
日本への留学生の数は年々増加しており、昨年の留学生の数は約24万人にも昇りました。彼らの多くが学校を卒業した後に希望するのは、「日本で働く」ということ。彼らがその夢を叶えるには、就活のほか、就労ビザの取得も行わなくてはならず、そのハードルの高さが悩みの種になっています。その悩みを解消してくれるのが、ビザの取得と企業紹介を一手に引き受けてくれる闇業者。しかし、そのサービス料は40万円!それにも関わらず、利用する留学生が後を絶ちません。この実態をなんとかしたいという、パンディ・バスさん(ネパール出身、日本経済大学3年生)が、ビジネスを共につくっていくパートナーを探しています。※記事の最後にビジネスプランの公募があります。
■「日本で就職するには?」絶えない留学生の声
バスさんは日本経済大学に在学する傍ら、チューターとして、留学生に慣れない日本での生活をサポートしています。
そんな彼の元には、多くの学生から相談が持ち込まれます。
“「アパートを貸りるための保証人がいない」という相談の次に多いのが、「日本で就職したいが、どうしたら良いか?」という相談です。留学生の多くは、「大学で学んだことを大好きな日本で活かしながら働きたい!」と考えています。また、日本では、支払われる賃金が自国より多いため、家族への送金も考えている人にとっては、それも魅力の一つになっています。”
留学生からの相談を持ちかけられたバスさんは、なんとか学生たちの抱える問題を解決したい、という思いで、日本企業への就職の方法を模索しました。
そしてやっと見つけたのが、「企業の紹介と就労ビザ取得」がセットになった40万円のサービスでした。
■学費捻出に追われる留学生の生活
“「40万円」という金額が、留学生にとっていかに大きな負担なのかは、留学生の実際の生活状況を考えてみればわかります。”
現在日本では、留学生が一週間で働くことができるのは28時間。時給1,000円で週に28時間働いたとして、一ヶ月に稼ぐことができるのは11万円~13万円になります。
“多くの学生はこの稼ぎの中から、学費、家賃、携帯電話料金、食費等を捻出しなければなりません。つまり、日々の生活を送るのですでに一杯一杯なのです。
学費を捻出することも難しく、違法と知りながらもバイトを2つ掛け持ちする学生も大勢います。それで、アルバイトの方が忙しくなってしまい、学業がうまくいかなくなってしまう人もたくさんいます。それが原因かはわかりませんが、自殺してしまった人もいました。”
奨学金をもらえる学生はまだしも、アルバイト代で学費や生活費までも捻出するのは、非常に厳しいことだと想像ができます。ここからさらに、日本での就職のために40万円を絞り出すことは不可能なことのように思えます。
■「ビザの取得と企業の紹介で40万円」の実態
さて、40万円のサービス内容とは、一体どのようなものなのでしょうか。実際にバスさんの友人が使ってみた話を伺いました。
“派遣会社と同じようなものです。唯一違うのが、利用料がすごく高いということ。”
“「派遣会社」に登録すると、まず3日間、毎日1時間の「研修」を受けます。日本の企業で働く心得をレクチャーされるのですが、実際は名ばかりのもので、日本で生活していたら誰でも知っているような内容です。ビザの取得には2ヶ月ほどかかります。その間に、企業を紹介してもらうという仕組みですね。”
この「派遣会社」は、企業からもきちんと紹介料をいただいているといいます。なるほど、一般的な派遣会社であれば、サービス利用者である「労働者」はお金を納める必要はありません。つまり、「派遣会社」は企業と労働者から二重で料金をとっている形になります。
しかし、そんなに高額なサービス料で、利用する留学生がいるのか?という疑問が残ります。
“卒業間近になって、日本で働きたいと思う留学生が駆け込んでいくんです。留学生は、留学ビザが切れたら国に帰らないといけない。それを知っているから、企業側もこんなにも価格を吊り上げているんです。留学生も後がないから、すがるような思いで40万円をかき集めます。”
実際、自分で就労ビザを申請する場合に必要なのは、4,000円の手数料のみです。(入管法関係手数料令)意味があるかわからないレクチャー3時間と、必要書類を自分で用意する手間を考えても40万円は高すぎる気がします。
■自分の周りの人に笑顔になってほしいから。
このような現状を知り、バスさんは自身で解決策を生み出そうと考えました。そして、今回ボーダレスのドアを叩いてくれました。
“私の願いは、周りの人に笑顔になってほしいということです。相談にくる学生の悲しい顔を、これ以上みたくありません。同じような問題を抱えた留学生は、日本中にたくさんいるなずなので、彼らの問題を解決し、笑顔をもっと広げたいと思っています。”
“今、日本で、私一人でビジネスを立ち上げる力はありません。だから、プランを一緒に考え、ビジネスを立ち上げる仲間がほしいと思っています。同じ志を持った人がいましたら、ぜひ、力を貸してください。”
この社会問題に対して、良いアイディアをお持ちの方、もしくは一緒に考えていきたい!という方がいらっしゃいましたら、お問い合わせページより、ご連絡ください。
ネパール出身。2011年、カトマンズ大学電気工学部を卒業。同年、ドバイの電化製品販売会社に就職、ドバイへ移住。2013年、初めて日本へ。日本語専門学校に通い、日本語を習得。2015年、日本経済大学に入学。現在、語学学校でチューターをしながら、ビジネスプランを練っている。