家庭の生ごみを、かわいいバッグ型の「LFCコンポスト」に入れる。一日たった1分の作業で、生ごみの排出を減らして地球環境を守れる上に、おいしい野菜が育つ堆肥が作れるって素敵ですよね。 2020年1月の発売以来、口コミで評判が広がり利用者が2万人を超えた「LFCコンポスト」の魅力と進化に迫ります。


発売から一年半利用者2万人に広がる魅力


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末永 2020年1月に発売された「LFCコンポスト」。雑誌やテレビをはじめ、さまざまなメディアで紹介されるなど好評ですね。現在、利用者は何人くらいいらっしゃるのですか?
たいら 現在の利用者数は2万人以上です。予想以上のスピードで人気が広がり、私自身も驚いています。しかも、購入者の8割以上は初めてコンポストに触れる方で、その大半が20〜40歳代。
末永 若い世代に広がっているんですね。
たいら 実はこれまで販売されていたコンポストは、屋外への据え置き型が中心で、利用者は50代後半以降の方がほとんどでした。「もっと幅広く、多くの人にコンポストの輪を人げたい」という思いから開発した商品だっただけに、嬉しい反響です。注文が入るたび「やった!これでまた生ごみが減らせる!!」と心弾ませています。


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末永 都会で暮らす若い人や忙しい人でも気軽にトライできるのが「LFCコンポスト」の魅力ですよね。改めて商品の特徴と魅力を教えてください。
たいら まずコンポストとは、微生物の力で生ごみや落ち葉などの有機物を発酵、分解させ、土に植えられた植物が吸収できる堆肥にすることや、その容器のことです。私が代表を務めるローカルフードサイクリング(以下、LFC)が製造販売する「LFCコンポスト」は、誰でも気軽に始められるコンパクトなサイズ感と、オシャレなデザインが魅力。
庭がない都市部でも、自宅のベランダや玄関で始めることができ、インテリア感覚で配置できるようにと、デザインにはこだわって作りました。
また、匂いがほとんど気にならないのも特徴。微生物の力で生ごみの分解を早め、悪臭の発生を抑える独自配合の基材を採用しています。(※開発秘話はこちらのインタビュー記事にて)


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末永 完成した堆肥で野菜を作ると、おいしく育つのも嬉しいポイントですね。
たいら 驚くほどおいしい野菜を収穫できるので、家庭菜園をされている方にはぜひ一度試していただきたいです。
コンポスト自体の使い方も簡単で、生ごみをバッグの中に入れて軽くかき混ぜ、蓋をする
たった1分の作業を毎日続けるだけで、栄養たっぷりの堆肥が完成します。
末永 HPなどを拝見すると「ベランダで」と書いてあるのですが、ベランダがなくてもトライできますか?また、生ごみなら何でも入れて良いのかなども気になります。
たいら コンポストを屋外に出せない人は、玄関などでも大丈夫です。
また「こんな食べ物入れても大丈夫?」「袋が破れてしまって…」など、質問があれば、いつでもLINEの「LFCホットライン」で相談ができます。個人に合わせた細かい質問にも丁寧に応えられるよう、AIは採用せず、スタッフがサポートする体制を整えています。


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「LFCガーデニングセット」は容器がプランターになる!

末永 それは心強いですね。せっかくだから堆肥を作って、野菜を育ててみたくなりますね。
たいら そういう方には、体験型の「LFCガーデニングセット」がおすすめです。1日300gの生ごみを3週間投入することができて、2、3週間ほどで堆肥が完成。その後、容器を半分ぐらい折り返すとプランターになります。土や季節の野菜の種も付いているので、そのまま家庭菜園が始められますよ
末永 おしゃれでかわいい!プレゼントにもいいですね。

幼稚園や自治体…拡大するコンポストの輪


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末永 小さなお子さんがいる家庭にプレゼントすると、食育にも繋がりそう。私も小さな甥っ子がいるのですが、生ごみは、ゴミではなく資源という感覚を持って育ってもらいたいものです。
たいら 未来を担う子どもたちに「LFCコンポスト」に触れてもらう取り組みは、都内を中心に幼稚園や小学校などと提携して実施しています。例えば東京都中野区の「新渡戸文化子ども園」には食育の一環として導入していただきました。
末永 学園のYouTubeチャンネルでも紹介されていますね。給食で余らせてしまった残飯も回収するなど「残すともったいない」ことを身を持って体感できる、素晴らしい取り組みだと感じました。
たいら 子どもたちが生ごみをコンポストに混ぜながら、「微生物くん!頑張って」と、楽しそうに土を育てたり、
「生ごみを捨てるなんてもったいない。魔法の土になるんだから」と話す様子を見たりすると、明るい未来に繋がりそうで嬉しくなります。


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末永 人から聞いた知識より、自らの体験は行動に直結しますよね。子どもから学ぶ親御さんもいらっしゃるかも!良い循環が生まれていますね。
たいら 「LFCコンポスト」の発売以降、多くの企業や自治体などから声を掛けてもらい、コラボレーションするなど、循環の輪は広がっています。直近では、6月から神奈川県川崎市のフードサイクルプログラム「eco-wa-ring(エコワリング)」に取り組んでいます。
末永 川崎市の方たちが羨ましい!自治体が率先して取り組んでくれると、最初の一歩を踏み出すきっかけになりますね。
たいら 自治体をメインにしたプロジェクトは今回が初めてなので、モデルケースとして、他の地域でも実施できたら嬉しいです。

1日1分の作業で変わる 地球の未来


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末永 コンポストを購入して堆肥は作れても、野菜を育てるスペースや時間がない人もいらっしゃるのでは?
たいら そういう方には、LFCコンポストユーザーなら誰でも参加できる「堆肥回収キャンペーン」を活用してもらえたら!
皆さんが育てた堆肥をLFCで受け取り、その堆肥で育てた野菜をお届けする企画です。野菜を作っていただく提携農家「LFCファーマー」もどんどん増えており、現在30の農家さんが参加してくれています。
末永 家庭の生ごみから堆肥ができ、その堆肥で育った野菜を食べる。そんな循環を誰でも体験できるんですね。
たいら その通りです。不定期ですがLFCのWebサイトでお知らせするのでぜひ参加してみてください。
LFCファーマーは、我々の活動に共感してくださった有機栽培や無農薬栽培の農家さんなので、戻ってくる野菜の味は格別ですし、普段は見かけることがない珍しい野菜にも巡り合えるかも。人生の楽しみが広がりますよ。


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理想とする食循環のイメージ

末永 実は私自身、今まで生ごみに関心を持たず暮らしてきました。このインタビューが決まって以来、自宅の生ごみを意識するようになり、一人暮らしの一食分でも卵の殻やタマネギやアボカドの皮、ネギの根っこなど、両手にいっぱいの生ごみが出ることに気付き、改めて驚きました。
たいら 日本における食品廃棄物処理費用は年間約1兆円といわれています。水分が多くて重い生ごみの処理には、輸送や焼却に高額なコストがかかっています。そのうえ、CO2などの温室効果ガスも排出していて地球環境にも悪影響なんです。
末永 生ごみを燃やすために、燃料をわざわざ海外から買っているなんて知りませんでした。
たいら 私たちは捨てる必要のない資源をゴミにして、自分たちの首を絞めていることに気付くべきです。より多くの人たちが自分事として意識し、1日にたった1分行動するだけで未来は変わることに気付いてもらいたいですね


ローカルフードサイクリングのメンバー

末永 地球環境の悪化など、目に見えにくい出来事を自分ごととして、行動に移すのは難しいことですよね。
たいら 現代社会において、多くの人が「自分ごと」として認識できるのは、自転車で気軽に行動できる半径2km程度と考えています。
コンポストの良さに気付いた人が、自宅や職場、所属するコミュニティー、スマホなどを通して、自分の周囲の人たちに広げてくれたら嬉しいです。
末永 今日、たいらさんとお話ししたことで私にも魅力がグッと伝わりました。
たいら そうでしょ?私自身、コンポストに関わって25年が経ちますが、毎日が本当に楽しくてしょうがないんです(笑)。
皆さんもきっと、コンポストに関われば人生がより楽しく、豊かになるはず。世界から生ごみがなくなる日を目指して奮闘し続けます。


最後までお読みいただきありがとうございました。
今回のインタビューは、ボーダレス・ジャパンが月に2回発信しているボーダレスマガジンのコンテンツです。
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