母乳育児をサポートするハーブティーが、年間のべ25万人ものお母さんに愛飲されている「AMOMA」。創業11年目に入り、新たなステージに向かうために「社長」を募集することになりました。その背景を榊沙織さんに聞きました。

ミャンマーの小規模農家さんが
栽培したハーブで商品を開発


photo
えみ 経営者を募集されるとは、すごい!
ボーダレス・ジャパンの創業期からある事業のひとつAMOMA(アモーマ)」でいきなり舵取り役になれるなんて、またとないチャンスですね。
さかき そうなんです、すごく貴重な機会だと思います。
えみ まずはAMOMAを知らない方に向けて、どんな事業なのか教えてください。
さかき ボーダレス・ジャパンの2つ目の事業として、2010年に代表の田口が立ち上げました。
日本の助産師さんやイギリスのメディカルハーバリストの方と一緒に母乳育児をサポートするハーブティーやアロマオイルなどを開発し、ネットを中心に販売する「赤ちゃんと母乳育児の専門ブランド」です。


photo
毎年訪問するミャンマーの収穫祭にて現地メンバーと
(※今年はコロナのため中止)

えみ どんな社会問題を解決しているのですか?
さかき ミャンマーの小規模農家の貧困問題です。創業当初から掲げているのは「農家さんが健康的で安定した生活ができる社会へ」。
市場価格の変動によって収入が安定せず借金から抜け出せなかったミャンマーの小規模農家さんに、農薬を使わずにハーブを栽培する方法をレクチャーし、
ファーマーズプライス(農家さんが安定した生活ができることを基準にした価格)で買い取っています。
ミャンマーの農家さんの状況などの詳細は田口が登壇したTEDでもお話ししていますので、ぜひそちらをご覧ください。
えみ 農家さんの収入が上がったということですか?
さかき はい、大幅にアップしました。ハーブを使ったハーブティーやオイルを開発し、高付加価値のブランドとして直接ネットで販売することで値崩れを防ぎ、農家さんには全量買取を保証することができています。
えみ ブランドの認知はどうでしょう?
さかき スタートから11年経ち、年間のべ25万人のお母さんにお買い上げいただけるブランドに育っています。
出産人口からすると、10%ほどのお母さんが飲んでくれていることに。楽天のグルメ大賞のハーブティー部門やいろいろな育児雑誌の賞などもいただいています。
えみ おー、まさにニッチトップ、すごいですね。

2019年にリニューアルして
授乳期のお母さんのケアに特化


photo

母乳つまりで悩むママへのミルクスルーブレンド

えみ 今回は、なぜ経営者を募集されるのですか?
さかき AMOMAは田口が立ち上げてミャンマーの農家さんと安定した取引ができるようになった後、ソーシャルビジネスを学び実践する場として、数人の社長が交代で大切に受け継いできました。
前社長が半年前に退社し、しばらく経営者不在だったんです。
えみ すぐに経営者を選任せず不在のままというは、個人の意思を尊重されるボーダレスらしい気がします。
さかき そうですね、AMOMAは事業基盤はできているので、リーダーがいないフラットなチームでもソーシャルインパクト※の拡大に集中できるんじゃないかと、誰かを無理に社長に据えることはありませんでした。
ただ、1年ほどチャレンジを経た今だからこそ、より大きなソーシャルインパクトを追求するためにリーダーが必要だということが見えてきたんです。
今いる運営メンバーはプレイヤーとして貢献したいという人が多いので。※どれだけ社会問題の解決に繋がっているかを測るボーダレス独自の指標
えみ だから、外部から募集されるのですね。
さかき 妊活・妊娠・産後をケアするハーブブランドとしてスタートしたAMOMAは、2019年に母乳育児の専門ブランドにリニューアルしました。
ミャンマーの農家さんのことを意識する一方で、母乳不足や母乳つまりなどで悩むお母さんの授乳をサポートするという、もう一つの社会課題も捉えて事業を進めています。
えみ なるほど、ビジネスのコンセプトも社会課題解決につながっているんですね。
さかき リニューアルのタイミングで「母乳なんでも相談室」を始めて、育児を経験したメンバーがLINEでお客様からの授乳や子育ての相談に応じています。
お悩みを聞くうちに「お母さんがひとりで子育てをしなくていい社会をつくる」という新たなビジョンも見えてきて、次のステージに向かうために社長を募集しようということになったのです。


photo

さかき 昨年から1,000人のお母さんにアンケートを取ったり、産後ケアの専門家や助産師さんなどに話を聞いたりしてきました。
一般に産後うつを発症するお母さんは1割程度と言われているのですが、AMOMAで実施したアンケートでは産後うつの症状に当てはまった経験がある方が4割以上いたんです。
それだけ多くのお母さんが産後うつに近い症状に陥っているのは、大きな社会問題だと改めて危機感を持ちました。
えみ 核家族化して地域との関わりも少なくなり、育児について身近に相談できる人がいない方が多いですよね。
相談室で育児経験者に悩みを相談できるのはすごく心強いと思います。
さかき 生物学的にも歴史的に見ても、ひとりで子育てすることは難しいのに、日本では産後のサポート環境が整っていないため、急にひとりで赤ちゃんに向き合うことになるお母さんが多いんです。
そんな課題を解決したくて、AMOMAでは別の事業やサービスのアイデアもいろいろ出てきています。

ビジネスのスキルや経験よりも
コンセプトへの強い思いが大切


photo

カスタマーチームの様子

えみ AMOMAにはどんなメンバーがいますか?
さかき 総勢30人ほどのチームでして、ほとんどが子どものいるお母さんで、男性も2人います。
福岡オフィスを拠点に、母乳相談などお客様との接点を担っているカスタマースタッフが10人ほど、商品の出荷スタッフが10人ほど、残りは社員でマーケティングや相談室、出荷のサポートをしています。
えみ お母さんが多いんですね。
さかき そうですね。自分たちの経験を糧に、お客様のことをすごく真剣に考えてくださるメンバーばかりで、手前味噌ながら本当にすごいなと感じています。
えみ 子育て中でも働きやすい職場ですか?
さかき こんなに子育て中の人が気持ちよく働ける職場って、日本全国探してもなかなかないんじゃないかと私は思っています。
みんな家庭を大事にしながらもスピード感を持って甘えずに仕事をして、時間内に終わらせています。
えみ さかきさんにもお子さんが?
さかき 6歳と2歳の子がいるので、9~16時の時短勤務をしています。
ボーダレス・ジャパンに入る前は子育てしながら働くことに引け目を感じていましたが、ここでは誰もマミートラックに陥ることなく、チャレンジしながら働くことができていると思います。


photo
出荷チームの様子

えみ どんな人に社長になってほしいですか?勤務地は福岡ですよね?
さかき メンバーは福岡オフィスにいるので、福岡勤務になります。
AMOMAの事業目的とビジョンに強い思いを持ち、メンバーを引っ張っていってくれる方が理想です。
農家さんへの思いはもちろん、産後のお母さんや「お母さんがひとりで子育てをしなくていい社会をつくる」というコンセプトに共感してもらえることが一番大事だと考えています。
えみ ビジネスの経験よりも思いが大切なんですね。
さかき ECマーケティングやマネジメント経験がある方がベターです。
でも、そんな方はなかなかいないと思いますし、もっとも優先したいのがコンセプトへの共感なのです。
例えば、子どもを生んでキャリアを諦めざるを得なかった方などに向いていると思います。
えみ なるほど、ソーシャルコンセプトへの思いが何より大切なんですね。

子育て中でも働きやすい環境で
他の社長さんにも相談できる


photo

ボーダレスグループの社長たち

えみ AMOMAで働く面白さは、どんなところでしょう?
さかき 私はこれまで3社を経験し、前職では様々な中小企業をサポートしてきたのですが、AMOMAは他にはないユニークな会社だと思います。
2つの社会課題の解決に貢献しているし、設立から11年目を迎えても、ベンチャー気質でフットワークが軽い。
出産した女性であれば、自分の経験をそのまま事業に生かせるというのも、すごく大きいと思ってます。
えみ 産後に苦労した経験をプラスに変えて、人の役に立てるのがいいですね。
さかき あとは、商品力があり、すでに認知されているブランドを成長させていく面白さもあります。
おむつや育児用品などは販売店を通して売られていますが、AMOMAは自社のECサイトでお母さんたちに直接お届けしているので、ダイレクトに反応を感じられるのもやりがいにつながります。
えみ 反対に、ここが大変という点は?
さかき うーん…ベンチャー気質なので、ルーティン業務をしたい方には合わないかもしれません。
11年目になっても組織が凝り固まってなくて、まだまだやれることがあるのは幸せなことだと思います。


photo
お客様からの声やレビューで育つ「レビューの木」

えみ さかきさんのAMOMA愛が伝わってきます(笑)。
さかき みんな気持ちよく働けるメンバーなんですよ。社長不在の間は、みんなでたくさん話し合いながら進めてきましたし。
とはいえ、社員はここ2年以内に入ってきたメンバーが多いから、新しく入ってもすぐなじめると思います。
バックグラウンドも接客業や広告代理店、採用担当など、多様な人がそろっています。
えみ 魅力的なポジションですが、社会課題解決を本業とする事業の社長として一歩踏み出すのは勇気がいりそうです。
さかき その点は安心してください。ボーダレスグループには「MM会議(Monthly Management)」といって、
グループの社長たちが4人1組になって毎月経営課題を共有して助言を送りあう場もあります。
それに、福岡オフィスには全部で10以上の事業が集まっていて、田口をはじめAMOMAを経験したメンバーもたくさんいます。
相談相手には困らない環境だから心強いと思いますよ。
えみ それは安心ですね。最後に、未来の社長に向けてメッセージをお願いします。
さかき 産後のお母さんを支えるというのは、日本の未来を創っていく仕事だと思います。
幼少期は人間の形成においてすごく重要な時期で、お母さんたちをサポートすることが子どもたちを育むことにもつながります。
日本は子育てしにくい国と言われるけれど、AMOMAは子育てしやすい社会にアップデートできるように取り組みを進めていきます。
ぜひ私たちと一緒にチャレンジしていただきたいです。
えみ ああ、私も応募したくなりました(笑)。
さかき ありがとうございます(笑)。
より詳細に関心がある方は、ぜひAMOMAのnoteも覗いてみてください。
また4/15に採用イベントをするので、AMOMAや産後のお母さんのサポートについて興味のある方は、ぜひ気軽に参加してください。お待ちしています。

CHECK

 


最後までお読みいただきありがとうございました。
今回のインタビューは、ボーダレス・ジャパンが月に2回発信しているボーダレスマガジンのコンテンツです。
マガジンでは、ボーダレスグループの最新イベント情報や限定コンテンツ・クーポンの発信などがありますので、ぜひご登録くださいね。
▶ボーダレスマガジン登録はこちら
▶バックナンバーはこちらから。