ケイスケ |
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ボーダレスリンクが解決を目指す問題を教えてください。
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ともろー |
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ミャンマーの人口70%以上(約3000万人)は農村部に住んでいますが、その大半の小規模農家が特に貧困にあえいでいます。電気がひけない、学校にいけないどころか、子どもが低体重症や発達障害になってしまうというケースが、年間収入約10万円と言われる低い農業収入が原因で起こっています。
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ケイスケ |
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そんなに低いんですね!?その問題を引き起こしている要因は何ですか?
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ともろー |
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以下のの4つの分野で、小規模農家と都市部農家に圧倒的なギャップがあることです。
「資材」・・・都市部で当たり前に手に入る農業資材が手に入らない
「お金」・・・マイクロファイナンスなど正規に借り入れるルートがない
「情報」・・・季節に合わせた種の選び方や適切な肥料・農薬の使い方など農業技術の情報やノウハウが足りない
「マーケット」・・・地域ごとのブローカーに、販売価格や生産する品目を依存している
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ケイスケ |
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これらは都市部と比べて、小規模農家へのアクセスが悪かったり教育リテラシーが低いことが原因のようにみえますね。
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ともろー |
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十分な教育を受けられないので、農薬のパッケージが読めなかったり、まず「外に新しいものがあるかもしれない」という感覚がないんですよね。都市部と比べてアクセスがよくなく小規模なので、”効率がよくない”ことから誰も手を差し伸べないところなんです。だからこそ、そこにソーシャルビジネスの価値があると思っています。
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ケイスケ |
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そこでボーダレスリンクの出番ですね!
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ともろー |
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はい!2ヶ月間の現地調査の結果さきほどの4つの要因がわかり、それらが密接に絡み合っていることがわかりました。「結局全部を一緒に変えないといけない」ことにたどり着き、『農業トータルサポート』を開始したんです。
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ケイスケ |
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なるほど!農業のワンストップサービスのようなイメージですね。具体的に教えてください!
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ともろー |
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地域には30〜50の村が集まっていますが、その中心地に「アグリセンター」という様々なリソースへの窓口を作りました。ここで「適正価格の資材」「利子の安いマイクロファイナンス」「質の高いコンサルや技術指導」「作物販売」を提供しています。
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ケイスケ |
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さきほどの4つの要因にそれぞれドンピシャで解決策を提示していますね!すごい!
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ともろー |
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最近では、機械レンタルも始めています。今は小さな収穫機械やハンドトラクターしかありませんが、今後は脱穀機や大型トラクター、ハーベスター、コンバイン、種植機など、これまでにない効率性を高める機械のレパートリーも増やしていきたいですね。
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ケイスケ |
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さきほど教育の話で、小規模農家さんには「新しいものがある感覚がない」とありました。その中で”外からの新しい存在”であるボーダレスリンクがどのように農家さんに受け入れられていったんですか?
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ともろー |
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事業戦略としてマイクロファイナンスから入っていきました。それまでブローカーへ払っていたのは月利5%でしたが、僕たちのマイクロファイナンスでは2%で済みます。払う分が少なければ実利でこちらに目を向けてくれますよね。たくさんの「やってみて」を通して、根気よく言い続けています。
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ケイスケ |
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そこから少しずつ信頼度を高めていったんですね!ソーシャルインパクト(社会問題をどれだけ解決できているかを測るボーダレス独自の指標)はどのように測っていますか?
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ともろー |
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「ボーダレスファーマー制度」というものを導入しています。「マイクロファイナンス」「肥料デリバリー」ワークショップなどの「技術サービス」の3つのサービスが受けられる会員サービスで、これに加入してくださる農家さんの数を指標にしています。加入の条件として、アグリセンターが提供する有機肥料を最低4俵使ってもらうことです。
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ケイスケ |
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条件があるんですね!?
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ともろー |
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僕らが目指しているのは、今の人たちだけの幸せや収入を上げることではなく、「持続可能的に子ども達の世代までいい土を残して、子どもの世代までが幸せになる社会」です。例えば化学肥料を使えば収穫量が増えて収入が上がるようにすることもできますが、ちゃんとした有機肥料で土を良質に保ち、次の世代まで引き継いていく。そのために有機肥料を使うことを条件としています。
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ケイスケ |
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ともろーさんの今後のビジョンを教えてください!
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ともろー |
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「縦」と「横」の動きの2つあります。まず縦の動きとして、現在のサービスをベースにさらに付加価値の高いサービス提供をしたいです。例えば、作物販売や作物提案、契約栽培の仲介、作物保険の提供(虫がわいて作物がやられてしまったときなどに適用される保険)、また一番遅れが顕著な機械レンタルも農薬散布用ドローンを導入するなどやっていきたいですね!
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ケイスケ |
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これが「縦」ですね。「横」の動きはいかがですか?
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ともろー |
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現在60の村に農家さんが2000人いる中で、ベースを整え黒字化をしていきながら、今年の8月あたり一気に横展開をしていきます。現在2店舗あるアグリセンターを、2020年度は+4店舗、2021年度に+10、2022年度に+50店舗の拡大を目指しています。
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ケイスケ |
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すごいペースですね!まさにこれまでの「創業期」から「第二次創業期」に入っていくイメージですね。
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ともろー |
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ミャンマー は過去70年間で紛争が絶えず植民地や軍事政権時代を通して135もの民族がバラバラになってしまいました。この現状を変えていきたいんです。言葉も宗教も文化もバラバラな民族がボーダレスリンクの全国展開の中でいろんな民族が手を取り合うミャンマーを作りたいですし、ボーダレスリンクが将来のミャンマーの姿の縮図として表したいです!
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ケイスケ |
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それこそまさに『ボーダレスリンク』ですね!!
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ケイスケ |
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さて、お待ちかねの本題ですね!今回はボーダレスリンクとして経営者を募集しているということでした。経緯を教えてください。
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ともろー |
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僕がミャンマーで成し遂げたいのは、ソーシャルビジネスをやりたいという起業家のためのプラットフォームをミャンマーで創ることです。例えば今は農業ソリューションとしてボーダレスリンクとボーダレスファームがあります。 |
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ケイスケ |
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そして今後、様々な分野に取り組める社会起業家をミャンマー内に増やしていくということですね。
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ともろー |
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はい。サービス系や人材系などいろんな分野の事業を作ることで、本当の意味でミャンマーの人たちが人生に選択肢を持ち、より良い社会が実現できると思っています。僕はその実現を目指して「ボーダレス・ミャンマー」を作りたいんです。
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ケイスケ |
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「ボーダレス・ジャパン」ならぬ「ボーダレス・ミャンマー」ですか!?
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ともろー |
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そのためにも、今回はボーダレスリンクという一事業を任せられる人を募集したいんです!僕自身は決してミャンマーやこの事業から離れたいというわけではなく、ミャンマー全体をよくしていく仕組みづくりをしてきたいんですよね。
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ケイスケ |
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ボーダレスリンクどのような方に応募してきてほしいですか?
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ともろー |
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これから第二創業期として一気にスピード感が出てくるので、この動きを率先して作っていきたいと思える人、このソリューションやリソースを使って一気にミャンマー中を駆け巡ってやっていくという勢いのある人がいいですね!僕自身はミャンマーに思い入れがありましたが、ミャンマーに限らず東南アジアや貧困農家さんのためにやりたいという熱い思いがある人も大歓迎です!
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ケイスケ |
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受け身だったり教えてもらうことを前提にしていると、置いていかれてしまいそうですね(笑)。
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ともろー |
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そうですね(笑)。僕が2年間かけて引き継ぐことを考えていますが、修行期間のように捉える中途半端な人ではなく、その期間中に自らぐいぐい仕事を取りにいって自分から社長になるような気概のある人が合うと思いますね。 |
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ケイスケ |
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ミャンマーの人々の気質も参考になるかもしれません。彼らはどのような人柄ですか?
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ともろー |
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もちろん一概には言えませんが、僕の会社の現地メンバーでいえば、とてもオープンで人と人との間に距離を作らない人が多いです。だから、よく僕らが使う言葉で言う、「けつの穴を見せられるか」がとても大事だと思います。言い方は少し汚いですが、でも自分の恥ずかしい部分や弱い部分を隠さずに、仲間と共有し、共に前に進むことができる人がぴったりだと思います。青春好きの人ですね!ちなみにミャンマーでは日本とは違い全裸で入浴したりすることはご法度なので、本当に見せることはありません(笑)。
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