「ソーシャルビジネス」という言葉を聞いて、どんな企業が思い浮かびますか?
社会起業家を目指す人、社会課題の解決に取り組みたい人にとっては、多くの事例を知ることで、事業立ち上げのヒントが得られるはずです。
日本そして世界には、どのようなソーシャルビジネスが存在するのか、社会問題をビジネスで解決する企業やアイデアを一覧でご紹介します。

1.ソーシャルビジネスとは

ソーシャルビジネスとは、ビジネスを通して社会課題を解決する収益事業の総称です。補助金や寄付金に頼らず、自社のサービスやプロダクトで事業収益をあげ、経済的な持続性をもって社会問題を解決することができます。
対象となる社会問題は多岐に渡り、環境問題や貧困、差別、教育問題などジャンルや国を問わず広く存在しています。

国や提唱者によってソーシャルビジネスの定義が違いますが、日本では2007年に設置された経済産業省のソーシャルビジネス研究会が指針を発表しています。

「社会性」:現在、解決が求められる社会的課題に取り組むことを事業活動のミッションとすること。

「事業性」:ミッションをビジネスの形に表し、継続的に事業活動を進めていくこと。

「革新性」:新しい社会的商品・サービスや、それを提供するための仕組みを開発したり、活用したりすること。また、その活動が社会に広がることを通して、新しい社会的価値を創出すること。

2.社会課題をビジネスで解決する企業事例一覧

日本でソーシャルビジネスに取り組む企業を中心に、世界でも成功している企業を一覧でご紹介します。

日本のソーシャルビジネス企業一覧

・ピープルポート株式会社

ソーシャルビジネス事例一覧~社会課題をビジネスで解決する企業・アイデア

環境負荷ゼロ、難民ゼロを目指す再生パソコン事業「ZERO PC」を展開。企業や個人から不要となったパソコンを回収し、中身を入れ替えたエシカルパソコンとして販売。廃棄されたパソコンを再利用することで、環境への負荷ゼロを目指すほか、母国での紛争や迫害などを理由に日本に逃れてきた難民申請者を直接雇用。難民が安心して安定的に働くことができ、地域社会に溶け込める場を創っている。
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・株式会社eumo

ソーシャルビジネス事例一覧~社会課題をビジネスで解決する企業・アイデア
出展:https://eumo.co.jp/

「共感」でつながり、それが資本となる「共感資本社会」の実現を目指す企業。「幸せになるための手段」と、お金を再定義した、新しい電子マネー共感コミュニティ通貨「eumo(ë)(ユーモ)」を運営。「共感」が基盤になる経済圏を生むことで、価格競争により犠牲になりがちな一次産業など「生産者」の立場が強くなる社会をつくる。
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・Sunday Morning Factory株式会社

ソーシャルビジネス事例一覧~社会課題をビジネスで解決する企業・アイデア

バングラデシュの児童労働をなくすことを目的としたアパレルの製造小売事業。オーガニックベビー服ブランド「Haruulala(ハルウララ)」を国内で展開する。 バングラデシュに自社のアパレル工場を建て、貧困地域の親に安定した給与の仕事を創出。子どもたちが働かずに安心して学校に通える環境作りに取り組んでいる。また、自社工場の太陽光発電への切り替えや、植林活動など、生産時の環境負荷にも配慮。
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・Relight株式会社

ソーシャルビジネス事例一覧~社会課題をビジネスで解決する企業・アイデア

「見えないホームレス状態」の人向けに、就職・住居支援サービスの提供を行う。日雇いで不安定な毎日から抜け出し生活を立て直せるよう、現状から就職後までワンストップでサポート。ビジョンは「誰も孤立せず、何度でもやり直せる社会をつくる」。
寮付きの仕事を紹介し、家も仕事も整える事業「いえとしごと」、身分証や収入証明がなく審査が通りにくい方に、個室の物件を紹介する「コシツ」を運営。
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・株式会社ウェルモ

ソーシャルビジネス事例一覧~社会課題をビジネスで解決する企業・アイデア
出展:https://www.welmo.co.jp/

介護福祉領域の中でも、ケアマネージャーの支援に特化したソリューションが強みで、テクノロジーを活用し「介護領域事業」「障害児教育事業」を展開する企業。アプラン作成業務を支援する人工知能エンジン「ケアプランアシスタント」、保険内外サービス、ケアマネ、行政をつなぐ地域情報見える化サイト「MILMO」を運営。「愛を中心とした資本主義のつぎの社会」を目指す。
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・Entert the E株式会社

ソーシャルビジネス事例一覧~社会課題をビジネスで解決する企業・アイデア

人や環境に配慮した洋服があたりまえの社会を目指し、人や環境配慮した洋服だけを集めたエシカルファッション専門のセレクトショップを展開。日本のマーケットに合った商品を世界中から独自の厳しい基準でセレクトし、選びやすさや納得性、安心感を提供する。消費者がアイテムを長く愛用する「スローファッション」を提唱。生産背景やトレーサビリティを大切にしながら、「エシカル」と「受注生産」の共存を目指す。
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・Tomoshi Bito株式会社

日本の社会・政治への参加意識の低さ、社会的な発信が避けられ無関心になる社会を打破するため、社会的発信を日常に根付かせ、誰もが当事者意識を持てる社会を目指す。発信を通してより良い社会づくりに参画するシビックインフルエンサーのプラットフォーム「RICE MEDIA」を運営。2022年7月に実施した「#1ヶ月プラなし生活」は、TwitterTikTok等での総再生回数が533万回を超え大きな反響を呼んだ。
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・For Good(株式会社ボーダレス・ジャパン)

ソーシャルビジネス事例一覧~社会課題をビジネスで解決する企業・アイデア

「社会をより良くしたい」という想いを、誰でもアクションに変えられる掲載手数料0円のクラウドファンディング「For Good」を運営。大切な人・もの・場所を「助けたい」「守りたい」というソーシャルグッドなプロジェクトに特化する。実行者と支援者がLINEオープンチャットでつながり、クラウドファンディング終了後も継続的な関係を築けるなど、独自のサービスを展開している。
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・株式会社マザーハウス

ソーシャルビジネス事例一覧~社会課題をビジネスで解決する企業・アイデア
出展:https://www.mother-house.jp/

「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念のもと、途上国にある素材や職人の可能性に光を当てたモノ作りを行う企業。バングラデシュ、ネパール、インドネシアなど計6か国の生産国で、バッグ、ジュエリー、アパレルなどを製造し先進国で販売。商品を通じて世界の多様性を伝え、笑顔とぬくもりを世界に増やしていくことを目指す。
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・株式会社スマイルバトン

ソーシャルビジネス事例一覧~社会課題をビジネスで解決する企業・アイデア

「きょういく」を探究し、創造する教育メディアコミュニティ「先生の学校」を運営。「先生と子ども、両者の人生を豊かにする」をビジョンに掲げている。
現在の教育現場に違和感を抱き限界を感じている熱意ある先生が、理想の教育の追求を諦めたり離職する問題の解決に取り組む。先生をエンパワーメントする事業を通して、1つ1つの課題を突破し自己変革を起こし続けられる環境をつくる。
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・UNROOF(株式会社ボーダレス・ジャパン)

ソーシャルビジネス事例一覧~社会課題をビジネスで解決する企業・アイデア

精神・発達障害のある人を一流の革職人に育て上げる工場を通じて、「障害があっても自分の可能性を信じられる社会」を目指す。社会に根付いている「障害者は能力が低い。障害者は給与が低い。障害者は単純作業しかできない。」という意識が原因で、障害があるだけで仕事の選択肢が制限される社会を変え、社会の中の意識の天井を取り払う。
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・株式会社坂ノ途中

ソーシャルビジネス事例一覧~社会課題をビジネスで解決する企業・アイデア
出展:https://www.on-the-slope.com

「百年先も続く、農業を」をコンセプトに、環境負荷の小さい農業を実践する農業者を増やすことを目指す企業。農業の担い手減少や耕作放棄地の増加を解決するため、環境を損なうことの少ない農業をはじめやすい、つづけやすいしくみを作っている。野菜の個人宅配事業、京都・東京の店舗での小売、飲食店への卸売事業等を手がける。
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・株式会社ボーダレス・ジャパン

株式会社ボーダレス・ジャパン

ソーシャルビジネスを通じて社会問題の解決に取り組む、社会起業家のプラットフォーム。
解決する社会問題は多岐に渡り、貧困、人種差別、農業からアパレル業など、国内外で40以上のソーシャルビジネスを展開している。社会起業家による「恩送りのエコシステム」は2019年グッドデザイン賞を受賞。ノウハウや資金をグループでシェアし余剰資金を恩送りすることで、新たな社会起業家を生み出し続けている。

海外のソーシャルビジネス企業一覧

・グラミン銀行(バングラデシュ)

ソーシャルビジネス事例一覧~社会課題をビジネスで解決する企業・アイデア
出展:https://grameen.jp/

ムハマド・ユヌス博士により、1983年バングラデシュに設立されたマイクロファイナンス機関。
借り手の97%は女性で、貧困・生活困窮者に無担保で融資を行い、ほとんど貸倒れのない実績を上げている。貧困層の自立を支援した功績により、ユヌス博士とグラミン銀行は2006年にノーベル平和賞を受賞。
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・株式会社ボーダレスリンク(ミャンマー)

ソーシャルビジネス事例一覧~社会課題をビジネスで解決する企業・アイデア

ミャンマーの小規模農家の自立支援のため、農業に必要なあらゆる資材、情報、資金、市場を農村部で提供するアグリセンターを運営する。農村部では手に入らなかった高品質な資材や、新しい農業技術、低利子無担保のマイクロファイナンス、適正なマーケット情報などを提供。望まない出稼ぎを防ぎ、子どもの就学を可能に。「選択肢」と「誇り」を持って幸せに暮らせる社会を、地域の民族の若者たちと共に創る。
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・Patagonia(アメリカ合衆国)

ソーシャルビジネス事例一覧~社会課題をビジネスで解決する企業・アイデア
出展:https://www.patagonia.jp/

登山用具からはじまり、サーフィン用品、アウトドア用品、軍用品、衣料品の製造販売を手掛けるメーカー。環境保護活動のみならず「高品質で真摯(しんし)な物作り」でファンを獲得。「社会と環境に対して責任を持つ」エコロジー活動の旗手として、気候変動問題に取り組む団体への支援を積極的に行っている。1988年にパタゴニア日本支社が設立。
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・Alphajiri Ltd.(ケニア)

ソーシャルビジネス事例一覧~社会課題をビジネスで解決する企業・アイデア

農業で安定的な収入を得られないアフリカの小規模農家の貧困問題に取り組む。貧困小規模農家の共同体「アルファチャマ」グループによる、多角的なサービス提供・農産物販売網を構築。小規模農家が自立してお互いを支え合う地域運営を実現する。
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・PARAFINA(スペイン)

ソーシャルビジネス事例一覧~社会課題をビジネスで解決する企業・アイデア
出展:https://parafina.eco/en/

スペイン発の環境にやさしいアイウェアブランド「PARAFINA(パラフィナ)」。地球環境に配慮し、素材にはペットボトルやアルミニウム、バンブーなどのリサイクル素材を使用。ごみが海に到達する前に埋立地からごみを回収し、集めたごみをリサイクルすることで、環境にやさしいアイウェアを作っている。
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・MAYSOL(グアテマラ)

ソーシャルビジネス事例一覧~社会課題をビジネスで解決する企業・アイデア

僻地に住み、教育の機会がなく働いた経験がない人でも始められる委託養鶏を通じて、貧困ループから抜け出すことのできる仕組み(マイクロフランチャイズ)を展開。家庭の現金収入を増やし、子供が教育を受け続けられることで、誰もが夢やチャンスをつかむことができる社会を創る。
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3.社会問題をビジネスで解決したいなら

日本では、数年前からSDGs(持続可能な開発目標)やESG投資が注目されるようになり、同時にソーシャルビジネスも広がりました。
ところが「社会性」「事業性」「革新性」のうち、事業性を伸ばしていくのが難しく、資金調達や人材育成、マーケティングなど、多方面に渡るビジネスの知識が必要となります。

最速でビジネスを促進させたい!ノウハウを共有しながら自分を成長させたい!と考えている方は、ソーシャルビジネスのインターンや起業にチャレンジできる環境に飛び込んでみてはいかがでしょう。

ボーダレス・ジャパンには、社会起業家のもとで学べるインターンや、起業家同士でノウハウやアイデアを共有し、より大きなインパクトを生み出す仕組みがあります。

4.社会起業家を募集しています

ボーダレスグループでは、社会問題をビジネスで解決する社会起業家を募集しています。「なんとしても解決したい社会問題がある」その志を実現しませんか?