
不登校の子どもに寄り添い可能性を引き出す「夢中教室WOW!」
「子どもが楽しそうに話すようになった」「家庭に笑顔が戻った」など、保護者の口コミで評判が広がっています。義務教育の枠に馴染めず苦しんだり、人間関係が原因で学校に行けなくなったり…。さまざま事情を抱えた子どもたちが楽しみながら学べる場を生み出す代表 辻田寛明がお話ししました。
自己肯定感を高める オリジナル授業
――「夢中教室」では、不登校の小学生~高校生を対象に週に1時間、マンツーマンのオンライン授業を実施されています。授業の内容は、生徒が「興味のあること」とのこと。どんな授業を行っているのでしょうか?
夢中教室の大きな目的の一つが、子どもの「自己肯定感」を高めることです。「知りたい、学びたい、挑戦したい」と、ワクワクしながらテーマに取り組み、自分の長所に気付いたり、成功体験を重ねたりすることで、自信や心の活力を取り戻すサポートをしています。
授業をはじめる前に、保護者とオンラインで面談し、お子さんが興味のあることや好きなこと、性格などをじっくりとヒアリング。相性の良さそうな講師や授業の内容を考えていきます。
恐竜に興味があるお子さんとの授業の様子
例えば、「海外に興味があり、行ってみたい」という中学2年生の子には、世界中の衛星写真を見られる「Google earth」を使って、オンライン上で世界の色々な場所を一緒に巡りました。
行った先の歴史や文化を学んだり、英会話のレクチャーを挟んだりしながら授業を展開。Google earthの画像に英語の解説を挿入した動画も作りました。
また、「絵を描くことが好き」という小学3年生の子は、zoomの背景をオリジナルのイラストで制作したり、LINEスタンプを作ったりしました。
――英会話に動画編集、LINEスタンプ作り! ジャンルが幅広いですね。どんな先生方が在籍されているのでしょうか。
現在、講師は私を含め20代後半~40代の8名が在籍しています。
世界一周旅行ののち、販売員やダンサーとして活躍するなど幅広いジャンルの経験を持つ女性。高校サッカーで全国大会に出場した後、大手証券会社で活躍した男性。音楽の教師として学校教育に携わった女性などバラエティーに富んだメンバーです。
講師の採用で最も重視しているのは「傾聴力」「寄り添う心」があること。生徒を支え、背中を押せる存在になれると確信しています。
また、生徒一人ひとりに合わせた授業作りは、講師にとっても新たな知識が必要なため、学びが好きという点も共通しています。講師同士もアイデアを出し合ったり、ネット検索では得られない学びのツールを共有したり、密にコミュニケーションを取りあっています。
様々な経歴を持つ夢中教室の講師陣
――生徒は現在63人とのこと。どんな子どもたちがいるのでしょうか?
不登校の理由はさまざまで、現在はいじめだけが原因ではありません。他人の気持ちを敏感に察知する優しい心が原因で、自分の個性を出せず殻に閉じこもってしまう子。また、自閉症(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)などの神経発達症(発達障害)が原因で、コミュニケーションが苦手になったり、既存の学校教育になじめない子もいます。
フリースクールや通信教育、学校に通わず家庭で学習をするホームスクーリングなど、学校のほかにも学べる場所はあります。お子さんの特性に合わせ、得意なことや好きなことを伸ばしながら、本人のペースで自己肯定感を回復するサポートができたらと思っています。
大切なのは 身近な大人のあり方
――自己肯定感が低い子どもはたくさんいるように感じます。私自身も大人になってやっと自分の意思を堂々と表現できるようになりました。そもそも原因は何なのでしょうか?
政府の平成26年版「子供・若者白書」によると、日本の若者は諸外国(アメリカ、韓国など7カ国)に比べて「自己を肯定的に捉えている者の割合が低く、自分に誇りを持っている者の割合も低い」「自分の将来に明るい希望を持っていない」とあります。子どもは社会の写し鏡であり、日本の大人に元気がないことも原因の一つです。
身近にイキイキとした大人がいて、自分に向き合って導いてくれる環境こそが、自己肯定感を高める近道だと思います。 「人生は面白いと思わせてくれる人」「夢中になれる体験を教えてくれる人」との出会いが必要だと私は考えています。
――まさに夢中教室で実践なさっていることですね。確かに個性が強かったり、学校生活に馴染めない状態の子どもたちには、自分を理解し、導いてくれる大人の存在は心の支えになりますね。
夢中教室では、専属の講師がその子の個性を尊重しながら継続的に寄り添い続けます。実際のところ、最初はzoomの画面に登場できなかったり、親御さんと一緒でないと授業に参加できない生徒もいました。しかし、多くの生徒が徐々に心を開き、自分の思いを伝え、自主的に学びたいことに取り組めるようになっています。
この春、一年以上学校をお休みしていた男子生徒の通信制高校への進学が決まりました。最初は対人不安が非常に強く、自分のことを話すのが苦手でしたが、夢中教室での10か月間を通して自分の意思をしっかりと表現するように変わっていきました。
日本では年々不登校児が増加しています。不登校になってしまった子どもたちが悪いのではありません。時代の流れに合わせた教育体制を作るなど、教育が変化すればいいだけのことです。
――不登校になってしまったことは、本人も保護者も辛いと思います。ただ、一つの転機と捉えて前進できたら素敵ですね。
お子さんの不登校がきっかけで、うつ病の症状が出るなど、心身を病んでしまう親御さんも多くいらっしゃいます。そこで、夢中教室では親御さん同士のコミュニティーも作りました。同じ悩みを抱える仲間が自由に話せる場で、心理学や教育分野の専門家を招いた勉強会も定期的に実施しています。
また、「子どもが他人と話せるか不安」という声をよくいただきます。
入会前に授業を3回、無料体験できるので、まずは実際に体験してから決めていただけたらと思います。
多くの方が一歩を踏み出せるように入会金等は設けていません。授業料は1回60分3500円。不明なことなどあれば、専用のLINEもありますので、気軽になんでもお尋ねください。
オンライン保護者説明会も定期的に開催しています。保護者の方も顔出しなしでOKです。
不安なことも多いと思いますし、実際にどんな人たちが運営しているのか知っていただけたら幸いです。
▶【4/25(月)20:30~】保護者さま向けオンライン説明会
夢中教室のこれまでとこれから
――そもそも辻田さんが夢中教室を始めたきっかけは何だったのでしょうか? ご自身や周囲の方で、不登校で苦しまれていた人がいらっしゃったのですか?
よく聞かれるのですが違います。「夢中教室」でいうと、不登校になった生徒サイドではなく、先生の立場がきっかけです。
私には幼稚園の頃から、自分の個性を引き出すヒントをくれる身近な大人がいました。
今も通い続けている美容室の美容師さんなのですが、世界中を飛び回った経歴のある方で知見が広く、カットに行くたび「こういう本を読んだ方がいい」「これをしてみたら楽しそうだよね」と、私の成長に合わせていつもアドバイスをしてくれました。
彼の存在が学びの面白さに気付かせてくれたんです。自分と同じ体験を多くの子どもたちにしてもらいたいというのが原点です。
――ポジティブな発想からの起業だったのですね。今日お話ししていても大らかで優しい人柄が伝わってきました。最後に、今後の展望についてお聞かせください。
将来的には、マイノリティーな適性がある子どもたちでも自己実現に向けた高度な教育を提供できる学校を作りたいと考えています。
まだまだ構想段階ですが、個人に合わせたスタイルで学びを提供できるシステムを構築している途中です。楽しみながら学び、人と関わりながら成長し、未来に希望を持って生きる人が増えると嬉しいです。
ボーダレスの起業家のオススメ書籍をご紹介!
タイトルは実在する会社名。ひきこもり当事者・経験者主体の会社が、ひきこもり者の就労支援とビジネスの両立に挑む過程がリアルに綴られた、読み応えのある一冊です。
偏見も綺麗事もなくフラットに人と向き合う姿勢や、トライアンドエラーを繰り返しながらも可能性を信じてビジョンにまっすぐに行動する起業家としての背中を見せてくれる本。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回のインタビューは、ボーダレス・ジャパンが月に2回発信しているボーダレスマガジンのコンテンツです。
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