社会起業家養成所というコンセプトで始まり、延べ350名が受講した「ボーダレスアカデミー」は第5期生を募集中(3/4まで)。
より具体的なことを知りたい、という方に向けて、事務局の半澤さんと、卒業生の千葉さん、大雄(おおたか)さんにリアルな話を聞きました。

 

 

photo 聞き手 ライターほっしー
取材や広告制作、研修講師をしつつ、奄美大島で塾を経営。デンマーク留学帰りの妻から、サステナブルな子育てを仕込まれ中。人まず株式会社代表。

「社会起業家養成所」?
ボーダレスアカデミーとは


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2013年、ボーダレス・ジャパンに入社。採用担当。
「トルコでシリア難民の雇用をつくる」をテーマに社内起業し、その経験を活かしてアカデミー受講者たちをサポートしてきた。
ほっしー 半澤さんはボーダレスアカデミーで受講者のプランニングの相談にのるなど伴走者をしてこられしてこられて、現在募集中の5期でも運営に入られるんですよね。
まずはボーダレスアカデミーについて概要を教えていただけますか?
半澤 ボーダレスアカデミーは、社会変革の担い手を育てる“ソーシャルビジネススクール”です。
13年間で40以上のソーシャルビジネスを立ち上げてきたボーダレス・ジャパンのノウハウをもとに、
ソーシャルビジネスを立ち上げるための型・社会起業のイロハ・要諦が学べます。
ほっしー ソーシャルビジネスに特化しているんですね。
半澤 はい、だからこそ、他では学べない要素が揃っています。
ソーシャルビジネスは難易度が高いといわれますが、ボーダレスアカデミーでは卒業生の3割強の方が起業しています。
(詳細はこちら
起業を視野に活動されている方も多く、 卒業後も交流会や合宿などが自主的に開催されています。


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ほっしー 具体的にはどういった流れで学ぶんですか?
半澤 今回募集する5期は、3月頭から5月末までの2ヶ月半のプログラムです。
その期間の中でソーシャルコンセプト(取り組む社会事業テーマの設計図)を定め、ビジネスモデルを組み立て、より実践的なビジネスプランにまで落とし込んでいく。
並行して、日本を代表するような社会起業家による講義や相談会があるのもポイントですね。
ほっしー 受講生にとっては、密度の濃い期間になりそうです。まさに社会起業を目指す人のためのソーシャルビジネススクールですね。
今回はオンラインでの実施になると聞いているのですが、どんなイメージになるんでしょうか。
半澤 基本的には、週に1~2回のオンライン授業・グループ討議を重ねていきます。
授業は講義形式だけでなく、志向の近いメンバーで4~5名のグループを組み、
お互いのビジネスプランに対して意見を交わし合う討議の時間もたっぷりとっていきます。
そこに、私の様な伴走者がつき、共にプランをブラッシュアップしていくんです。


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オンライン討議の様子

ほっしー 半澤さんも過去起業されたご経験がおありだとか。
半澤 はい、私もシリア難民支援のために以前起業し、様々な困難に直面しました。
だからこそ、これからソーシャルビジネスに挑戦しようとする皆さんをサポートしていきたいんです。
ほっしー 心強いです!どんなコンテンツがあるか、教えていただけますか?
半澤 たとえば、ファクトリエ代表山田敏夫さんなど各分野の第一線で活躍中の起業家13名による起業家講座や、
パタゴニア元日本支社長辻井孝之さんや鎌倉投信株式会社創業者新井和宏さんによる教養講座など、全16講座がビデオ視聴できます。
また、講師陣にマンツーマンで相談できるブラッシュアップ会など活きた知見を得られる機会もあります。


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教養講座のイメージ

ほっしー 教科書的な知見ではなく、実践的なノウハウが得られそうですね。
半澤 また、起業後のサポートとして最大1,500万円の資金提供や、マーケティングの専門家らによる経営サポートも受けられます。(審査あり)
こちらの対象は現在ではボーダレスグループで起業される方のみではあるのですが、来月以降には個人で起業される方に向けたサポートプログラムもリリースする予定です。
ほっしー 受講生の皆さんの想いをカタチにする支援制度、充実してますね!


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ほっしー ちなみに、今回募集されている第5期生の方々にも変わらず支援があるんですよね?
半澤 もちろんです。加えて、今回からプログラムを「集中講座」と「本科(前期・後期)」に分けることにしたんです。
集中講座とは、概論講習の様なものだと思ってください。
ボーダレス・ジャパンの捉えるソーシャルビジネスの作り方・考え方を
代表の田口
副社長の鈴木が2日間かけて伝えきります。

これをお試し講座として受講できるようにプログラムから分離させたんです。
ほっしー その2日間だけでも価値がありそう。お試しの上で参加するかどうかを決められる、ということですね。
半澤 はい、 集中講座を分けることにより、これまでより気軽に社会起業やソーシャルビジネスの全体像のつくり方について知っていただく構成になりましたので、
ソーシャルビジネスの一歩目を踏み出したい方には、ぜひ参加してほしいですね。
社会起業家の数が増えれば増えるほど、解決できる課題は増えて、いずれ社会全体を変えていけますから。
ほっしー より詳細を聞きたい方はどうすれば?
半澤 2/27(土)開催のオンライン説明会にぜひご参加いただければと思います。
私が皆さんからの質問にお答えする時間もあるので、ご参加お待ちしております!

目指したい存在に
出会える場所


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ボーダレスアカデミー4期卒業生。小学生の頃から興味を持っていた法務教官として働いてきたが、より対象者目線での支援をしたいとボーダレスアカデミーへの参加を決める。
卒業発表会で審査員賞を受賞。

 

ほっしー 千葉さんはアカデミー4期を卒業されたんですね。参加の経緯を伺えますか?
千葉 私は法務省で再犯防止に関する仕事をしており、少年院に入院した子どもたちの社会復帰をサポートする仕事も経験してきました。
小学校の頃から就きたかった職ではあったのですが、現場での支援には制限があるな、とも感じ始めていたんです。そんな時に、知人の紹介でボーダレスアカデミーを知ったんです。
ほっしー すでに現場経験を通して課題を持たれていたんですね。
千葉 ちょうど、自身が課題意識を持っていることに、ソーシャルビジネス・事業として取り組みたい、と考えていた頃に出会ったので、ボーダレスアカデミーにはとても興味を持ちました。
調べてみて、ボーダレス・ジャパンの仕組みに感銘を受けました。利益を出しながら持続可能なかたちで、社会的意義のある事業をする。恩送りのシステムもある。
ぜひ自分もチャレンジしたいと思ったんです。


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ボーダレスグループの恩送りのエコシステム

ほっしー お仕事をしながらの受講は大変ではなかったですか?
千葉 大変ではありましたが、私たちの期はオンラインでの受講に切り替わったタイミングでもあり、事前にスケジュールも把握できていましたので、仕事との調整はしやすかったですね。
おかげで、グループメンバーとの討議にはじっくりと取り組むことができました。
ほっしー どんなことを討議するんですか?
千葉 ソーシャルコンセプトについて突き詰める作業が特に多かったです。
「何のため?」「誰のため?」「本当にその課題を解決できる?」こうしたやり取りを何度も何度も繰り返して、コンセプトをブラッシュアップしていくんです。
ほっしー それが最初の工程でしたよね。いきなりビジネスプランを考えるわけではないんですね。
千葉 はい、何のためにやるのか、を十分に練り上げた上で、ビジネスコンセプトに落とし込んでいく。という手順で進めていきました。


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非公開のビジネスモデルシート

ほっしー ボーダレスアカデミーの中で、印象的な出会いはありましたか?
千葉 ビジネスを成功させてきた講師の方々に相談できるのは、嬉しかったですね。
私のプランを見てアドバイスもいただけますし。将来的にはビジネスパートナーになる可能性だってあります。
ほっしー そう考えると、貴重な機会です。
千葉 中でも、女性起業家の方の講義が印象的でした。
私と同じくらいの年齢で大きな決断や起業をされていて。想いや行動力のつよさが伝わってきたんです。
その方とお話して、目指したい存在だと感じました。自分とは違う遠い存在ではなくて。自分もその人の様にやってみたい、やれる!と思えたんです。
ほっしー 千葉さんの想いのつよさも感じますね。
千葉 アカデミーに参加しているメンバーが皆、真剣に社会起業家を目指していることもよかったんじゃないでしょうか。
全員が本気なので、お互いの刺激になっていた様にも思います。


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様々な領域で実践経験を持つアドバイザーメンバー

ほっしー 卒業後はどう動かれているんですか?
千葉 たくさんの方から助言をいただき、一人では思いつけなかったようなプランが生まれたんです。
ソーシャルビジネスを実践するためNPOに転職したところですが、自身のプランの実現に向けた知識とスキルを身につけたいと、4月からは大学と専門学校で学ぶ予定も立てています。
ほっしー 大忙しじゃないですか。本格的に始動しているんですね!!
ボーダレスアカデミーに参加して、転機をつくられましたね。千葉さんと同じように参加を検討されている方々に向けて、何かメッセージはありますか?
千葉 はい、アカデミーでは教わるだけではありませんでした。
他の方の考えに触れ、自分で考え、気付けるタイミングも豊富に設計されています。
具体的なプランやテーマが決まっていない人でも、必ず役に立つ経験になると思います。
何かしら、取り組んでみたい想いをお持ちの方は、ぜひ参加してみてください。

学べただけでなく、
かけがえのない仲間ができた


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ボーダレスアカデミー2期卒業生。卒業発表会ファイナリスト。卒業後は、ボーダレスアカデミーの中でつくったプランで起業。現在はボーダレス・ジャパンで再起業準備中。
ほっしー 大雄(おおたか)さんはボーダレスアカデミー2期の卒業生ですよね。どんな経緯で参加しようと思われたんですか?
大雄 Facebookでフォローしていた方の投稿を見て、知ったんです。
「ボーダレスアカデミーのアドバイザーに就任した」という内容でした。気になったので調べてみたんです。ビビビときましたね。
社会起業家の養成校をつくって社会起業家をたくさん生み出していく、ということが書かれていて。
そのためのノウハウも惜しみなく伝える、と。これを読んで居ても立ってもいられなくなりまして。これは参加するべきだ、と妻にも相談せず入学を決めました。
ほっしー 勢いを感じますね…!元々ソーシャルビジネスにもご興味が?
大雄 はい、元々介護業界で働いていたんですが、「高齢者の孤独問題」に取り組めないかと考えていたんです。
ほっしー 孤独問題、ですか。


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祖父との幼少期の写真

大雄 私の祖父が、アルツハイマー型の認知症になってしまったんです。一人暮らしが長かったことが影響した様でした。
その経験から「高齢者の孤独問題」を何とかできないか考える様になりました。
ほっしー なるほど。入学後はどんな取り組みがあったんですか?
大雄 誰のどんな課題なのか、その本質的な原因は何なのか?についてグループメンバーと討議を重ねました。
最終的には2行にまとめられるくらいまで、取り組むべきテーマを整理していきました。
ほっしー やはりソーシャルコンセプトが大切なんですね。その後はどんなことをされたんですか?
大雄 対象となる方々に直接案をぶつけて反応を聞いていくんですが、想定とは全然違う回答が返ってくることもありました。
実際の声を直接聞くことの大切さを実感できる工程でした。


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かけがえのない仲間と

ほっしー 大雄さんは第2期の卒業発表会でファイナリストになり、卒業後に起業もされています。ボーダレスアカデミーのよかった点など教えていただけますか?
大雄 本気でソーシャルビジネスを生み出そうとしている方々が集まっていました。毎週皆と会う時、空気が違ったんですよね。
熱もあり、透き通っていて、本当に居心地が良かったんです。
それぞれ別のテーマを追っていて、私が知らなかった世界もたくさん教えてもらいました。
ほっしー いい場だったんですね。
大雄 はい、卒業後もいい関係が続いています。たとえば卒業生の夫婦が運営しているマルシェが、コロナの影響で開催できなくなってしまっていたんです。それが再開できたと聞き応援に駆け付けたところ、他の卒業生たちも応援に集まっていて、図らずも同窓会みたいになりました。同じく卒業生で事業案のブラッシュアップ合宿を開催したこともあります。


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JAPANソーシャルビジネスサミットでのファイナルピッチの様子

ほっしー 絆を感じますね。
大雄 ただ私の事業自体は、うまくいかなかったんです。
今思うと、対象の方々の本音を 聞きとり切れていなかった。
徐々に資金も減って「このままではまずい」という時に、ボス(代表の田口)に30分だけ時間を取ってもらったんです。
相談の結果ボーダレス・ジャパンの社会人起業家枠に応募し、入社することに。
ビジネスモデルを考え直す機会をいただき、再チャレンジ中です。
ほっしー 何度もチャレンジできるのもすばらしいですね。
成功の扉が開くのを楽しみにしています!最後にボーダレスアカデミーに興味を持っ た方に向けてメッセージをいただけますか?
大雄 一歩踏み出すって難しいと思います。
でもボーダレスアカデミーは、その一歩をあたたかく迎えてくれて、何倍にもして返してくれます。私もここで人生が変わりました。ぜひチャレンジ してみてください!

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最後までお読みいただきありがとうございました。

今回のインタビューは、ボーダレス・ジャパンが月に2回発信しているボーダレスマガジンのコンテンツです。
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