新卒で入った会社を3年以内に辞める若者は3割以上。転職への抵抗感が少なくなったことや、転職そのものが簡単になったことが理由としてよく挙げられますが、それとは少し違った事情を抱える若者たちがいます。

児童養護施設出身の若者たち。
施設を出て就職後、7割が2年以内に離職する―そんなデータがあります。

全国に約600ある児童養護施設では、2~18歳の子ども約3万人が共同生活を送っています。戦後は両親の行方不明・父母の離婚を理由に入所する子どもが多くいましたが、今では、両親の虐待と精神疾患が理由の多くを占めているそうです。

18歳で「強制退所」。就職の選択肢が圧倒的に少ない

18歳で「強制退所」。就職の選択肢が圧倒的に少ない

児童養護施設出身者の離職率がこれほど高くなる背景には、大きく2つの事情があります。

1つは、学歴による選択肢の少なさです。児童養護施設の子どものうち、大学や専門学校に進学する子どもは2割程度と言われています。つまり、大半の子どもが中卒または高卒で働き始めます。また、高校生の就活は「1人1社制」とも呼ばれ、大学生に比べて厳しい制約が課せられています。たとえば東京都で高校3年生が就活をすると、9月中は1社にしか応募できません。一方で、ほとんどの企業が9月中に採用活動を事実上終えます。この仕組みによって、志望する業種や企業への就職が難しくなります。

そしてもう1つが、養護施設にある年齢制限です。高校を卒業すると、原則、その養護施設を出なければなりません。中卒・高校中退でも「学校に行かないなら仕事を探すべき、仕事が見つかった=自立だから退所」となります。そうすると、自分に合う仕事かどうかよりも「どこでもいいからまず仕事を始める」ことが重要になり、十分検討せずに就職するケースが多くなります。

このように、中卒・高卒というだけで職業の選択肢が少なくなるのに加えて、施設を出て自立することを早い段階で求められるという事情も重なり、就職すること・その職場で継続して働くことが難しいという現状があります。

離職をくり返す先に待ち受ける現実

離職をくり返す先に待ち受ける現実

苦労してやっとみつけた最初の職場で上手くいかず、社会人生活を「離職」という失敗体験からスタートしてしまうと、働くことへの恐怖と諦めから2回目以降の離職へのハードルが下がりやすくなります。

離職を繰り返すと正社員での就職はさらに難しくなり、収入を安定させるためにアルバイトを掛け持ちして健康を損ねたり、身体・精神的負担が大きい性産業や肉体労働に流れたりする子どもも少なくありません

たとえば、23歳のYさんのケース。

高校卒業と同時に養護施設を出て、マンションのリフォーム会社に営業として就職しました。Yさんは真面目に働きましたが、長時間残業が常態化していて夜中でも休日でも関係なくお客様や取引先からの電話に追われる日々。体力・精神ともに限界を迎え、転職を決意しました。その際、自分には営業しかできないと思いこみ、同業界・業種の会社を選択。2社目の職場環境は1社目よりも悲惨で、同期が次々に辞め、自身も2ヶ月で辞めてしまったのです。

正社員で就職するのは難しいと判断したYさんは、現在はアルバイトとして2つの飲食店と24時間営業の小売店で早朝から夜中まで働き、休みは週1回という状態です。

短い期間で離職を繰り返す彼らは「本人の根性がない」「働く意欲が低い」「能力が低い」というレッテルを貼られ、自己責任と言われがちです。しかし、その原因は本人だけにあるのでしょうか?

最大の原因は、選択肢の少なさと性急に決めざるをえない事情からくるミスマッチにあります。働きたい気持ちはあっても、環境差によって就職につまずき、1度つまずくと戻れなくなってしまう負のスパイラルに陥ってしまうのです。

もちろん、児童養護施設の出身者の中には大学に進学する子もいますし、最初に就職した会社で元気に働いている子もたくさんいます。一方で、一部でも、厳しい状況にある子がいるのが現実です。

私たちにできることとして、彼らに目を向け、育て、仲間として共に働くという選択肢があります。

ボーダレスキャリアが考える2つのソリューション

ボーダレスキャリアが考える2つのソリューション

働く意欲はあるにも関わらず、環境に左右されて1ヶ所で働き続けることができなかった、という子どもたちが自分に合う職場と出会えたら、離職をくり返す負のスパイラルを抜けることができます。

ボーダレスグループで去年立ち上げたソーシャルビジネス「ボーダレスキャリア」は、児童養護施設出身者など、社会的養護の子どもたちの就職に伴走し、自分に合った職場を見つけて働き続けることをサポートする事業です。環境差によって就職につまずいた若者を育てる気概を持った企業を、社会的養護の子どもたちに紹介しています。

ボーダレスキャリアでは、若者の仕事のミスマッチをなくすには2つの方法があると考えています。

その1つが「ステップ就職」という仕組み。いきなり就職するのではなく、職場見学会や仕事体験を経てお互いの相性を見極めてから、正社員になることができます。(ステップ就職とは?

しかし、この仕組みがあるだけでは、問題は解決しないと考えています。働く意欲のある若者を育て、共に働こうと受け入れる企業を「神企業」と定義していますが、この企業の存在がなければ、ステップ就職は成立しません。

ボーダレスキャリアでは、日本で見過ごされがちなこの問題の渦中にいる子どもたちを受け入れ、共に問題を解決していくパートナー「神企業」を募集しています。

働く意欲のある社会的擁護の子どもたちと共に会社を創りたいとお考えの経営者の方、人材担当の方はぜひ、以下のフォームからボーダレスキャリアにご連絡ください。

 

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