箱を開けるとカラフルなミニ野菜の数々が目に飛び込み、思わず「かわいい…」とつぶやいてしまうほど。
このミニ野菜。かわいいだけでなく、ぬか漬けとして食べ続けることで腸内環境が整い、免疫力アップや便秘の改善、アンチエイジング効果も期待できるというスグレもの。

今回は、そんな「腸活ミニ野菜」を企画・販売する「みらい畑」(宮崎県新富町)代表の石川美里さんに開発秘話や今後の展望も教えてもらいました。

定期購入者が1,000人を突破!
かわいくて体も喜ぶ腸活ミニ野菜とは?


「ぬか漬け専用ミニ野菜レギュラーセット」と「ぬか漬けスターターキット(熟成ぬか床と専用のタッパーのセット)」

「腸活ミニ野菜」は、手のひらサイズの「ミニ野菜」が、農場から直送で毎月自宅に届くサ―ビス。「届いた野菜でぬか漬け作りを楽しみながら、腸内環境を改善する"腸活"を日常に取り入れてもらおう」と、宮崎県新富町に農場を構える「みらい畑」が、2020年6月にはじめました。

購入者からは「毎月、見たことのない珍しい野菜との出合いが楽しみ」「ぬか漬けを食べるようになって、腸内環境が改善した」「ぬか床を週に一度混ぜるだけでOKという手軽さに惹かれた」といった感想が寄せられるなど好評。30~50代の女性を中心に人気が広がり、販売から約1年で定期購入者が1000人を突破するほどの人気商品です。


丸ごと野菜を漬けるだけで完成!誰でも簡単にぬか漬けが作れます

毎月届く野菜は8種類前後(季節によって変動)。
私が注文した8月は、真っ赤な「赤オクラ」や、楕円状の「こどもピーマン」、愛らしい「食用ほおずき」など、初めて目にする野菜も入っていてテンションが上がりました。水洗いして丸ごとぬか床に漬け、冷蔵庫に入れ、待つこと2日で完成。これが程よい酸味で美味!今後の体の変化にも期待が募ります。

この商品ができるまでに、どんな背景があったのでしょう。
「みらい畑」の取り組む社会問題や、開発秘話を聞いてきました。

試行錯誤して辿り着いた
「ミニ野菜」×「ぬか漬け」のコラボレーション

「腸活ミニ野菜」の生産・企画・販売をする「みらい畑」は、2017年11月、農業が盛んな宮崎県新富町を拠点に、石川美里さん(以下、美里さん)が起業した会社。

日本各地で増加する耕作放棄地(1年以上作物が栽培されていない土地)を、農地に変えて活用し、経済的な不安が原因で農業を選べなかった人を中心に雇用して農業従事者を増やす。そんな問題解決を目的に、この場所での農業は始まったといいます。

美里さん:農業初心者だった私は、まずは1ヘクタールの農場で有機栽培の野菜を育て、流通させるところからスタートしました。しかし、いざ始めてみると問題は山積み。有機栽培はそもそも収量が少なく、悪天候や病害虫、雑草の被害で全滅することもあって、悪戦苦闘の日々に苦労しました。


自然豊かな宮崎県新富町にある畑

美里さん:そんな思いをして、ようやくできた野菜たち。スーパーにも並ベてはもらえるのですが、普通の野菜と比べて高価なためか販売が伸びず…。

「私たちが育てた野菜は、消費者に選ばれていない」という現実に直面し、有機栽培で体に良いことに加え「みらい畑」ならではの付加価値を付けられないか、「選ばれる野菜」とは何かについて模索し続けました。

そして辿り付いたのが「ミニ野菜」の「ぬか漬け」だったそう。


みらい畑で育ったミニ野菜たち

まず、最初に思いついたのが「ミニ野菜」として提供すること。

ミニ野菜は、通常サイズの野菜に比べ皮が軟らかく、ヘタや種まで余すことなく味わえるため、それらに含まれる、食物繊維やビタミン、カロテンなど多くの栄養素をまるごと摂取できます。みらい畑では、皮ごと安心して食べられるよう、有機質の肥料のみを使用し、極力減農薬で育てているので、ミニ野菜とみらい畑の生育環境との相性は抜群でした。

また、栽培のサイクルが短いため、短期間で収穫でき、多品目を育てることが可能。お客さまにさまざまな野菜を提供できる上に、収穫のリスク分散ができるなど、多くのメリットがあることが見えてきました。

しかし「これだけでは足りない。さらなる付加価値で、差別化できないか…」と、考え続けました。

美里さん:そんな時、ボス(ボーダレス・ジャパンの田口一成)から「ぬか漬けはどうか?小さいから丸ごと漬けられるし、乳酸菌などの作用で栄養価をさらに高めることができるのでは?」と助言をもらい、「これだ!」と、目の前の霧が晴れる思いがしました。そこから、商品化に向けて一気に走り出しました。

日本の伝統的な発酵食品である「ぬか漬け」

腸まで生きて届く植物性乳酸菌の力で腸内環境が整い、免疫力アップや便秘やアレルギーの改善、ストレスの緩和などが期待できること。さらにぬか床の浸透圧の作用により、漬けた野菜がぬかのビタミンやミネラルをぐんぐんと吸収し、野菜の栄養素を5~10倍に増やしたり、うま味を引き出す効果があること。
調べてみると良いことづくめで、すぐさまぬか漬けの魅力に夢中になったという美里さん。


「キムラ漬物」代表の木村昭彦さんと石川さん

ぬか床を調達するため、訪れたのは同町のたくあん漬専門店「キムラ漬物」さん。昭和26年創業の老舗です。代表の木村昭彦さんに相談を持ちかけると、様々な知識を教えてくださったうえに、唐辛子や昆布、野菜片入りの「熟成ぬか床」を提供していただけることになりました。

美里さん:私自身、以前からここのたくあんが大好物だったので、快諾してくださって本当に嬉しかったです。

その後、3カ月かけてプランやプロダクトを練りあげ、2020年6月に発売開始。すると、「コンセプトに共感した」と、NHKをはじめとする様々なメディアに紹介され、お客さまは全国に広がりました。


みらい畑のメンバー

美里さん:今では1000人を超える方に毎月みらい畑の野菜をお届けできています。お客さまの声が直接聞けることも、作り手としてはうれしいです。

美里さんがたった1人で始めた事業も、現在は12人のスタッフが運営に携わっています。
畑の面積も1ヘクタールから3倍に増やし、野菜の種類は年間で100種類にも及ぶのだとか。

美里さん:今後は腸活に特化した情報や野菜の知識なども充実させて、もっと多くのお客さまに届けたいです。

環境負荷をかけない農業へ
新たな挑戦

「腸活ミニ野菜」のさらなる拡充にまい進する「みらい畑」は、「みらいに恥じない地球環境を残す集団になる」という新しい大きなビジョンを掲げ、農業を通して解決できる社会課題はすべて解決していくことをモットーに前進中です。

2021年からは、農地の上で自然エネルギー(太陽光発電)を生み出す「ソーラーシェアリング」など、環境に負荷をかけない農業の実現に向けた挑戦を始めています。


農業と太陽光発電を同時に行う「ソーラーシェアリング」

今回の取材を通し、美里さんのやわらかな語り口の奥に、一本芯が通った強さを実感しました。それは、美里さんの「社会の役に立ちたい」という、揺るがない信念。

「壁は自分自身。悩んだり落ち込んだりすることもありますが、良い面を信じて前進し続けたい」と笑顔で語る姿が印象的でした。

そんなパワフルな石川さんに、パワーの源は何か尋ねると、やはり「ぬか漬け」!
おすすめは、漬けた野菜をお味噌汁や豆乳スープの具にする食べ方なのだそう。「このスープにほんのちょっとだけぬか床を加えるとより絶品になるんですよ」と教えてくれました。

自分の体が健康になっていくこと。
その選択を通して社会と地球がよくなっていくこと。

みなさんも、「腸活ミニ野菜」始めてみませんか?


<編集後記>

今回の取材にあたり、私自身も本商品を注文し、人生初の「ぬか漬け作り」に挑戦。想像以上の簡単さ、楽しさに正直驚きました。

実は数年前に、「便秘がちな体質を改善したい」と、ぬか漬け作りに興味を持ち、ネットで検索したり、百貨店に足を運んだりしたのですが、「ぬか床を自分で作る自信がない」「毎日混ぜることができず、すぐに腐らせてしまいそう」と断念。

ところが今回の「腸活ミニ野菜」、日々のお手入れは「週に一度、混ぜるだけ」。さらに、代表の石川さんが惚れ込んだ老舗の「熟成ぬか床」を一緒に注文できるとのこと。「これならば私にもできそう!」と感激し、スタートしました。

実際にはじめてみると、「完成の目安である3日以上漬けておいて、辛くならないかな?」「ミニじゃかいもは〝電子レンジで熱を通してから漬けましょう〟と書いてあるけど、冷ましてからぬか床に入れた方が良いのか」など、初心者ならではの疑問がたくさん出てきました。そこで活用したのが、専用の「LINE」で何でも質問できる「ぬか漬けホットラインでサポート」。メッセージを送ると、翌日には返信が届き、無事解決。確実な情報をスピーディーに返して貰えてとても助かりました。ちなみに、ジャガイモのぬか漬けは、モッチリとした食感と程よい甘みで、とってもおいしかったです。これまでに食べたジャガイモ料理の中で一番好きかも?!

人生初のぬか漬けライフ。まだ始めて2週間ですが、腸内環境が整うと肌も綺麗になるといわれているので、今後の自分の変化(進化?!)も楽しみながら、続けたいと思っています。

最後にひとつ。

取材で石川さんに教えていただいた「ぬか漬けレシピ」が最高においしかったのでご紹介♪ 好きなぬか漬けを刻み、無調整豆乳と一緒に温めるだけの「豆乳スープ」です。ポイントは隠し味にほんの少しだけぬか床を入れること。私は、春雨や乾燥わかめを加えたり、オートミールを入れてちょこっとポン酢をかけてたりして食べています。ぬか漬けの酸味と豆乳のコックリとした味がマッチした一品。みなさんも是非トライしてみてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回のインタビューは、ボーダレス・ジャパンが月に2回発信しているボーダレスマガジンのコンテンツです。
マガジンでは、ボーダレスグループの最新イベント情報や限定コンテンツ・クーポンの発信などがありますので、ぜひご登録くださいね。
▶ボーダレスマガジン登録はこちら
▶バックナンバーはこちらから。