ボーダレス・ジャパン代表の田口が6年振りに自ら陣頭指揮を執る事業「ハチドリ電力」が4月16日にスタートしました。早くも大反響をいただいているこの事業について、田口に立ち上げの背景や事業内容、思いなどを聞きました。

 

今回話を聞いたのは・・・

  ローカルフードサイクリング株式会社(LFC)
社長・たいら由衣子   ローカルフードサイクリング株式会社(LFC)
社長・たいら由衣子
1980年福岡県生まれ。大学2年時に、発展途上国で栄養失調に苦しむ子どもの映像を見て「これぞ自分が人生をかける価値がある」と決意。株式会社ミスミに入社後、25歳で独立しソーシャルビジネスしかやらない会社ボーダレス・ジャパンを創業。2019年には日経ビジネスが選ぶ「世界を動かす日本人50」に選ばれる。

 

ライター エミ   聞き手 ライター エミ
フリーライター&エディターとして数千人を取材。ボーダレスの理念や活動に感銘を受け、客観的な視点で情報を発信している。
 

CO2排出の
大きな原因である火力発電

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エミ   さっそくですが、「ハチドリ電力」はどんな事業でしょうか?

     
田口   自宅や会社などに電気を届ける事業で、3つの特徴があります。まずは自然エネルギー100%の電気を供給することによって、地球温暖化の対策になります。また、毎月の電気料金の1%が、自分が共感する社会活動の支援になります。さらに利用料金のもう1%は、自然エネルギーの発電所を増やすための基金になります。

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エミ   おー、3つとも興味深い。電力会社を切り替えることで、地球温暖化の対策になるのですか?
田口   はい、地球温暖化を防ぐには、CO2を削減することが大切ですよね。では、どうすればいいか。日本全体で見ると、CO2排出の原因の41%がエネルギー転換部門、つまり発電です。家庭からのCO2排出量の実に48%が電気によるものです。日本の発電の8割が火力発電なので、CO2排出の大きな原因は発電にあると分かっています。そのため、世界的に火力発電を廃止・縮小しようという動きがある中、日本は現状維持、もしくは増やすと発表して世界から非難されているんです。
     
エミ   地球温暖化対策に前向きでない国に対して、非難と皮肉を込めて送られる「化石賞」を何度か受賞していますし…。
     
田口   そうなんです、政府の方針として「減らさない」という発言をテレビで見て、「え、何言ってるの!?」と驚きました。
     
エミ   そこで火がついたと。
田口   グローバルな動きに逆行するのを見過ごすわけにはいかない、僕らがやらねばいかんと決意しました。

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引用元:全国地球温暖化防止活動推進センター

エミ   とはいえ、電力の話は難しそうです。
     
田口   意外とシンプルで、自宅の電気を火力発電による電気を提供している現在の電力会社から自然エネルギーを提供している会社に契約を切り替えるだけです。調べてみると、2016年に電力自由化になったものの、電力会社を切り替えた家庭は2割ほど。では残り8割が無関心かというとそうではなくて、電気を変える検討をしたことがない人がほとんどです。



僕のまわりでエコ活動に関心がある人たちに聞いても「電気はそのまま」という感じで。「地球温暖化を防ぐために、電気を切り替えることがとても有効な手段である」ということを多くの人が知らない現状が分かったんです。だから、家庭やお店や会社で使う電気をみんなが自然エネルギーに切り替えたくなるような電力事業を始めようと考えました。
     

ウェブに入力するだけで切り替え完了!

電気代には利益を乗せない!?

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エミ   電力自由化になったとき、「切り替えれば安くなる」みたいなCMが多かったけど、8割は切り替えなかったのですね。
     
田口   そうなんですよ、「お得」でも人は動かなかった。「地球温暖化を止められる」と伝えれば、エコ意識が高い人は切り替えてくれそう。でも、さらに多くの人に訴えるためにどうすればいいか、とにかく考えました。電気を切り替える目的って何だろう?って。

そのときに、もしも自分が共感する社会活動をしているNPOやNGOなどに毎月払う電気料金の1%が自動寄付されて応援できる仕組みがあったら、そのために電気を切り替える人が増えたら、素敵だなと思いました。日本は寄付する習慣があまりないので、電気を通して、NPOやNGOなど社会のために頑張ってる人たちにしっかりお金が回る社会がつくれたらいいなと。
     
エミ   電気料金で社会のために活動する人を応援する。新しい支援の仕組みですね。ただ、電力の切り替えは、面倒な印象があります。
     
田口   いえいえ、ウェブで必要な項目を入力するだけ。5分ほどで完了します。今、契約している電力会社に「解約します」と電話する必要もなく、こちらから元の電力会社に連絡する仕組みなんですよ。

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エミ   えー、知らなかった!元の会社に電話して断るのが嫌だなと思ってました…。手数料などはかかるのですか?
     
田口   登録手数料や解約手数料、契約年数のしばりも、ハチドリ電力は一切ナシです。
     
エミ   気になる電気料金は?
     
田口   僕らが届けるのは自然エネルギーで、オーガニックのJAS有機認証のように、FITという非化石証明書の認証代がかかります。その分、一般の電気代より少しだけ高くなる。それでも、少しでも安く電気をお届けするために、僕らは電気代に一切利益を乗せません。
     
エミ   んっ!? 普通の会社は仕入れた金額に利益を乗せることで、儲けますよね。ハチドリ電力にも人件費や経費はかかるのに、どうするのですか?

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田口   僕らの収入は、ハチドリ会員としての月会費500円だけ。電気から利益をとっていないから、どんだけ電気を使っても僕らの収入は増えません。みんなが家計の負担なく自然エネルギーを選べるようにベストを尽くしました。ぜひ公式サイトから料金のシミュレーションをしてみてくださいね。
     

一人ひとりは“ひとしずく”でも

集まれば必ず社会は動いていく

エミ   社会のために頑張る人や団体に電気料金の1%を寄付する仕組みもいいですね。寄付先を自分で選べますし。
     
田口   4/17のサービス受付開始時点で十数団体を寄付先として登録しています。子どもの貧困や社会福祉、環境、動物愛護など、いろんな社会課題を対象にしたいと思っていて、どんどん増やしていくつもりです。
(支援先一覧はこちら


とても素敵な活動をしている人たちを見て応援したいと思っても、実際に財布を開いて毎月1,000円、3,000円を寄付するとなると、家計のことを考えて躊躇してしまう人は多いですよね。財布を開いて毎月1,000円、3,000円を寄付するのは、家庭がある中で大変です。でも、毎月の電気料金の1%なら気軽に始められるのではないでしょうか。


電気料金が月8,000円なら、1%は80円にしかならない。ただ、1年間では1,000円以上になり、そんな人が1,000人いたら100万円になります。電気代とは別に、月500円〜の上乗せ寄付もできるようになっています。みんなで応援すれば決して小さい額ではありません。

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エミ   電気料金のもう1%は発電所を作る基金になるというのは?
     
田口   再生可能エネルギーの発電所を増やしていくためのハチドリ基金です。ハチドリ電力と契約してもらうと、今、再生可能エネルギーを使ってCO2を抑えられるのと同時に、新たに自然エネルギーの発電所を作る活動にも出資していることになります。
     
エミ   すごい仕組みですね。ちなみにハチドリ電力のサービスエリアは?
     
田口   離島と沖縄は今のところ難しいけれど、それ以外は全国どこでもOKです。まずは日本の全世帯のうち10%が契約してくれるような電力事業を目指します。

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エミ   最後に、「ハチドリ電力」という名前の由来について教えてください。
     
田口   「ハチドリのひとしずく」という南米エクアドルに伝わる物語から名付けました。山火事が起こったとき、ライオンやトラやウシなど動物たちが山から逃げていくのに、ハチぐらいの小さなハチドリだけはクチバシに水を含み、何度も山に向かっていく。「火を消しに行く」という彼を、他の動物たちが「そんなに小さな体で行っても、何にもならない」と笑っても、彼は自分にできることをやり続けた、というお話です。僕はその思想が非常に素晴らしいと感動したんです。
ぜひこの動画をご覧ください。

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田口   今回、地球温暖化という大きな課題に対して、自分が電気を切り替えることはハチドリのひとしずくかもしれない。電気料金の1%で社会活動を支援することも同じ。けれど、何もやらないよりはやった方がいい。自分にできることをちゃんとやる、その積み重ねが社会を動かすと僕は強く信じています。電気を切り替えるだけで家庭から出しているCO2を半数近く減らすことができて、それを実行する人が増えれば、大きなしずくになる可能性は十分にあります。ぜひみんなで始めませんか。
     

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