BORDERLESS CINEMAは株式会社ボーダレス・ジャパンが主催するドキュメンタリー映画の上映会です。
今回は6月20日の「世界難民の日」に合わせ、日本における難民問題をより多くの方と考えていくため、特別編として、参加費無料でトークショーのみの開催を実施いたします。
映画の上映はございませんが、登壇者であるエリザベスさん出演のETV特集「エリザベス この世界に愛を」を事前にご視聴いただくと、トークショーの内容についてより理解を深めていただけます。
▼NHKオンデマンドにて視聴可能
ETV特集 「エリザベス この世界に愛を」(税込み 220円)
<イベント概要>
日時:2021/6/15(火) 19:00~20:30
会場: オンライン開催(zoom)
料金: 無料
<当日の流れ>
(1)オープニング
(2)日本における難民制度や日本に暮らす難民の人々の実情
(3)エリザベスさんが見た入管施設の今
(4)参加者のみなさまとのディスカッション
(5)クロージング
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■日本における難民制度・入管施設の現状
今年3月、スリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(33歳)が名古屋市にある入管施設で収容中に亡くなり大きなニュースとなりました。吐血と嘔吐を繰り返し助けを求めるウィシュマさんに対し、医師からの助言がありながらも、入管施設内で適切な処置を施さなかったことが原因とされています。
このように非人道的な対応や収容の長期化が原因で収容中に亡くなった人は2007年以降、ウィシュマさんを含めて17人。そのうち5人はみずから命を絶っています。
■収容される人々の背景
入管に収容されている人々は、「母国で内戦・治安が悪化し、暮らせなくなった。」「政治や宗教を理由とした迫害を受けて、母国にいられなくなった。」というような、自分ではどうにもできない理由で日本に逃れてきています。
しかし、日本で難民申請をしても一向に許可が下りず、その間にVISAが切れてしまい、強制送還の対象になってしまう人たちもいます。そして、母国に帰れない事情がある人々は帰国するわけにもいかず、いつ出られるかもわからないまま入管に収容されているのです。
■自身も収容された経験をもつエリザベスさん
ナイジェリアに生まれ、キリスト教徒の両親の下で幸せに育っていましたが、父親にその地方の慣習であるFGM(女性器切除)を迫られ、母国を捨て30年以上前に日本に逃れてきました。しかし難民認定の申請をしたものの認められず、2度にわたり、不法滞在者として2年以上入管施設に収容さました。
現在エリザベスさんは仮放免という形で日本で生活していますが、日本にきて30年以上が経った今も難民申請の許可は下りていません。収容施設の劣悪な状況を経験し、先が見えない状況に命を絶とうとする人たちを多く見てきたことから、現在は毎日のように日本各地の収容施設を回り、施設にいる人々を励まし続けています。
■現状を知らない日本人
今国会では入管法改正はかろうじて見送られましたが、日本政府の厳しい難民・入管施設の対応は変わっていません。入管を恐れ声をあげることができない当事者が多い中、「このままではいけない」と立ち上がり活動するエリザベスさんと共に、今日本で何が起きているのか、そして私たちに何ができるのかを考えていきます。
<参考>
・時事ドットコムニュース
「入管法改正案騒動で浮き彫りになる日本人の人権意識 スリランカ女性の死が問い掛けるもの」
・UNHCR Japan
数字で見る難民情勢(2019年)
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<登壇者>
◆エリザベス・アルオリオ・オブエザ
ナイジェリアの少数民族出身。地域の悪習である女性器切除から逃れ、1991年に観光ビザで初来日。2006年に入管に出頭して在留許可を申請したが認められず、11年と16年に2度収容された。現在は仮放免の身ながら毎日のように入管施設に通い、被収容者の支援を続ける。
◆青山 明弘(あおやま・あきひろ)
ピープルポート株式会社 代表取締役社長 。1990年生まれ。カンボジアで、内戦経験者へインタビューした事をきっかけに、ソーシャルビジネスでの戦争・紛争解決、および被害者の支援を志す。新卒で株式会社ボーダレス・ジャパンに入社。東京のボーダレスハウス事業部で1年半、その後ボーダレスハウス台湾支店の立ち上げへ。2年で黒字化し、帰国後日本へ逃れてきた難民のために、ピープルポート株式会社を創業。環境負荷ゼロ、難民ゼロを目指すエシカルパソコン「ZERO PC」の販売を通じて、事業の拡大を図っている
・当イベントにご参加いただくには「Zoom」アプリのダウンロードが必要です。PCまたはスマートフォンよりダウンロードした上でご参加ください。
ダウンロード:https://zoom.us/jp-jp/meetings.html
・トークショーの様子を撮影・録画したものを、ボーダレスグループおよびボーダレスシネマのWebサイト・広報物等で使用させていただく可能性があります。予めご了承ください。