2019.10.24 「消滅可能性都市をなくす!」をミッションに掲げるきら星の”非効率”なソリューションとは? ボーダレスマガジン Vol.5 ボーダレスマガジン 社会起業家ボーダレスジャパンボーダレスマガジンソーシャルビジネスきら星湯沢町JSBF消滅可能性都市長野 新潟県にある湯沢町で今年2月に産声をあげたきら星株式会社。 「消滅可能性都市をなくす」というミッションを掲げ、誰もが好きな場所で輝ける社会を思い描きながら力強く活動されている伊藤綾さん(以下、モヤさん)に、きら星のサービス「暮らしごと」を通して実現したい社会について伺いました。 大学生の頃から携わりたかった「まちづくり」に起業家として、そして2児の母として取り組んでいらっしゃる伊藤綾さん(以下、モヤさん) インタビューでは、とても強い芯を持ったパワフルな一面と、力みのない柔らかな一面が見えてきました。 半年ほど前からライターとしてボーダレス・ジャパンに携わる大阪出身の関西人。 自身も福岡に移住した身として今回のインタビューを行いました。 きら星が担うのは、地方自治体のプロフェッショナルパートナー ケイスケ 可愛い息子さんとご一緒にありがとうございます! モヤ こちらこそ!きら星に焦点を当てていただいて嬉しいです。 ケイスケ さっそくですが、きら星のミッションを教えてください。 モヤ ミッションは、「消滅可能性都市」をなくすことです。人口減少が原因で、2040年までに896の自治体が消滅する可能性があるといわれています。 ケイスケ どんな方法でなくすんでしょう? モヤ ソリューションは「地方に人を増やす」こと。そのためきら星は、地方自治体のプロフェッショナルパートナーとして移住促進や職業紹介をしています。 ケイスケ 職業紹介などは他にもありますが、地方自治体のプロフェッショナルパートナーというのはユニークですね。 モヤ そうですね。これには地方の自治体ならではの「人手不足」という課題が関係しているんです。 例えば、地方への移住を考える場合、「住まい」と「仕事」という2点を解決する必要があります。 ケイスケ 僕だったら住まいは自治体に、仕事は転職エージェントなどに相談しますね。 モヤ それがよくあるパターンです。そして同じくよく起こるのが、「紹介先のたらい回し」。 ケイスケ ええ!ただでさえ、知らない土地に移住することで不安なのに。 モヤ そうですよね。でも自治体は人手が少なく一人一人に時間はさけない。転職斡旋企業も地方のことはよくわからないからいい提案が出来ない。それぞれに理由があるんです。 ケイスケ そこできら星が自治体と協力してこの問題を解決しよう、というわけですね! モヤ そうなんです!そう思って自治体に提案したところ、自治体の方も喜んで応じてくれました。 その結果、この半年間で40件の相談を受け、2名の移住が決まったんです。 ケイスケ きら星の利用者も着々と増えてきているんですね。利用者がきら星を選ぶメリットはなんでしょう? モヤ 1つは、先ほどの「住まい」と「仕事」を一括してご紹介できることですね。だから事業名も「暮らしごと」です。 ケイスケ 分かりやすい!これで自治体と職業紹介会社をたらい回しにされる心配もなくなりますね。 モヤ もう1つは、効率を度外視して寄り添うこと。時には一人に15時間くらい割くこともあります。 ケイスケ そんなに非効率だと、ビジネスにならないのでは...? モヤ 非効率だから、誰もやりたがらず、放置されているんです。でもそれでは社会問題が解決されない。だからこそ、きら星が取り組んでいるんです。 ケイスケ なるほど。まさにソーシャルビジネスですね。 環境が変われば、「死んだ魚の目」から人は変われる! ケイスケ 実はずっと気になっていたのが、「きら星」という会社名。どんな想いが込められているんですか? モヤ 私、きら星を起業する前までは、関東に住んでいたんです。そこでは、ただ仕事をするだけの日々に疲れ果て、「死んだ魚のような目」をしている人たちをたくさん見ました。そんな人たちに、もっと輝ける場所を見つけてほしい。そんな思いを込め、「きら星」にしました。 ケイスケ つまり、場所を変えると人は輝けるんじゃないかと? モヤ はい。実は私、中学生のときに荒れてたんですよ。授業に出なかったり、先生に反抗してヤモリを先生の下駄箱に入れるとか、小学生レベルのいたずらをしてました。(笑) ケイスケ これまたすごいことやってましたね。(笑) モヤ そんな自分を変えたくて、高校は地元とは全く違う所に進学したんです。寮生活など新しい環境で全く違う自分に変われた原体験から、 人はだれでも環境が変われば変われるという信念を持つことができました。その体験をみんなにしてほしいんです。 ケイスケ なるほど。そして地方が環境を変える選択肢の一つになれば、「移住する人」も「輝く人」も増えるということですね! モヤ そういうことです!町の色って、そこに住む人たちの色だと思うんです。おもしろい人が集まればその町は輝く。輝ける人たちを地方に点在させて、それぞれの町の特色を輝かせたいという思いがあります。 きら星が実現したい社会とは? ケイスケ 最後に、モヤさんが実現したい社会について教えてください。 モヤ 湯沢町だけに限らず、誰もが好きな地域で暮らせるような社会を実現したいです。 田舎に住みたい人は田舎に、海が好きな人は海の近くに、という具合に。 ケイスケ 日本全国でそれが実現すれば素敵ですよね! モヤ そうなんです!今は湯沢町でやっていますが、その社会の実現に向けて、いろんな自治体さんと一緒に動きたいと思っています。そして輝く人たちがたくさん住む魅力的な街が溢れていけば、消滅可能性都市なんて、過去の言葉になっていくと思っています。 ケイスケ ありがとうございます!これで地方への移住や、消滅可能性都市の問題に興味を持ってくれる方が増えるかもしれませんね!もっと詳しく知りたい場合はどうすればいいですか? モヤ 移住に関するご相談は随時受け付けています。事業に関心を持ってくださった方は、こちらのきら星のお問合せページからご連絡ください。 11/16に湯沢町でイベントを行うので、そこでお話しもできます!地域の後継者問題に関するイベントなので、ご興味ある方はぜひこちらをご覧ください。 ケイスケ さっそくきら星のFacebookをフォローしました!随時情報更新を楽しみにしています! モヤ オンライン説明会なども随時行っているので、ぜひ弊社のホームページをご覧ください。みなさんとお会いできるのを楽しみにしています!