「ベビー&キッズに特化したリユースショップ」POST&POST(ポストアンドポスト)が誕生してもうすぐ5年。
福岡の子育てママに“ポスポス”の愛称で親しまれるお店は、今や月間8,000組の家族連れで賑わう大人気ぶり。今回は、代表吉田さんにお店づくりにかける想い、事業のこれからについて語っていただきました。
今回話を聞いたのは・・・

photo POST&POST 代表取締役社長 社長
1982年 長崎県生まれ。 2015年「ごみ箱がない暮らし」を目指し、こども用品大型リユースショップPOST&POSTをオープン。
現在、福岡市内で3店舗を展開するほか、教育機関での講演活動も行う。自宅でもエコな暮らしを実践する1児の父。

photo 聞き手 ライター タニガワ
2018 年よりボーダレスグループの取材・執筆を担当。1児の母。4年前、リユースショップと知らずに偶然入ったポスポスでリユースとの衝撃的な出会いを経験して以来、すっかり同店のファンに。
月イチペースで通うユーザーでもある。



タニガワ まずは、POST&POST(以下、ポスポス)をご存知ない方のために、どういったお店なのかを教えてください。
吉田 ベビー&キッズに特化したリユースショップを福岡県下で3店舗展開しています。
185坪の広々とした店内には、こども服やベビー用品、おもちゃ、くつ、絵本などがずらり20,000点。この品揃えが一番の特徴です。
また、従来のリユースショップのイメージを変えたくて、【おしゃれさ・きれいさ・雰囲気の良さ】にこだわったお店づくりをしており、
最近では「ポスポスに出会って、リユースばかり買うようになった」「ポスポスだから、思い入れのあるベビー用品を売れた」というお声をいただけるようになってきました。お客様の間に立って、地域内でものの循環を生み出しています。


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(福岡エリアで展開する店舗 上:土井店/ 下左:長住店/ 下右:石丸店)

タニガワ 私も最初は、おしゃれなこども服のセレクトショップかと思って入ったので『え!これって全部、新品じゃないの?』と驚きました。
それまでリユースに何となく抵抗があったんですけど、ポスポスでは全く感じなくて。周りの友人たちも、お店の雰囲気の良さや商品のきれいさに驚いているようです。
吉田 僕たちの目的は「リユースを利用しない」子育てママの暮らしに、リユースを当たり前に取り入れてもらうことでした。
実はアンケートによると、子育てママのうち7割以上が『リユースを利用しない』と回答していて、その理由には「リユース=商品がきれいではないイメージ」が強くあることが分かりました。
事業をするうえでは、この7割以上のママに振り向いていただかないと意味がない。そこでまず他店にない徹底的なケアにこだわり、リユースのイメージを変えようと思ったんです。
それに、こども用品ってやっぱり単なるモノではなくて、ひとつひとつに成長の思い出が詰まっている大切なものなんですよね。
それを預からせていただくからには、きれいに生まれ変わらせてから新しい持ち主のもとへ繋ぎたい。それが僕たちの役割だと考えています。


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(買取後のベビー用品やおもちゃは“リボーンセンター”へ。専任のスタッフが部品を分解し洗浄、安心して使えるよう隅々までケア)

 

タニガワ そもそも、吉田さんがリユースショップを始めようと考えたのは、お子さんの誕生がきっかけだったと伺いました。
吉田 そうなんです。こどもが産まれたとき『この子の生きる未来や、その先の100年後ってどんな未来になっているんだろう』と思って、
環境問題について考えるようになったんです。実は、日本には世界の焼却炉の約70%が存在しているんですよ。
良い地球環境をこどもたちに残すためにはごみを減らさないといけない。
そのためには、使い捨てが当たり前、という今の暮らし方から『ものを大切に長く使う暮らし方』へ意識を変えられたらと思ったんです。
そのように社会全体の意識が変わっていくために、大きな影響を与える存在は…と考え行き着いたのが『子育てママ』だったんです。


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吉田 子育てしていると、それまでの価値観や習慣が大きく変わりますよね。食べ物とかお金の使い方、買い物の内容もそう。
そんな消費習慣が変わる子育て期に、リユースを当たり前に取り入れてもらえたら素敵だな、と。
そこで『リユースって良いな』と感じてくださったなら、口コミで多くの方にも広がっていくし、こどもたちにも伝わっていくでしょ。
そうすると多くの人の意識を変えていけるんじゃないかと思ったんです。そこでまず、使う期間が短いこども服やベビー用品に注目し、リユースショップを始めました。
タニガワ こどもの成長ってあっという間で、こだわって買ったベビー用品や洋服もすぐに使えなくなりますもんね…。
我が家にとっても、ポスポスの存在はそんな“もったいない”ものの行き先を見つけてくれるのでありがたいです。
最近では6歳の娘も「ポスポスに持っていって次のおともだちにあげる!」とおもちゃをきれいに使うようになりました。
吉田 それは嬉しいです(笑)ポスポスの存在が、「ものを大切にすること」を考えるきっかけになれたんですね。
不要になったものを新たな持ち主へと、地域のなかで捨てずにつなぐ役割をポスポスはこれからも担っていきたいと思います。

photo(店頭に並べられない商品はパートナー企業を通して海外のこどもたちに届ける活動も)


 

タニガワ 最近、Instagramを使った配信もされていますよね。スタッフさんのキャラクターが立っていて面白いです!
吉田 試行錯誤しながらですが、最近、Instagramのライブ配信に挑戦しています。
リユースのベビー用品は“1点もの”が基本なので、お客様へ「今日時点の最新の在庫状態を伝えられる」という点でライブ配信はピッタリなんです。
スタッフの皆も、商品の魅力を多くのお客様へ届けることができるので、緊張しつつもやり甲斐をもって頑張っています(笑)
それに、3店舗のメンバーがそれぞれチーム一丸となって撮影しているので、各店ごとの特徴が画面からにじみ出ていて。
僕は、ポスポスを始めたころを思いながら「それぞれの店舗に色が出てきて、皆で作るお店に育ってきたな~」としみじみ喜びを感じたりもしてて(笑)
是非、Instagramでそんなスタッフの様子や店舗の雰囲気も体感していただけたら嬉しいです。


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(入荷アイテム情報のほか、今後は店舗やスタッフのこと、環境についても更新されていくとか)

タニガワ 今はなかなか外出できない状況なので、ライブ配信でお店の雰囲気が体験できるのは嬉しいですよね。
最後に、ポスポスのこれからについて教えてください。


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吉田 POST&POSTという名前は、受け取る人への想いを託される“郵便ポスト”のように、ものを大切にお預かりし次の持ち主へ届けるという意味があります。
いずれは現在のリユース事業に加えて、クリーニングや修理の事業もできたら。
特にベビー用品って、汚れたり壊れたりしても修理してくれるところがないという理由で捨てられることも多いので、僕たちがそこまで出来たら、さらにものを大切に長く使うことに繋げられると思うんです。これからもポスポスは、お客様にとっての“暮らしと環境”を考えられる場所であり続けたいですね。
そしていつか全国各地にポスポスをオープンさせ、リユースを子育ての当たり前に出来たらと思っています。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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