代表である川波朋子(以下、なみへー)が、ずっと憧れていたフランス留学を実現させたことをきっかけに生まれたTOIRO(トイロ)。ソーシャルビジネスに取り組むきっかけが「社会問題への強い意識」や「特別な原体験」からでなくても、そこには同じ、"相手を想う気持ち"があります。

フランス留学からアルジェリアとの出会い、そしてTOIROが目指す社会とは。TOIROの物語をお楽しみください!

 

ケイスケ なみへーさん、こんにちは!今フランスのパリにいらっしゃるんですね!

 

なみへー こんにちは!そうなんです、こっちに来て3年になります。

 

ケイスケ どんなきっかけでパリに住むことになったんですか?

 

なみへー 京都市立芸術大学時代から行きたかったフランスに、友人に背中を押されて行ったのが3年前。決断から4ヶ月で移住しました。

 

ケイスケ また思い切ったことをされましたね。(笑)

 

なみへー そうですね。(笑) そこで出会ったフランス人のパートナーが、アルジェリア人の両親を持つ人だったんです。アルジェリアがイスラム化する前の独自の文化や、現在のアルジェリアが抱える社会問題を知るきっかけとなりました。

ケイスケ アルジェリアはアフリカ最大の国土面積を誇り、日本の6.3倍にあたるとか。そこに約4,000万人が住んでいるんですよね。一体どんな社会問題があるのでしょうか?

 

なみへー 若年層の失業率の高さと女性の就業率の低さです。若年層の失業率は30%、国内の労働人口における女性の割合はたった17%です。イスラム教国家なので、コーランで女性の地位が低いとされていて、性差による社会的格差が依然大きいんです。女性は家庭内にいることが求められているのが現状です。

ケイスケ 女性というだけで、生まれながらに不平等な環境に置かれてしまうのは悲しいですね。国として改善にむけての動きはありますか?

 

なみへー 今年4月に、25年間独裁政権を続けた大統領が抗議デモにより失脚したんのですが、その後出てくる候補者は同じ政権の身内ばかり。そこで「全面的な政治改革が行われるまでは選挙を行うべきではない」と主張するデモが続き、やっと今年の12月12日に大統領選挙が行われます。国のシステムが変わらない限り、人々の状況が変わらない現状がとてももったいないと思います。

ケイスケ そこで、女性のエンパワーメントを目指すTOIROができたんですね。

 

なみへー はい。アルジェリアには、独自の文化を維持する部族がいくつかあり、その一つであるカビール族は、とても美しい刺繍や伝統工芸の陶器を作ることができます。それにも関わらず、それらは内需向けのみで国外に輸出されてきませんでした。とても素晴らしい技術があるのに外に出ていかないのはもったいないと思い、それらを利用して、女性が活躍できる社会を創る事業を作りたかったんです。

 

ケイスケ その後にボーダレスグループと出会われたんですか?

 

なみへー はい。当時は個人事業主として事業を運営していましたが、社会問題の解決という同じ志を持つ社会起業家たちの集団に加わりたいと思いました。互いのノウハウはもちろん、経営課題や経営者としての悩み・喜びを共有し合うことができるのは、とても励みになります!

 

ケイスケ ボーダレスグループ参画後、事業のリモデルをかけたと聞きました。現在の事業内容を教えて下さい。

 

なみへー 女性のエンパワーメントを支援していくことを目的に、アルジェリア女性を中心に雇用し、メイド・イン・アルジェリアの商品をヨーロッパの市場へ販売しています。

 

ケイスケ アルジェリアの女性たちが現地で作る商品を、ヨーロッパで販売しているんですね!

 

なみへー はい。先月11月末に伝統工芸の陶器のプレオーダーを開始しました。まずはフランス国内で、そして今後はドイツやイギリスへ拡大予定です。日本への配送も可能です!

ケイスケ 当初のホームページを見ると主力商品はアパレル関連が中心だと思っていました。

 

なみへー TOIROの始まりが縫製だったため、もともとはそのつもりでした。ただ研究開発に時間がかかることがわかったため、まずカビール族伝統工芸の陶器のプレオーダーを開始したんです。

 

ケイスケ 陶器のデザインがとっても素敵ですね!作りもしっかりしている印象です!

 

なみへー そうなんです!古くからの陶工達は、現在もろくろを使わずに、全て手びねりで作っているんですよ。TOIROの商品は、カビール族に代々受け継がれた技術で作られた、食卓に合わせられる素敵な陶器なんです。

ケイスケ こんな素敵なものを作れる女性たちですが、TOIROに入る前と後で大きく変わった点などありますか?

 

なみへー そうですね。初めのうちは、みんな言われたことを言われたとおりにしていました。それもそのはずで、女性が働くことが珍しいくらいなので、女性が積極的に仕事を求めたり、指揮をとるなんて、ほとんどないんです。

 

ケイスケ でもなみへーさんの目指すエンパワーメントされた女性たちは、「受け身の姿勢」ではないはずですもんね。

 

なみへー はい、彼女たちに主体的になって活躍してほしくて始めた事業なのに、TOIROがその中に主従関係を作ってしまっては元も子もないですからね。自分がやりたいことを、この会社に関わることによって成し遂げているっていう実感を持ってほしいんです。

ケイスケ 彼女たちはその後どのように変わりましたか?

 

なみへー あるお子さん持ちの女性は、いかにもアルジェリアの主婦的な感じで、もくもくと言われた作業をこなすという感じでしたが、今では「私たちは誰もやっていないことをやってんねんで!」っていう自信を持って社外の人とも接しているので、共感を集めながらパートナーシップを取ってきてくれています。

 

ケイスケ とってもパワフルですね!ポテンシャルがすごい!

 

なみへー 自発的なタイプではなく淡々と作業をこなしていた彼女が、今は責任者として活躍してくれている姿をみると、やはりやりがいを感じますね。

ケイスケ これまであまり表に出ることがなかった女性たちが主力となって他社に話に行くと、相手の反応はいかがですか?

 

なみへー 女性がアポを取り、企業訪問する事なんてかつてない事なので、年配の男性には一部批判されたりもしましたが、一度理解してもらうととても協力的なんです。地元の会社にも好意的に受けて止めていただいているので、いい循環が生まれています!

 

ケイスケ アルジェリアの社会を変えつつありますね!

 

なみへー 目指していたものが少しずつ形になってきた印象はあります。でもまだまだこれからです!

 

ケイスケ 社名の『TOIRO』ですが、由来は「十人十色」からですか?

 

なみへー それぞれがそれぞれの色を持つことを表すという側面からそれもありますが、もう一つの意味はアラビア語に起因します。
ケイスケ アラビア語ですか!?
なみへー はい。アラビア語で「飛ぶ、飛躍する」という動詞に音が似ているんです。十人十色とその2つを掛け合わせて『TOIRO』としました。
ケイスケ とっても素敵です!そんなTOIROがこれから実現させたいことは何ですか?

 

なみへー 現地の伝統文化や素材を生かして、すべてのアルジェリアの女性たちが活躍できる社会です。なので私の役割は、デザイナーというよりプロデューサーだと思っています。

ケイスケ なみへーさんならすでに具体的な構想を持ってそうですね!

 

なみへー よくおわかりで。(笑) 現地で伝統工芸品をつくっている職人の方々と話す中で、個人でブランド発信することへの限界があることが分かりました。一方で、買い手も、大量生産されたモノではなく、作り手の顔が見えるモノを求めています。その双方のニーズをマッチングさせる仕組みを作って、アルジェリアに限らず発展途上段階の国の人たちが、伝統工芸を使ったモノ作りを生業にできるようにしたいと考えています。

 

ケイスケ 個々で発信するよりも、同じ想いを持った人々が集まって発信するほうが、より多くの人に届けられますもんね。その社会の仕組みづくり、めちゃくちゃ応援したいです!ターゲットはヨーロッパとのことですが、日本在住の身として何かできることはありませんか?

 

なみへー ヨーロッパに友人がいらっしゃったら、ぜひTOIROのことを伝えてほしいです。また、フェイスブックとインスタグラムでTOIROの最新情報を発信しているので、フォローしていただけると嬉しいです。これからのTOIROにご期待ください!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回のインタビューは、ボーダレス・ジャパンが月に2回発信しているボーダレスマガジンのコンテンツです。

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