
私はボーダレス韓国で働いている朴ヨンソンです。会社の名前通り、"国境のない"私の会社では様々な社会問題に取り組み、世界に発信、またビジネスをその解決策として作り上げていく仕事をしています。
いまや何事にも国境のない時代となり、トレンドが読めないほど早く展開しているファッションブランドや、スマホなどの電子機器…
これらは一体どこで作られて私たちの日常に入り込んでいるのでしょうか。
韓国の世界日報、11月30日”児童労働”に関する記事があり、是非皆さんにシェアしたかったので、翻訳して内容をまとめて見ました。
1996年6月アメリカ雑誌”LIFE"に、パキスタン・シアルコートのある子供がNIKEサッカーボールの針仕事をする写真が載せられ、児童労働という問題が初めて注目を集めるようになりました。
32枚の革の布を1600回縫うとやっと一つのサッカーボールが出来る。ちなみにこの子が一日11時間この作業をしてもらえる賃金は3~4ドル。不法に労働力を搾取された事が明らかになりました。NIKEはこれらに対し下請け業者へと責任転嫁をしたのですが世界的な不買運動が起こり、結局謝罪しました。
最近ではスウェーデンの世界的な人気ファストファッションブランドH&Mのミャンマーの下請け業者が、14歳の児童を雇用した事実が”ファッションの奴隷達”という本を通じ告発されました。
ある少女は一日3ドルをもらって夜10時までおよそ12時間以上働く、他の少女は11歳から17歳までこの仕事をしたという事例もありました。生産、流通、販売までをコントロール、その分商品コストを下げ大ヒットしたグローバル的ファストファッションブランドはその裏側に児童労働の問題をかかえ議論を呼んでいます。
国際法律上14歳からは児童ではありませんが、長時間及び夜間労働は不法であると指摘されました。H&Mは2013年以降下請け業者らが14~17歳の児童友達に長時間労働をさせていたことを認め、今後措置を取るというコメントをしました。
しかし今も一部のファッションブランドはコスト削減のため、児童を不法に雇用している下請け会社との取引を闇で行っていると言われています。
児童労働は洋服、コーヒー、タバコに続きスマホ、車にまで…
一方2016年の1月、国際人権NGOであるアムネスティー・インターナショナルが発表したアフリカのコンゴ共和国のコバルト鉱山での児童労働の実態報告は大きな波紋を呼びました。
ここでは4万人の児童達が一日1~2ドルを稼ぐために暗い鉱山で一日12時間以上も働いていることが明らかになりました。一年100人近い労働者が命を絶つほどの過酷な鉱山の労働環境に児童達が投入されています。
ここから生産されたコバルトは最終的にはスマホーや車のバッテリー素材として使われます。
アムネスティー・インターナショナルはこのような不法児童労働の最終コンシューマーであるサムソン、LG、アップルなどのIT関連の多国籍こそが、下請けの不法可否を問う前に社会的責任を持つべきであると主張しました。
その後これらの企業達は鉱物採掘過程で引き起こる児童労働問題を関連政府またNGO等と共に解決していく事を公言しました。
経済危機を迎えると児童労働が増える?!
児童労働減少率は2000年~2004年まで10%でしたが、2004年から世界的金融危機が本格化した2008年までの減少率は3%にとどまりました。経済危機状況では児童労働を無くそうとする試みも後回しになると言われています。
しかし、ILO(国際労働基準)の調査によると2008年の児童労働人口は1億1360万7千人から、2012年はおよそその半分が減った7772万3千人となりました。これは児童労働の実態が公になり世界の注目を浴びたお陰だと言われてます。
一方で、ラテンアメリカやアフリカの児童労働は減っていません。理由としてはこれらの地域は家事労働を児童に受け継いでいるほど貧困な地域で、政府や企業のキャンペーン等の訴えでも児童労働は減りにくいためだと考えられています。
また開発途上国の児童人口も9360万人に達すると言われています。実際カンボディアの首都プノンペンの人口は170万人から2025年230万人へと30%以上の増加が予想されており、都市建設などに必要なレンガ工事業の需要により18才未満の児童や青少年のレンガ工も急速に増えるとの懸念が出ています。
ILO(国際労働基準)カンボディア支局関係者は”レンガ工場では通常14~15歳の児童が既に不法雇用されている、また急速な都市化につれ不法雇用の規模も大きくなっている”と指摘しました。
※写真、記事とも2016年11月30日「世界日報」から引用。
私はちょうど日本に出張で来ており、ランチとして350円のお弁当を食べながらこの記事を翻訳していました。まさにその瞬間に地球の何処かでは一日3~4ドルを稼ぐため命をかけ働いている子供たちを思い出すとご飯が喉を通りませんでした。
恥ずかしいほどの豊かさを当たり前のように思う私たちの日常を消費するため、子供たちは汗と涙を流しています。
何かできる事はないでしょうか。美辞麗句ではなく子供達をそこまで追い込まない根本的で継続的に助ける事はできないでしょうか。
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