できれば、子どもの興味も持続しそうです。ちなみに、フランスにも「自由研究」という宿題はあるんですか?
実はフランスは2か月も夏休みがあるのに、宿題が出ないことが多いんです!スーパーなどで色々な種類の「夏休みの友」のような教材が売っていて、各家庭でそれを買って自主学習させるという感じになっています。
自由研究キットは3週間生ごみを投入して3週間熟成させ、種を植えるというところまで夏休み中にできるようになっています。7月中旬からの発送になるので、すぐに始めていただくとお盆期間がちょうど熟成に入るタイミングになり、ちょうどいいかなと思っています。
コロナ時代を経て 進むフランスのエシカル事情
左:LFCフランス代表 川波/右:LFCコンポスト代表 たいら
――フランスでLFCコンポストを販売しよう思ったのはなぜですか?
実はLFCコンポスト代表のたいらさんと私はボーダレス・ジャパンのプランニングの同期でした。プランニング期間中は、たいらさんの畑に遊びに行ったり、お弁当を作ってもらったり、手作りのハーブティーをいただくなど、LFCカルチャーに触れていたんです。
その後、フランスへ戻りアルジェリア向けの事業を始めたんですが、直後からコロナ禍に突入し、アルジェリアからの輸入がストップしてしまいました。生活面でも、1年の半分以上がロックダウンとなり、1㎞以内の外出制限など厳しい状況が続き精神的に困ぱいしていたときに、ガーデニングやりたい欲がふつふつと湧いてきました。
まずは実験的にコンポストをしてみると、日本と気候条件が違う中でも堆肥作りに成功しました。そこからLFCの目指す「半径2キロ圏内での循環生活」を形にするため、基材をフランスで調達できるものに変更し、バッグの生地をフランスの気候に合わせた厚みに改良し、縫製をフランスに暮らす難民の方に担当してもらうことに。
コンセプトは日本で、メイドインフランスのLFCコンポストが完成しました。
――フランスのエシカル事情はコロナ時代を経てどう変わってきましたか?
私が渡仏した6年前からフランスのゼロウェイスト生活は一般に浸透していて、量り売りの店なども定着していました。それがロックダウンなどを経験して一気に加速した印象です。
数年前からスーパーのビニール袋などは有料化していますが、サーキュラーエコノミーの廃棄物防止法に基づいて、2040年までに段階的に全てのプラスチック包装の使用が禁止となるため、どんどん身の回りのプラスチック製品が姿を消しています
また、2023年12月31日から全ての市民に生ごみの堆肥化(コンポスト)が義務付けられます。2030年以降は、スーパーでの食品量り売り販売の面積を、店舗全体の20%以上とすることといった法案も成立する予定です。
――お話を聞いていると、日本の環境意識はまだまだフランスに追い付いていないと感じますね。
日本と違うのは、メディアが企業や商品に対して駄目なものはダメとハッキリ糾弾していくところ。消費者の意識が高いので、商品を選ぶ目も厳しくなってきています。
商品のバーコードをスキャンすると、添加物だったりサーキュラーエコノミーの観点から点数が出るアプリが人気で、私の夫もよく使っています。
そして、すべての産業がロックダウンの影響を受け大変な時期を過ごしたなかで、地元の物づくりにシンパシーや応援の気持ちが国民全体に芽生えてきました。現在はロシアとウクライナの戦争が長期化して、輸入品が入ってこなくなっています。国産のものを消費していこうという意識が高まった結果、今改めて”メイドインフランス”が見直されているんです。
LFCコンポストをフランスで販売するのに最適なタイミングだったかもしれません。
フランスの生活事情などについては、フィガロジャポンの無料オンラインセミナーで詳しくお話する予定です。お時間ありましたら是非ご参加ください。
――日本でもコロナ禍で生活スタイルが変わった人が多かったですが、フランスではどのような変化がありましたか?
ロックダウンを機にパリ市内から郊外に移住した人はすごく多くて、私もその一人です。リモートワークが進んで、都市部にいなくても働くことと暮らすことが成り立つ社会にシフトしています。
パリって山手線の内側の面積くらいしかなくて、自然も多くないんですよね。まだディーゼル車が一定数走っている国なので、空気汚染もすごいです。そんな環境に嫌気がさして、自然に囲まれたい、生活の質を上げたいというニーズが高まっているのを感じます。
LFCコンポストのユーザーさんの8~9割がアパートに住んでいる方なので、お庭がなくてもベランダでできるコンポストは、自然に触れたいという願いにも寄り添うことが出来たと思います。
子どもたちの交流を通して、フランスの環境意識や生活スタイルなど生の情報を伝えていけたらいいなと思っています。
ユーザー同士がつながる コミュニティ作りを
――欧州圏では、LFCコンポストは主にどこで販売していますか?
ゼロウェイスト系、オーガニック系のオンラインショップで、現在10店舗ほどにお取り扱いいただいています。実店舗では、パリに2か所とミラノに1か所、来月からはバルセロナでも販売いただけることになりました。
ユーザーさんは、北はアイルランドからノルウェー、スイス、ドイツなど、EU圏内に広くいらっしゃいます。来月はスイスのイベントに出る予定です!
最近感動したユーザーさんがいて、なんと大西洋をヨットで旅をしているご夫婦が、船の上でコンポストをしてくださっているそうです。海の上ではゴミを捨てられないので、そういう使い方をしてくださって本当に嬉しいです。
――船の上でコンポストをするなんて素晴らしいアイディアですね!今後、LFCフランスをさらに広げていくための展望を教えてください。
ユーザーさん同士がつながるコミュニティをまず作っていきます。インフルエンサーの方もLFCコンポストを始めてくれているので、そういう方を中心にユーザーの輪を広げていければと思います。
私も子どもがいますが、環境を考える1つめのアクションとしてコンポストに取り組んでもらえるように、次世代向けの企画なんかも進めていきたいですね。
フランスは農業大国でJAのような組織も存在しないため、近郊農家から直送の野菜を買ったり、マルシェで作り手から直接買えたりするんです。家庭では子どもが小さな頃から旬の野菜を絵本で教えたりと、環境に関心を持つ機会は多くあります。
今回の夏休み企画もその第一歩ですが、身近にあるゴミの問題などを子どもたちが考えるきっかけを、どんどん提供し続けていきたいです。
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むすびば代表 相原恭平
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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