子どもたちの少しの変化に気付き、何でも気軽に話せる環境をつくるために設立した「小さな森の学童」は、オープンして3ヶ月が経ちました。この事業を通して実現したい「親子の余白」と「子どもを見守る目」とは? 代表の松野 恵利香にお話を聞きました。

家での時間を大切にできる
第二の家をつくりました

――今年7月20日にオープンした「小さな森の学童」は明日でちょうど3ヶ月を迎えますね。他の学童にはないサービスが充実していますが、その特徴について詳しく教えてください。

小さな森の学童が大切にしていることは大きく二つあります。一つは「忙しいご家庭にも安心して利用してもらえる」こと、もう一つは「子どもたち一人ひとりが自分のペースで安心して過ごせる」ことです。

サービス開始前、忙しいご家庭の保護者の方々にヒアリングすると、「急いで仕事を切り上げても、家に帰ってからがまた”戦争”です」「家事に追われ、子どもの話がゆっくり聞けず、寝顔を見て反省する日々を送っている」というリアルな実情がありました。


ドーナツ屋さんごっこ

ベースには、ご家庭での親子のコミュニケーションをゆっくりとってもらいたいという思いがあります。
だからこそ小さな森の学童では、親と子がそれぞれ自分の時間を充実させられるように、最長21時までの利用時間、手作りの食事の用意、宿題は全て済ませるほか、近くの習い事の送迎もしています。

子どもたちにとっては、「近所にある親戚の家」のような存在を目指しています。スタッフがやることを決めるのではなく、一人ひとりがやりたいことだけをやらせてあげる場にしています。もちろん「今日は何もしたくない」と休むのもあり。ここでは好きなだけわがままを言っていいし、甘えてほしい。妹や弟が生まれたことでさみしい思いをしているなら、赤ちゃん返りすることだって大歓迎です。


おうちのようにくつろげるソファで一休み

子どもたちがちょっとした悩みを話せるきっかけとして、スタッフとその子しか見れないノートも用意しています。今日あったこと、こんなこと聞いてほしい! こんなことやってみたい!を自由に書けるノートです。みんなに内緒にしておいてほしい話には印をつけて書いてもらってます。

「今日の宿題大変やったわ~」「来週この工作したいから材料準備しておいてね!」など、なんでも自由に書いてくれていますよ。


子どもたちの要望を知る工夫

――ここまで丁寧に子どもを見てくれる学童は他ではあまりないですよね。利用された保護者からはどんな反応がありますか?

保護者の方からは「家ではできないことをやらせてくれるのがありがたい」「小学生になると学校での様子が分からないので、普段の様子を教えてもらえて助かる」「宿題まで済ませてくれるので家での余裕が違う」という声をいただいています。

例えばダンボールを使った大型の制作物や木工工作などは、じっくり時間がとれなかったり家では置く場所に困ったりするんですよね。またここで過ごしている子どもたちの様子は随時LINEで写真を送ったり、お迎え時にその日のことを細かくお伝えするようにしています。


ダンボールで船や双眼鏡を制作。子どもの発想は自由!

私は「学童は第二の家になるポテンシャルがある」と考えています。実は子どもたちが過ごす場所として、学校が年間1,200時間に対して、学童は1600時間と圧倒的に長いんです。また、学童にはカリキュラムもなく、課せられているのは安全管理のみ。遊びでも料理でも子どもがやりたいことを何でもさせてあげられます。第二の家としてこれほど適した環境はないと思っています。


木工工作にチャレンジ

でも既存の学童では定員も多く一人ひとりをしっかり見ることが難しいのが現状です。そこで、一人ひとりに向き合い、それぞれの家庭に合わせたサポートができるよう、小さな森の学童を設立しました。

子ども7人に対しスタッフが1人の配置、定員は最大で21人の少人数制で、子どもとしっかり向き合い話を聞ける環境を整えました。安心して学童に子どもを預けることで時間的にも精神的にも余裕が生まれ、家での時間を大切に過ごしてもらえれば嬉しいです。

子どもの変化に気付いて
すぐにケアできる環境作り


宿題も一緒に終わらせます

――小さな森の学童は、どのような背景から誕生した事業なのでしょうか。

私が関心を持っているのは、『子どもの精神疾患の増加』です。以前は、子どもは精神疾患にかからないと言われていましたが、子どもたちのうつ病や摂食障害などの発病は年々増加していて、今ではクラスに1人か2人くらいの割合でいるといわれています。

また、これという原因があるわけではなく、明るくて友達も多くて勉強もできてご家庭も安定している、そんなふうに見えている子が突然発症することも増えているそうです。私も小学生のときに長期で体調を崩してしまった経験があり、その時の「同じような思いをしてしまう子がいたらあかんな」という想いが現在の事業につながっています。

私自身のことを振り返っても、子どもは自分の気持ちをうまく言葉にできなかったり、自分自身の変化に気付きにくいと思います。また、子どもたちは自分で環境を変えることができず、日常的に過ごしている小さな世界の中だけで判断をしてしまったり、助けを求めることができなかったりするんですよね。
現在はコロナ禍で制限が多い中で生活しているため、子どものストレスはより一層増えているように思います。

――今は、大人にとっても優しくはない環境ですし、子どもたちにとってはなおさらですよね。こうした難しい課題に対して、どのようにアプローチするのでしょうか。

実際に発症してしまった子どもへのケアももちろん必要ですが、そうならないように未然に防ぐことも大切です。誰がいつどんな状態になるか分からない、だからこそ全ての子どもたちがいつでもヘルプを出せる環境、誰かが気付いてあげられる環境をつくることが大事だと思っています。

そのために、一人ひとりにしっかり目が届き「あれ?ちょっと今日は様子が違うな?」といった小さな変化にも気付いてあげられる、その手段として民間学童を選びました。


おやつをみんなで作る日も。インスタグラムでも子どもの様子を配信中

一人ひとりが抱えるしんどさは、比べられないと思っています。
「母親が忙しそうで甘えたいけど甘えられない」といった、ちょっとのことの積み重ねが我慢や無理につながっていくことがある。子どもに対する支援としては、経済的なものや学力面のサポートなどもありますが、私はこうした「ちょっとした悩み」をケアして予防していきたいと考えています。

地域の人とつながり
子どもを見守る目を増やす


マクドナルドの制作は、細かいところまで工夫が。

――学童を3ヶ月運営してみて、手ごたえや実感としてはどのように感じていますか?

やはり保護者の方からの感想が一番励みになっています。「宿題の音読まで済ませてくれて家でめちゃ楽です」「夏休みの工作を家でやる時間がなくて困っていたけど、学童で進めてくれて助かりました」など、お家での余裕のある時間につながっている実感があり嬉しく思います。さらにサービスの精度を上げていきたいですね。

子どものやりたいことは本当に千差万別なので、私たちスタッフも知識の幅を広げるために楽しんで勉強しているところです。

保護者の方や子どもたちに余白や余裕が出てくると、「あれやってみたい」と自由に希望が言えたり、おやつを食べているときにポロっと小さな悩みが出てきたりします。やはり、見てくれてる人がいる、話を聞いてくれる相手がいる、という安心感が子どもの心の健康も保ってくれるのかなと実感しています。


旬の食材を使った手作りの食事やおやつを提供

――子どもや保護者に「余裕や余白をつくる」ことの大切さはよく分かります。今後は小さな森の学童をどのように広げていきたいと考えていますか?

今まさに動き出していますが、地域の人たちともっとつながりたいと思っています。近くの習い事の先生たちとは、子どもたちの送迎を通して情報交換をしたりしてネットワークが強くなっていて『子どもを見守る目』が広がりつつあります。
今後は学童を通して『子どもを見守る目』を他の地域にもどんどん増やしていきたいですね。

実は先日も「転勤で堺市に引っ越すことになった。学童の場所ありきで引越先を探していて、そちらの学童なら安心なので預けたい。」というお問い合わせをいただきました。これからもそんな風に思っていただける学童をつくっていきたいです。

――こんな学童が近くにあったら、とSNSでも反響がありましたよね!近隣の方がうらやましいです。

小さな森の学童の利用には、どんな条件もいりません。専業主婦の方で、子どもを預けることに罪悪感を持つ方が結構いらっしゃるんですが、「学校で何かあったようだから話を聞いてあげてほしい」とか「今日はゆっくり休みたいので、ご飯も食べさせてもらえませんか?」とか、ちょっとしたことでも頼ってほしいです。一緒に子育てする、本気でそういう気持ちで取り組んでいます!


小さな森の学童のWebサイト

人それぞれ悩みがあることって、大人も子どもも一緒なんですよね。一人ひとりの楽しさもしんどさも聞いてもらえる、そういう場所をたくさん作っていけたらと思っています。

今は近隣の方を対象にしたサービスになってしまいますが、小さな森の学童がどんなところなのかもう少し詳しく知りたい方は、ぜひ「無料体験&説明会」にお越しください。お子さんには施設の中で自由に遊んでもらって、保護者の方には別室で説明会をしています。次回は11月23日(火)に開催するのでお気軽にご参加ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回のインタビューは、ボーダレス・ジャパンが月に2回発信しているボーダレスマガジンのコンテンツです。
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