突然ですが、皆さんは「コンポスト」を知っていますか?
コンポストとは、生ゴミなどの有機物を微生物の力で分解し、植物の根っこが吸収できる堆肥にすることです。生ゴミコンポストは、分解のために微生物が活躍するので栄養も豊富。その堆肥を使えば農薬や肥料に頼りすぎなくても、おいしい野菜が育てられるんだとか。

なにより私は、「生ゴミの量を減らせる」というメリットに惹かれました。そこで今回は、以前お話を伺った『ローカルフードサイクリング株式会社』の「LFCガーデニングセット」を使って、初めてのコンポスト生活に挑戦してみました。

用意するのはスコップだけ。LFCガーデニングセットの中身を見てみよう

LFCコンポスト 梱包

ドーンと大きな紙袋で届いたこちらが「LFCガーデニングセット」。紙袋でものが届くと、ぬくもりを感じてしまうのは私だけでしょうか。

LFCコンポスト 内容

中身はこんな感じ。

LFCコンポスト 基材

コンポストの基材と、

LFCコンポスト 紙袋

それを入れる専用防水紙袋。

LFCコンポスト 冊子

ローカルフードサイクリングの活動や想いに触れられる“LFCたより”や冊子もついています。

LFCコンポスト 説明書

そしてこちらは説明書。なんとその右上には、ミックスリーフの種が!

LFCコンポスト ミックスリーフの種

実はこの「LFCガーデニングセット」、自分でつくった堆肥を使って、そのまま手軽に家庭菜園も楽しめる代物なんです。

LFCコンポスト バッグ

「家庭菜園といっても、プランターがないし……」

ご安心ください。内容物のグレーのトートバッグを折り返せばプランターになるので、別途用意しなくても大丈夫なんです。

LFCコンポスト バッグ

ちなみにこのトートバック、わが家の愛猫にも大好評。中に入って遊んだり、爪を研いだりと有効活用していました。思いがけない活路を見い出さないでほしいところですが、かわいい。

LFCコンポスト 土

もちろん作った堆肥と混ぜて使う土も一緒に入っています。

このように「LFCガーデニングセット」には、コンポストだけでなく家庭菜園に必要なものがそろっているので、スコップとクリップさえ用意すれば届いたその日にコンポスト生活が始められるんです。

さあ、コンポストを準備しよう

まずは、コンポストの準備をしていきます。

LFCコンポスト 準備

LFCコンポスト 準備

専用防水紙袋をトートバックにイン! そこがグチャッとなってしまっているのは、ご愛敬、ということで。

LFCコンポスト 基材

コンポストの基材を紙袋の中に入れて、ざっくりとまぜます。

LFCコンポスト クリップ

そして紙袋を2~3回折ってクリップで留めればOK。準備はたったこれだけです! ちなみに私はベランダに出て、3分くらいで完了しました。

本当に堆肥になってる? 不安に駆られるコンポスト生活序盤

私がコンポスト生活を始めたのは、2020年の2月2日。まだまだ気温も低いベランダでの作業が身に染みる時期でした。そんな寒いなか、はじめてコンポストに投入したのは以下のラインナップ。

LFCコンポスト 生ゴミ

・じゃがいもの皮
・大根皮
・たまねぎの皮
・みかんの皮
・コーヒーの粕

これらをトータル200g投入しました。

LFCコンポスト 生ゴミ

説明書には1日約300gの生ゴミが目安とありましたが、生ゴミを投入する日数を伸ばせば目安量に満たなくても大丈夫だそうです。

LFCコンポスト 生ゴミ

2日目も投入した生ゴミの量は少なめの150g。バナナの皮が目を引くラインナップです。ただバナナの皮は、このままコンポストに入れないことをおすすめします。投入するものが大きければ大きいほど、微生物の分解に時間がかかるからです。説明書にも「小さく切って入れましょう」と書いてあります。

LFCコンポスト 生ゴミ

そんな説明書の文言を忘れ、そのまま大胆に投入してしまった私です。こんなズボラ人間に、コンポスト生活が続けられるのでしょうか……!?

 

そしてここからは、ハイライト形式でコンポスト生活序盤を振り返っていきます。

LFCコンポスト 生ゴミ

私は一人暮らしなので、生ゴミが少ししか出ない日も珍しくありません。少ない量で毎日継続することも考えましたが、ある程度生ゴミをためてから入れる作戦でいくことにしました。そのため日付に間隔があいています。

<クリスメモ>
生ゴミをためる派の人は、ヨーグルト(400g)の紙パックがとても便利。 フタがあるので、生ゴミをためても匂いが外に漏れにくいです。また内容物にもよりますが、パックのふたが閉まるギリギリのラインまでギュウギュウにつめこむと、大体300gになっていました。でも最初は量りではかって、300gの感覚をつかむことが大切です。

 

コンポスト生活序盤では、小松菜の根やピーマンのヘタなどの野菜の不可食部分やコーヒー・味噌などの粕、サバの皮、卵の殻などを投入。なかでも申し訳なさでいっぱいだったのが、腐らせてしまったミカンです。ただ食べられなくなったミカンも、コンポストなら微生物の活動源になるので、ただのゴミとして捨てるよりかはいいのかなと思いました。

それからわが家ならではの生ゴミが、「猫が残したドライフード」です。私としてはドライフードも残さず食べてほしいのですが、愛猫は自分が好きなものからしっかりと食べるので、その時のお腹の気分次第で残すこともあるんです。だから「微生物の皆さん、猫のごはんも活動源になりますかね?」という気持ちで投入してみました。

LFCコンポスト 堆肥

そして、これらの生ゴミを投入してみたコンポストの様子がこちら。ゴロゴロと生ゴミが残っている印象です。バナナの皮をそのまま入れてしまった私に言う資格はないかもしれませんが、思ったよりも分解されていないような……。しかし1週間くらいは変化が見られないとローカルフードサイクリングのよくある質問でも見たので、続けていきます。

それにしても、生ゴミの記録を取るって、こんなにも恥ずかしいんですね。食卓が筒抜けな気持ちになります。

紙袋の中が、じんわり、あったか。コンポスト生活中盤に訪れた変化

LFCコンポスト 生ゴミ

コンポスト生活も中盤に入りました。前回以上に日数に間隔があいていますね。このころは確か仕事が珍しく忙しくて、何も食べない日があるなど、食事がおろそかになっていた気がします。コンポストの記録は、自分の食生活を見つめ直す機会にもなるんですね……。

この期間も、基本的には序盤と同じような生ゴミを入れていきました。さらにちょっと申し訳ないと思いつつも、シンクにたまった(とてもくさい)生ゴミも投入。もちろん優秀な微生物の皆さんは、シンクの生ゴミもしっかり分解してくれました。

そしてこの期間には、なんとなく微生物の好みがわかったような気がします。

・同じ玉ねぎでも茶色い皮より白い部分が人気
・同じ皮でも果物の皮が人気
・サバや鶏の皮は大人気
・猫のドライフードは意外にうける
(すべて、クリスなんとなく調べ)

LFCコンポスト 堆肥

またこのコンポスト生活中盤はゆっくりと進めたからか、これまでにない変化が感じられました。微生物たちがじっくりと分解に集中できたのか、紙袋に手を入れるとじんわりとしたぬくもりを感じたのです。ズボラに進めているにもかかわらず、「これが、微生物の息づかいか~」なんてことを思いながら……。

いよいよコンポスト生活終盤。微生物たちは、きっと汗だく

2月初旬にスタートしたコンポスト生活も、いよいよ終盤に。本来であれば3週間で生ゴミを投入する期間は終わっているはずでしたが、思いのほか伸びてしまいました。

LFCコンポスト 生ゴミ

終盤もまた、野菜や魚、肉の不可食部分やお茶やみその粕、卵の殻、猫のごはんなどを中心にコンポストへ投入。そして2020年4月8日をもって、生ゴミ投入期間を終えました。

LFCコンポスト 堆肥

そして終盤になると、じんわりと感じていた紙袋の中のあたたかな温度が、よりはっきりと感じられるようになりました。日によっては紙袋を開けただけで、「微生物は汗だくなんだろうな」と思うほどのむわっとした空気に触れられたほどです。

またこの期間は、新型コロナウイルスの影響で自宅で過ごす時間が増えていた時期でした。家から出られない、先が見えない不安から気が滅入りそうになった時にコンポストを混ぜると、不思議と心が落ち着いたのです。穏やかな時間のお供にコンポスト、ありかもしれません。

コンポスト熟成期間も「混ぜ」を忘れることなかれ。さもなくば…

4月8日に生ゴミ投入を終えた、わが家のコンポスト。ここからはさらに約3週間の熟成期間に入ります。この熟成期間も週に1、2回、コンポストを混ぜなければなりません。

しかし私は……、完全にこの「混ぜ」の工程を忘れてしまったのです!

LFCコンポスト 熟成

意気揚々と3週間後にあけたコンポストの中には、元気に羽ばたいていく黒い小さな生き物と、紙袋の内側を元気にうにょうにょ動く黒い小さな生き物が……。つまり虫がわいていたのです。この光景は、虫が苦手な私にとって壮絶なものでした。

とはいえ相手は小さいうえ、少しだけ。そのため、このまま進めることを決断しました。

<クリスメモ>
もしどうしても虫が気になるなら、
①紙袋のクチをしっかりと折り畳みクリップでしっかり閉め、約10日ほどそのままにしておく。(この期間に虫が死滅する)
②コンポストの中身をビニール袋に移し、空気を抜いて2、3日天日干し。(高温と酸欠でほとんどが死滅する)
という方法があります。詳しくはローカルフードサイクリングのよくある質問にて。

LFCコンポスト プランター
このように紙袋を折り返せば、トートバックがそのままプランターになります。見た目もナチュラルな感じで、オシャレです。

LFCコンポスト 堆肥

中の堆肥は、微生物の皆さんの活躍により、ふかふかに。スコップで掘るたびに、ちょっと胸がほっこりします。あれだけ虫に衝撃を受けていたのが、ウソのように……。

LFCコンポスト 家庭菜園

「LFCガーデニングセット」に入っている土と堆肥をしっかりと混ぜ、説明書についていたミックスリーフの種を1cm感覚でまいていきます。あとは水をあげて、芽が出るのを待つばかりです。

【追記】

2日くらいで、芽が出ました。ミックスリーフ、成長中です!コンポスト ミックスリーフ

週に1回だったゴミ出しがなんと…!? ズボラでもできたコンポスト生活

今回コンポスト生活をしてみて一番に感じた生活の変化は、ゴミの量です。コンポストを始めるまでの生活では、週に1回はゴミ集積場に通っていた私。しかし今回コンポストに取り組んだところ、ゴミ集積場に行く回数が2週間に1回に減りました。これで分かったのは、どれだけ生ゴミがゴミの中で多く、かさばっていたのかということです。

またどれくらいの生ゴミが300gになるのかを知ることで、これまで捨てていた根っこや皮、ヘタの部分などの食べ物の不可食部分を自然と減らすことに成功。ゆっくりと300gの生ゴミをためることで、生ゴミの減量にもつながるだけでなく、食べ物をより大切に食べる習慣が身につきました。

生活スタイルを大きく変えたわけではない。
変わったのは、生ゴミを入れる場所だけ——。

家でできるこんなにも手軽な行動が、ゴミの減量という未来づくりに少しでもつながっている。コンポストは、私のようなズボラ人間を含め誰でもできる、これからの未来をよりよくするアクションなのかもしれません。

 

▼コンポストビギナーにおすすめ「LFCガーデニングセット」

https://lfc-compost.jp/challenge

▼継続したい!家族で使いたい!「LFCコンポストセット」

https://lfc-compost.jp/product

▼ローカルフードサイクリングの想いを知る

コンポストから始まる、安心でおいしい食卓づくり。「微生物、カワイイ」と言う社長が実現したい社会とは?

体験・執筆 / クリス
福岡在住のフリーライター。ボーダレス・ジャパンを4ヶ月で退職し、いまはパートナーとしてインタビューや執筆を手掛ける。愛猫“雛”をおなかに乗せソファに寝っ転がってアニメを見たりマンガを読んだりする時間が至福。仕事よりもこちらに時間を割きすぎる傾向があるが、やるべきことはやる。企業の採用コンテンツやブライダル、エンタメなどのメディアでも執筆。