自己肯定感が低く、挑戦や行動の継続ができない若者の就職と定着のサポート事業をおこなうボーダレスキャリア。より社会にインパクトのある事業に育てるため、「人材紹介業」モデルから「人材定着業」へ舵を切ることに。その経緯と目指す姿について、代表の高橋大和さん、副社長の河原木里遊さんにお話を伺いました。

就職に向けて段階的に成功体験を積む「ステップ就職」


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3つのステップで徐々にはたらく自信を積み上げていく

ほっしー ヤマトさん、ラギーさん、こんにちは!以前ぼくも若者の就職サポートをしていましたので、ボーダレスキャリアさんの事業「ステップ就職」には興味がありました。今日は色々お話聞かせてください。
ヤマト・ラギー はい、どうぞよろしくお願いします!
ほっしー では早速。ステップ就職は、どんな問題意識から生まれた事業なんでしょうか?
ヤマト 不遇な過去や家庭環境により、人間関係構築やコミュニケーションでの不成功体験が続いたことで、自己・他者肯定感が低く挑戦や行動の継続ができない若者がいるんです。彼らをなんとかしたいという想いから事業は生まれました
たとえば、ご兄弟の学費を稼ぐために進学をあきらめて中卒で働いていた女性や、児童養護施設出身の方などがいらっしゃいます。こちらの動画も見ていただくと、イメージもつきやすいかと思います。


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ステップ就職に出会い、若者が自信を積み上げていく

ヤマト 彼らが段階的に成功体験を積みながら自信をつけられるように、正式採用前には「お試し就職(=インターン)」期間を設けるという仕組みをつくりました。本人と企業の双方が適性を判断できるところがポイントです。
ほっしー なるほど。合理的な仕組みですね。若者へのサポートにも注力されていると聞いたのですが、どんなサポート内容なんでしょうか。
ヤマト たとえば、仕事の悩みやトラブルが起きた時などは、タイムリーに面談をして、自分で考える力を養っていただけるようにしています。また、職場に行けず連絡が取れなくなった時には、直接自宅にお話を聞きに行くこともあります。こうした定着サポートの期間は特に定めておらず、
一度お付き合いが始まったからには、一生サポートする気持ちで向き合っています。


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信頼できる“いい大人”との時間が、自己肯定感の回復につながる

ラギー そういえば、他に相談できる方がいないから、と地元就職を希望する高校3年生の方から、就職に関する相談が来たこともありましたね。仕事に役立つ資格やおススメの本を紹介したりして。あとで振り返ると、400回以上LINEでのやり取りをしてました。
ほっしー そこまで!
ヤマト ええ、ステップ就職ではその方の地元エリアで紹介できるお仕事がなかったのですが、まさに私たちがサポートするべき方でしたので、きちんと対応させていただきました。無事に高校も卒業して就職も決まりました。
ほっしー そこまで徹底してサポートされているから、定着率も95%ととても高い数字になっているんですね。
ヤマト ええ。今も年間数十名の若者がサービスを利用して就職するなど、徐々に結果は出てきています。また、地域福祉への貢献が認められ、厚生労働大臣賞」を受賞しました。


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ほっしー いい流れですね。
ヤマト ただ、目指すインパクトは年間1,000名の方の就職実現と、入社後の定着ですから、目標と比較すると、実はまだまだ全然足りていない状態です。そこで、大きく舵を切ることにしたんです。
ラギー 目標数字に届かせる為には、若者の就職先となる企業を増やす必要があります。これまでは採用時に紹介手数料という形で一括でいただいていたのですが、今後は正式採用後に定着した期間に対して、毎月決まった額を1年間お支払いいただくようにモデルを変えました。
ほっしー なるほど。すると1ヶ月に数万円程でしょうか。高額な手数料を支払った後に離職されるリスクを懸念されていた様な企業様にも配慮されたモデルですね。この形、この金額感なら利用したい!という企業様は増えそうです。いわば定着サービスのサブスク化ですね。

いい大人やいい会社ともっと関わってもらうための場


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ラギー さらに今後はSTEP ACADEMYという教育事業にも力を入れていきます。これまではステップ就職の中の1つのサービスというポジションでしたが、STEP ACADEMY自体を事業化し、専用のWEBサイトも立ち上げる予定です。
これによりサービスの利用者(ターゲット)も広がると考えています。
ほっしー おお。教育事業も本格的に動き出すんですね。ますます興味が湧いてきました。詳しい話を聞かせていただけますか。
ヤマト 成功体験が少なく自己肯定感が低かったり、経験やスキルがなかったりする若者の中には、いきなり就職活動を始めるというのはハードルが高いという方も多い。そこで、就職活動の前段階でスキルや知識を学び、自信がつけられる仕組みをつくりました。
ラギー 具体的に言えば、私たちの理念に共感していただける企業や社会人の方に講師になっていただき、講座を実施しています。今ではオンラインを中心に100講座以上開催していて、受講者も150名を超えています。


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ソーシャルコンセプト実現のためには、あらゆる手法を試していく

ほっしー 若者は信頼できる”いい大人”と関わり、スキルも学びながら自信をつけられる。利用者の数は何十倍にもなりそうです。
ヤマト このSTEP ACADEMYのサービスは、昨年4月のコロナによる緊急事態宣言中にラギーが中心になって構築したんです。ラギーがいなければここまでのモデルになったかどうか。もしできていたとしても、だいぶ時間がかかったんじゃないかと思います。
ほっしー そうでしたか。ラギーさんはボーダレスキャリアに途中から参画されたんですね。ちなみに、どんな想いで入社されたんですか。
ラギー 実は、私も自己肯定感の低い若者だったんです。「自分は生きている価値がないんじゃないか」とよく考えていました。それが、以前の職場での出会いから「せっかくなら、生きてるうちに世界の大きな問題を解決しよう」と思えるようになって。

※ラギーのプロフィールはこちら


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ボーダレスキャリアの環境に、大手企業にはない手ごたえを見出す

ほっしー それでボーダレスグループに出会った。
ラギー はい。グループ企業を見てみると、昔の自分の様な若者に向けた支援をしている企業があるじゃないですか。それでヤマトさんとお話して、他の会社にはない「まっすぐさ」を感じたので入社を決めました
ヤマト 第一線でやってきたラギーのビジネスセンスはすごいなと常々感じています。セオリーも抑えているし、いざという時にはそれを敢えて無視してイチからつくれる力もあって。
ラギー 社会課題の解決が、そのままビジネスに直結している感覚は、過去に属していた大企業では味わえません。施策に関しても、1ミリも制限がない。皆で話し合いながら、思いついたアイデアをなんでも試せる
ここも前職の環境とは大違いでした。ボーダレスキャリアのこの環境があるから、STEP ACADEMYの様なアイデアを形にできたんです。

若者と企業が共に成長するサポートネットワークを育てたい


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若者との相互理解のために、就職先企業へのフォローも欠かせない

ほっしー ヤマトさんとラギーさん。お二人の様な方との出会いがあれば、自己肯定感が低くて一歩を踏み出せない方々も勇気をいただけそうですね。
ヤマト 若者たちにとって信頼できる大人は、まだまだ全然足りません。そこで、STEP ACADEMYの講師を務めていただける「サポーター」を募集しているんです。
条件は一つだけで「若者を否定せず、向き合っていただける」方
ラギー 自分はたいしたことを教えられない、と思っていらっしゃる方でも大歓迎です。若者にとっては、向き合ってくれる大人がいる、否定しない大人がいる、と感じられるだけでも大きな自信に繋がりますから。
ほっしー すると、ぼくでもサポーターになれるわけですね。そう考えると何かできることがないか考えたくなってきました。


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今回募集するサポーターも、サポートネットワークの大切な一員

ラギー ぜひやってください!!
ヤマト 実際にはどんな講座でも大歓迎なんですが、あえて方向性を大きく分けると二つ。一つは就職活動に役立つ内容の講座。たとえば、自己分析や履歴書などの書類作成をサポートいただいたり、面接の練習にお付き合いいただいたり。こちらは何人講師がいてもありがたいところです。
ほっしー 一度経験している方なら寄り添えそうですね。若者にとっては信用できる大人と知り合うきっかけになれそうです。
ヤマト もう一つが、知識やスキル、資格取得をサポートする講座。英語などの語学系や、プログラミング、簿記、MSオフィススペシャリストなど、履歴書に書ける様なスキル習得系の講座ですね。現在講座を担当されている方々の中にもプロ講師はほぼいません。
「Excelは少し得意」とか「動画編集ならできる」という普通の会社員の方々が、講師として講座を担当していただいています。


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将来的には若者が安心して居られるコミュニティをつくりたい

ほっしー ありがとうございます。そういう状況なら、ぼくでもお役に立てることがあるかもしれません。ちなみに、サポーターとしての関わり方は、STEP ACADEMYの講師になる以外にもありますか?
ラギー 私たちの考え方に共感いただける企業をご紹介いただけると、とてもありがたいです。もちろん、「自分たちの会社でステップ就職の若者を採用したい!」という方も大歓迎です。「何ができるか分からないけど、とにかく力になりたい!」という方もぜひご連絡ください。
ヤマト ご興味をお持ちいただいた方は、こちらからご応募ください。まずは気楽にお話からでも。若者たちのサポートに向けてどんな関わり方ができるのか、一緒に探りましょう。“いい大人”になっていただける皆さまからのご連絡をお待ちしています!




最後までお読みいただきありがとうございました。
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