
革製品のオーダーメイドブランド「JOGGO」を展開するジョッゴ株式会社。品質の良さと、オリジナリティーを追求できるカラーカスタマイズが人気を集め、幅広い世代にファンが増えています。ブランドのビジョンや魅力を代表の太田真之がお話しします。
携わった全ての人が
幸せになる循環を創出したい
――「JOGGO」は、2014年のブランド立ち上げから、ことしで7年目を迎えました。まずは、コンセプトや商品の特徴などについて教えてください。
JOGGOは、財布やバッグ、スマホケースなどを製造販売する革製品のオーダーメイドブランドです。二つの自社工場を持ち、職人の雇用・育成を通して、バングラデシュの貧困問題と、日本の障がい者雇用という二つの社会問題解決にアプローチしています。
作り手、売り手、買い手…、JOGGOに関わる全ての人が、イキイキとした笑顔で未来に向かって前進できる社会の一端を担うものづくりを追求しています。
商品の一番の特徴は、革の色を定番の14色と期間限定カラーから自由に組み合わせ、世界に一つだけのオリジナル商品をオーダーできるところです。
さまざまなタイプの財布やキーケース、パスケース、手帳ケースなど商品数も豊富。どの商品もポケットの位置や小銭入れの幅など機能性を重視しつつ、シンプルで洗練されたデザインにこだわって仕上げた自慢の逸品です。
主役の牛革は、扱いやすく耐久性に長けたたオリジナルレザーで、手触りが抜群。自画自賛で恐縮ですが(笑)、触れるたび「ああ、気持ちいい」と思っていただけるはずです。
ネットで簡単に注文ができ、名入れも可能。自分用はもちろんのこと、大切な人へのプレゼントとしてとても喜ばれています。「そうは言っても、同じ組み合わせの注文も一定数あるでしょ」と思われる方も多いのでは?
しかし、これまでに35万点以上販売した中で、同じ組み合わせだったケースは数回だけ。すごいでしょう?(笑)
「こんなに大変なことをしているのに、この価格帯はすごい。」とよく言われます。確かに手間や作業量は多いですが、自社工場をあってこそ辿り着けたサービスです。より多くの方に魅力を知っていただき、使ってもらえたら嬉しい限りですね。
最近は「推し色」を持ち歩きたいという需要も増えています。推し色とはアイドルのメンバーカラー、キャラクターの服装や髪の色など「推し」をイメージする色のこと。
アニメや芸能人のほかにも、自作のイラストや思い出の旅行先であるイタリアのカリブ海など、自分らしさが表現できたり、テンションが上がるものや風景から着想を得て色を選ぶ方もいます。また、部活動のユニフォームカラーを選びチームの結束力を高める使い方をされる方もいます。
社内にも、韓国のアイドルグループ「SEVENTEEN」や、PC版ブラウザゲーム「刀剣乱舞」に推しがいるメンバーがいて、商品展開やキャンペーン作りの際に良い刺激をもらっています。
作り手の想いが詰まった
温かいプレゼントを
――素敵ですね。どんな方が購入されることが多いですか?
20〜50代まで幅位広い年齢層の人に使っていただいています。
丁寧に扱えば10年ほど使える高品質な牛本革の財布を一万円台から購入できると、初めての給料で大切な人にプレゼントするという方も多いです。
自社工場で一貫して作業しているからこそ実現できた価格と品質が喜ばれています。
「実際に触ると、予想以上に革の質感がよかった」「ステッチの縫製などが丁寧で美しい」「色の発色が気に入った」「収納部分が使いやすい」など、満足したという声を多数いただいています。お客様から届いた声を、愛情を込めて商品を作っている職人に共有すると本当に喜んでいます。
ほかにも、今年ラインナップに加わった革製のバラ「革の一輪花」は、SNSで「全女子を泣かす世界に一つだけのバラ」として紹介され、男性の購入者が急増。2カ月でバラが3000本以上も購入されました。
高さ21センチの革製のバラで、三色の花びらと葉や茎の色を選べます。
購入した方からは
「自分が選んだ配色が妻にどう思われるか緊張しましたが喜んでもらいました」
「母の誕生日に喜んでもらえました。 枯れない花をカスタマイズして贈ることは記念にも残りますし、また自分の為にも買いたい」
など、嬉しい感想をたくさんいただいています。
選ぶ人次第でシックにもポップにもなる「革の一輪花」¥3,300(税込)
――絆が深まるプレゼントとして喜ばれている様子が伝わってきますね。丁寧に作られているからこそ、大切な人にプレゼントしたくなります。
私たちは、「感動で繋がりを」をビジョンに掲げています。
キーワードに挙げている”感動” ”繋ぐ”という言葉には多くの意味や思いを込めています。
”使い手” が、プレゼントされた瞬間の感動や使う度に思い出す温かい気持ち
”作り手” が、職人として誇りを持って働ける喜び
”売り手” が、仲間とともに挑戦し、お客様の幸せな時間を創出できる達成感…
笑顔の人を見ると、思わず笑顔が伝染するように、JOGGOに携わった人全てが感動や喜びで繋がり、幸せの循環をもたらすー。そんな商品を世に送り出すことが我々のビジョンです。
――クリスマスに向けてお薦めの商品やキャンペーンがあれば教えてください。
11月25日から新しい取り組みとして、デジタルギフト「giftee(ギフティー)」を導入します。オンライン上で、JOGGOの商品チケットを購入していただき、SNSなどでプレゼントしたい相手に送信できるサービスです。ひょっとしたらスターバックスのドリンクチケットをLINEで送られたことがあるという方もいらっしゃるかも。
スマホ一つで遠く離れた相手にプレゼントを送れるシステムです。うちの商品の場合、商品自体に加え、カラーの組み合わせなどを考える時間もプレゼントできるので、これから迎えるクリスマスのプレゼントとして喜んでいただけるかなと思います。
これからのギフトシーズンに、JOGGOを選んでいただけるならこの上ない喜びです。
バングラデシュや国内の職人たちも、このシーズンに向けて生産体制を整えてお待ちしています!
JOGGOを通して
解決に向かう社会問題とは
――太田さんご自身はJOGGOの3代目社長とのことですが、どういった経緯で着任されたのでしょうか?
2019年10月に当社の社長に就任しました。その前は、IKEAジャパン株式会社、コストコホールセールジャパン株式会社という2つの大きな企業で、マネジメントなど企業の根幹に関わるポジションで働いていました。
以前からエシカルやサステナビリティに関心があったのですが、大企業の中枢で理想と現実のずれを体感する中、知人から「ジョッゴで代表取締役を募集している」と教えてもらい、応募しました。
ボーダレスジャパンの存在は、その時に初めて知ったのですが代表の田口さんの働き方や、社会の課題にストレートに取り組む姿勢に共感し、この人と一緒に働きたいと強く思い、エントリーした次第です。(※ TEDトークはこちら)
――ジョッゴが解決したい社会的な問題やビジョンについてお聞かせください。
現在、JOGGOの”作り手” である職人は、バングラデシュにある「バングラデシュ工場」に106人、東京都東村山市にある「久米川工場」に11人が在籍しています。
2014年にJOGGOがスタートした時から稼働していたのが「バングラデシュ工場」。
アジア最貧国であるバングラデシュは、教育制度が整っておらず、十分な教育が受けられない人が多いため、単純労働しか選択できず、向上心があっても貧困から抜け出せない人が大勢います。
当時、ボーダレス・ジャパンでインターンをしていたバングラデシュ人のファルク・ホセイン(現在は、ボーダレス・ジャパン バングラデシュの代表)が、「母国の貧困問題や様々な社会問題を解決したい」との思いからスタートしました。
牛革はバングラデシュで毎年開催されるイスラム教の祝祭「イード」で、大量に食べられる牛の食用後に余った革を使っています。現地の皮革製造者であるタンナーと試行錯誤し、手に吸い付くような柔らかい牛革で、きれいな色を表現したオリジナルレザーを完成させ、使っています。
日本からベテランを指導者派遣し、世界に通用する革職人たちを育成。みんなが「誇り」を持って働ける環境作りに取り組んでいます。現地での直接雇用者数は2017年時点で107人、19年には130人と徐々に増えました。ただ、バングラデシュでは結婚した女性が外に出て働く風習がないため、余儀無く退職されることが多く、現在は雇用者数が106人です。
私自身も過去数回現地に行き、スタッフらと交流してきました。素朴ながら社交的な人が多く、瞳を輝かせながら生き生きと働く職人の姿には感動させられます。
――久米川工場ではどのような方が働かれているのでしょうか?
久米川工場は2017年に設立しました。ここでは精神疾患や発達障がいのある人や、そんなお子さんを持つご家族を雇用しています。ここへは、私がジョッゴのに着任した当初から仕組みが整っておらず衝突やトラブルが起きていました。
立場の違いやすれ違い、人間関係のこじれから発生するトラブルなど「働き方のあり方」について考えさせられることが多くありました。
そこで、障がいをお持ちの方やそのご家族の生きづらさ、偏見などのバイアスを払拭し、皆が働きやすい環境を構築するため、定期的に工場へ通い、既存のしくみを紐解きマナーやルール作りなどを徹底。一つ一つの課題を丁寧に解決する作業を継続しています。今は皆がまっすぐに仕事へ向かえる環境に近づいているかなと思っています。
貧困であること、障がいを抱えていること、それは、彼らにとって選択肢が少ないだけ。それぞれが自分の仕事に誇りを持って取り組み、革職人として自分の可能性を信じてステップアップできることを目指しています。
――一つひとつの丁寧な取り組みが、JOGGOの素晴らしい商品作りに繋がり、お客さまの喜びへと続いていますね。太田さんご自身が大切されていることはございますか?
自分の時間も大切にするよう、心掛けています。趣味のサーフィンを子供たちと一緒にするために「この時間までに帰宅しよう」と、気合を入れて頑張ってみたり…(笑)。
私は、自分自身が幸せでないと、周囲を幸せにすることはできないと考えています。ソーシャルビジネス自体がどうしても利他的な部分があるため、働くみんなの心がちゃんと潤うように考えながらビジネスを進めていきたいですね。
編集後記(ライターコメント)
エレガントさ際立つ3つ折りミニ財布 ¥15,180 “designed by ○○”と名前付きの帯も付けられる
今回のインタビューで印象的だったのが「推し色」。
私の周囲にも「推し」に活力をもらっている人が、最近ぐっと増えたように感じます。ちなみに私のパワーカラーは赤。
個人的には、最近キャッシュレス決済が増えてきたので長財布をミニサイズに切り替えたいと思っていたところ。手の平サイズの「3つ折りミニ財布」をチョイスし、シミュレーションで色の組み合わせを体験してみました。これが選ぶところがたくさんあって、かなり楽しい!プレゼントするときにには無料でデザイナーラベルを付けられるので、親にあげたら本当に喜んでくれそうだな…と妄想も。「世界に一つ」を実感できました。
ボーダレスの起業家のオススメ書籍をご紹介!
Relight
代表 市川加奈
課題にぶつかった時、持っている手札の多さがその人や組織を助けます。
「アイディアよりも戦略よりも、重要なのはやり切る力である。」など、起業家のプランニングから現在に至るまでを追体験しながら、立ち上げに必要な要素を大量に学べる本です。
先人たちが残した知見と実践の轍を、自分の事業や将来の夢にどう活かすのか考えながら読み進めるのがお勧めです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回のインタビューは、ボーダレス・ジャパンが月に2回発信しているボーダレスマガジンのコンテンツです。
マガジンでは、ボーダレスグループの最新イベント情報や限定コンテンツ・クーポンの発信などがありますので、ぜひご登録くださいね。
▶ボーダレスマガジン登録はこちらから
▶バックナンバーはこちらから