2019.10.09 新卒2年目の副社長に聞く!社会問題を解決するアプリ開発の裏側。 ボーダレスマガジン Vol.4 ボーダレスマガジン 社会起業家ボーダレスジャパンボーダレスマガジンソーシャルビジネス世間関心メディアニュース ボーダレス初となる『アプリ事業』を展開するTomoshi Bito(トモシビト)株式会社。 社会問題が他人事にならない社会へ、という大きなテーマを抱えリリースしたアプリ『どっち』は、大きな話題となり、あっという間にユーザー数が1万人を突破するまでに。ところが最近、名称も新たにリニューアルしたとの噂を聞きつけ、その理由や新たなコンセプトについてじっくり話を聞いてきました。 「社会問題を知ってもらうこと」をテーマに中学時代からの同級生・代表廣瀬(以下、ヒロセ)と2019年2月に起業。まっすぐ前を向いて事業のビジョンを話す姿は頼もしく、なんだかとても楽しそう! 身近にある問題を、言葉の力で良い方向にもっていけないか、と模索中。『どうしたらもっとよくなる?』を考えるのが、もはや癖(たまにお節介)。関心ごとはこどもの未来と子育て中の社会問題。 僕の使命は、行動するひとを増やすこと タニガワ 早速ですが、『Tomoshi Bito』の2人って目立ってますよね(笑)。新卒2年目のフレッシュさ、軽快な関西弁、そして身長のデカさ!(笑) 息もぴったりですよね。 フジタ 学生時代に2人とも社会問題について関心があり、将来のビジョンをあれこれ話してはいましたけど、まさかこうなるとは1ミリも思っていなかったんです(笑)。現在はプロモ―ションなどのフロント部分をヒロセ、コンテンツの中身の部分を僕、フジタが分担してやってます。 タニガワ そもそも、社会問題への関わり方としてアプリ事業を選んだことにはどんな理由があるんですか? フジタ 僕は学生の頃、支援団体で活動をしていましたが、思えば最初に社会問題を「知った」ことがきっかけとなってガラリと自分の行動が変わったんです。だから、行動する人を増やすために、まずは知ってもらうことが自分の使命だと思っています。そのために、情報を多くの人々へ配信できる「アプリ事業」でスタートしました。 タニガワ このアプリ、私も移動中にトピックをチェックするのが習慣となってます。ところで今回、定着していたものから「Social Post」に名称を変え、リニューアルをしたのはどうしてですか? フジタ 半年間、運営していて課題がいくつか出て来たこともあります。でも実は、大きな決め手となったのは『参院選2019』なんですよね。 タニガワ え!参院選が?!どういうことですか フジタ 今回の参院選の投票率は48.8%ーこれは戦後2番目に低いそうです。海外の先進国では80%を超えるところもあるなか、日本のこの数字にはやっぱり衝撃を受けました。「日本、やばない?民主主義の国なんやし、もっと意見言おうや」って。 ※引用元:時事ドットコムニュース タニガワ 知りませんでした。今回の参院選の時期は「選挙に行こう」というSNS投稿を多く目にしたし、メディアも若年層に向け投票を呼び掛けるなど力を入れてた印象だったんですけど、そこまで低かったとは… フジタ あくまでも投票率はひとつの指標に過ぎないんですが、でもこれがリアルな日本の現状。でも、僕らの目指しているのは「社会問題の解決を他人任せにしない世の中をつくること」なんです。 それまで、僕らがユーザーさんの中心として意識していたのは、社会に対して自分の意見を持っていない“未認知”の人でした。 フジタ でも未認知の状態から関心を持ち、行動するまでにはハードルがあまりに高く、このままでは社会を変えるのに時間がかかってしまうという壁に当たったんです。そこで僕らは、意を決し、“社会に対して関心を持っている人が自発的に行動できるプラットフォームになる”という方向性へと舵を切りました。 タニガワ “変えやすいところから変える” 今までよりもスピード感を意識したということですね? フジタ そうです。このアプリによって様々な社会問題を知り、理解を深める。そして行動する人を増やすことを目指しています。 社会問題をなんとかしたい― 行動の『きっかけ』を作り出すアプリに タニガワ たくさんのニュースアプリがありますが、そのなかでもSocial Postにしかない特徴や、私たちユーザーにとってのメリットについて教えてください。 フジタ 一番の特徴は、社会問題に特化したカテゴリの構成ですね。その問題についてのニュースを膨大な数のサイトから集め、独自の切り口で厳選し、配信しています。また、各カテゴリには「オピニオンリーダー(その分野の有識者)」によるコメントを公開しています。ユーザーさんが記事と合わせてコメントを読むことで自然といろんな見解を知り、自然とその社会問題への理解を深めていくことができたり、関心の幅を広げやすいよう設計しています。 タニガワ いつもトピックの切り口が独特で、思わずクリックし長く読み込んでしまっています。ニュースを選ぶ際に気を付けていることはありますか? フジタ できるだけ中立性を保つこと、表現がより分かりやすいこと、あとは「これは知ってほしい」という埋もれている社会問題こそ、本質を知れる記事を配信するように気を付けています。 タニガワ そういえば私も、スマホを持つようになってからというもの、関心のあるニュースをパパっとチェックするだけになっています。自分が知らないニュースのなかに、知っておくべき社会問題が埋もれているのかもしれないですよね…あと、気になってたんですがコメントの返信機能がない、というのはなぜですか?ツイッターみたいに活性化しそうな気がしますが。 フジタ コメント返信機能をとったのは、いわゆる“炎上”を避けるためです。それを目にすることで「うわ、やっぱ言うのやめよう」って大切な意見を胸にしまい込んでほしくないんです。僕らはコメントしてくれた人の「小さな勇気」を大切にしたい。気軽に意見できる場にしていくことを優先しています。 タニガワ たしかに…!コメントへのハードルを下げてくれますね。他にも独自の取り組みをたくさん企画されてますよね。特に、先日公開したばかりの“SOCIAL CHANGEのはじめかた”、山本さんのことはニュースで知っていましたが、Social Postらしい切り口でさらに理解が深まりました。 フジタ これは山本さんのように問題意識をもって実際に行動を起こした人にフォーカスし、その方法について取材していくオリジナルコンテンツで、今後、第二弾、第三弾、と継続していく予定です。 『SOCIAL GHANGEのはじめかた』 「ヤレる女子大生ランキング(日刊SPA!12/25号)」記事に声を上げ、5万人の署名を集め週刊誌との対談を実現した山本和奈さんを取材 フジタ ユーザーさんが、いままで関心のなかった社会問題について「うわー!知らんかったわ!でもそれって確かに問題や」って認識すること。その一歩って本当、大きなものだと思うんです。その興味の幅を広げるきっかけをSocial Postという場所で作っていきます。社会問題ってひとりでは決して解決できない。でも、いろんな人たちが意識をもつことで良い方向に流れていくはず。その最初の一歩を踏み出す背中を押せたらなと思っています。 立ち上がった2人の青年がこれからやろうとしていること 「社会問題が他人事にならない社会をつくる」そのためにどうすれば届くのか。連日連夜、藤田さんと膝を突き合わせてやってきた仲間、Tomoshi Bito代表 廣瀬智之さんにも話をききました。 タニガワ Social Postは、学生さんからご年配の方まで大きな反響があり、連日「社会の問題に関心のある人」が集まってコメントが書き込まれています。社会をもっと良くしたい、そんな思いをもったユーザーさんにとって Tomoshi Bitoってどんな存在でありたいですか ヒロセ 社会の問題に対して、解決したい、何か行動したい人って僕、シンプルにとても“やさしい人”やと思うんですよね。誰かを思いやる、感受性が豊かなぶん、ナイーブだったり弱い部分がある人も多い。だからこそ、そういう人が自分の意見を閉じ込めず、孤独にならないことが大切やと思うんです。だからTomoshi Bitoは、そんな想いを持った人の集まる船でありたいと思っています。この船から声を発して、行動を起こす人を増やし、そしていずれは問題が取り残されない社会を実現していきたいと思っています。 最後に、インタビューを終え席を立とうとした2人に、社名の由来について聞いてみました。 『この灯火というのは『社会問題を解決していこう、と思った人の小さな火(想い)』のことなんです。一人一人の火はとても小さいけれど、それを持った人がその火を絶やさずに集っていくことで、やがては大きな炎となって、社会問題を解決する原動力となる、そんな意味を込めたんです。』 と笑顔で答えてくれました。そんな願いを込めたTomoshi Bitoはいま、船をリニューアルして、より早く大きく、進んでいこうとしています。