4/16放送のカンブリア宮殿に出演したボーダレス・ジャパン。
番組では語り切れなかった創業当時の想いやボーダレス・ジャパンのこれからについて、創業者である代表取締役社長の田口一成と代表取締役副社長の鈴木雅剛が2回に分かれてお話しました。

2020.04.17(金) のトークライブでは、事前にtwitterで募集した質問や参加者のみなさんからの質問に、田口がその場でお答えしました。そのQ&Aの内容をご紹介します。今回はその後編です!

前編はこちら→【カンブリア宮殿特別企画】創業者を囲むトークライブ Q&A(田口・前編)

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↓以下、全文書き起こし

ビジネスモデルに関するご質問

Q.黒字化する事業、ポイントはどのようなところでしょうか?

A.ちょっと専門的な話になっちゃいますけど、ポジショニングという言葉があって、まず「ものまねはしない」ってことなんですよね。今あることと全く同じことをやってはいけない、それは必ず競争になるので。競争したら面白いものにはならないです。必ずユニークな存在である、それがポジショニングですね。他と違うポジションをとるということです。

同じポジションをとると、最終的には価格競争しかないんですね。ソーシャルビジネスというのは基本的には、非効率を背負って商売をやるという部分があるので、後ろのコストは高いんです。なのでコスト競争をしちゃうと、基本負けるということになります。

カンブリア宮殿でビジネスレザーファクトリーというブランドが紹介されて、「革製品安ーい!」って言ってたじゃないですか。安い売りはしないって言ってるけど?という風に、疑問に思われた方もいるかもしれないですけど、あれ安いって嘘なんですよ。僕らのバングラデシュの工場っていうのは、仕事がなくて本当に困っている人しか雇わないんですね。

工場に朝行くと人が並んでて、現地では有名な工場なので「雇ってくれ!」という人がいっぱい来るんです。採用をするマネジメントのチームは、彼らの生活の状況を聞いて一番大変な人から雇う、というのが唯一の採用基準なんです。なので、当然ながらそこで働いている840人は、全員初心者です。

初心者が、革というすごく技術のいることをやるとなったら、何が必要かというと教育なんですよ。トレーニングいっぱいしないといけない、とかいっぱいやることがあるんです。障害者もたくさんいるんですね、他で雇ってくれない人を僕らは採用するので、その人が障害者の可能性もあるので。障害者のためのトレーニング、障害者のための機械とか椅子とか作ったりとかも必要、送り迎えが必要だったりもする。とにかく色んなコストがいっぱいかかってくるというのが、僕らのソーシャルビジネスです。

コスト効率の追求とはちょっと違うところで運営しています。ていう風になると、原価がすごく高いんですよ。革製品をバングラデシュで作って日本で売ろうとしたときに、普通だったら工場だけ作って他のブランドに、OEMっていって「下請けで作りますよ」っていうのをやってくださいと言うんですが、あれはコストが全く合わないんで僕らはできないんです。

一部はやっているんです、それはコストが他よりちょっと高くてもやりたいって言ってくれる優しい人達がいるので、やってます。やってますけど、それだけでは全然大きくならないので、自分たちでお店作るしかない。そこからビジネスレザーファクトリーというのが始まりました。

原価は安くないけど、お客さんはリーズナブルと思わないと買ってくれないから、「どうやったらリーズナブルと思ってくれるのか」ということが大切でした。なので僕らは自社店舗を出して、すごくいいお店を作ったんです。すごくいいお店を作って、すごくいい接客をして、すごくいい雰囲気の中で、綺麗に商品を見せたときに、名刺入れ2999円ていうのがすごく安く見えるんですよ。すごく安く見えるんですけど、隣にある東急ハンズに行けば、本革の名刺入れって1900円で売ってたりするんで、格安とかではない。それが、自分たちのポジショニングをしっかりとっていくということです。

革製品でバッグを作るとか財布を作るとか、レッドオーシャンじゃないですか。すでにそんなブランド、会社がいっぱいあるっていう。だけど、バングラデシュには余ってる革がいっぱいあるからこれを使ってやる、バングラデシュにとってはこれが良いと思ってやろうと決めました。これがソーシャルビジネスの始まり方なんですよね。

マーケットから入らないんですね。なんとか革製品を売らないといけないと思った時に、穴を探したんです。穴を探してまねじゃないものがないかなと思った時に「僕らは後発だよな」と。革製品っていうと普通ブランドが大切な分野なんだけど、僕らは後発でノンブランド。後発でノンブランドでもディスアドバンテージにならないゾーンがないかなと探した時に、ビジネス領域だなっていう風に思ったんです。

例えば皆さんヴィトンが好きだったりプラダが好きだったり、サマンサタバサが好きだったり、皆さんそれぞれ好きなブランドがあると思うんですけど、ビジネスシーンってなった瞬間に、名刺入れでヴィトン持っているとか、営業の人だったらそうじゃない方がいいとか、人によって違いますよね。

ビジネスシーンだけは、個人的に好きなブランドが入っていけない聖域があるな、っていう。ここに関しては、品質は良いけれども値段はバンバン高くないノンブランドで全然いいよね、って。むしろ変に角の立ったブランドとかは入りにくいよな、っていうところでビジネスに特化した『すごく品質は良いけれどもリーズナブル』っていうゾーンを作っていこう、というのが僕らがとったポジショニングなんですね。

そのポジショニングを明確に表すために「ビジネスレザーファクトリー」という名前を付けました。そのポジショニングをどんと名前として取った、そういうやり方をしています。そうすると「今までこういうのなかったよね」ていう風に、ビジネスに特化した形で革製品をリーズナブルに提供できるわけです。

実際にビジネスレザーファクトリーの商品を是非見てほしいんですが、非常に精巧な作りをしています。バングラデシュで工場を作ろうと思った時に、革を売ったこともなければ工場もやったことないのでどうしたかというと、日本でインターネットで「革製品 工場」とか「技術 すごい」とか検索しました。

2社良さそうなのが出てきてそのうち東京にある1社が、職人と言えばここというようなところで。実際に蓋を開けてみたら色んなブランドをOEMしているところで、ホームページ見る限りすごそうな感じだったんで、そこに電話して「何とか教えてくれ」とお願いして、福岡から日帰りで会いに行きました。そこにバングラデシュ人とうちの副社長が約2ヶ月間、毎日親方に習いに行って、バングラデシュの工場を立ち上げた後も何度も技術指導しに行ってもらいました。

日本の技術で作ってるんですよね。実はヨーロッパの技術と全然違って…名刺入れの角どかも普通はペコッペコッて折って縫うだけなんですけど、日本人って丁寧で菊寄せという、放射線状にしわを寄せながら丸く縫い上げていく手法があったりして、日本ならではの縫い方ですよね。ああいう技術をしっかりやって本当にこだわる、革のクオリティも非常に高いんですよ。

製品に使う革は、AからFランクまであるんですよ。バッグだとEFまで使って大丈夫なんです、バッグは粗さが見えないんで。財布とか名刺入れっていうのは、繊細なのでABランクを使うんです。(AB/CD/EFと分かれている)ビジネスレザーファクトリーはビジネスバッグ等の大きいものも全部ABランクの革しか使いません。品質にも技術にもこだわって、それでリーズナブルな価格で出すという形、単純な価格としては最安ではない。それがビジネスレザーファクトリーがとってるポジションで、価格勝負しにいっている訳ではないんです。


Q.マーケティング支援や経営支援は、社内の人材ですか?それともアウトソーシングでしょうか。

A.今のところは全部社内メンバーでやっていますね。それはやっぱり、性格でしょうね。仲間とやるのが好きなタイプなので、効率良いからアウトソーシングというよりも、みんなでやってみんなで喜びを分かち合うっていうのが好きです。

ていうのが、今までですね。ただ、年間100社立ち上げようとしていくと、社内でやれることとやれないことが出てくるかなと。あとは時代もすごく変わってきてますよね。先ほどの話のように起業家も個人事業主の方が好きな人もいるし、会社に入るよりも個人の働き方で関わりたいって人も出てきている。その人たちは同志になり得ないかというと、そういうわけではないと思っています。

今後はフリーランスという形とか、外のプロの皆さんと一緒にやっていくというのは近い将来やってきますよね。実際にボーダレスのホームページでもパートナー採用というのがあります。こういう形で事業に関わりたいという提案をもらう採用方法です。

一部の事業会社はパートナーさんにお願いして、オペレーションを整える仕事をお願いしたりとか、色んな形で関わったりしています。広報の方とかもね、外部の人と協力してやってもらったり。これから、そういう風に広がっていくかもしれないですね。

資本関係のご質問

Q.ボーダレスグループ各社の株主は誰がなるんですか?そのまま完全に独立してしまうのでしょうか。また、ボーダレス・ジャパンから各社に資本が投資されると思いますが、株主との関係はどうなりますか?

A.株式に関しては、今ある35社は全て株式会社ボーダレス・ジャパンが100%株を持っている状態になっています。なので社長は株を1%も持っていません。一般の概念でいうと、100%子会社というのが形式上の表現になります。ただ、株式には2つの側面があって、支配力を持つというのが1つ、「会社は株主のもの」という意思決定権があるかどうかという面、もう1つはリターンがあるかということ。

ボーダレスの概念は「恩送りの集団をつくろう」ということなんです。株式会社同士でお金を回すことをどうやるかというと、借入はできないんです、それを唯一やる方法は配当なんです。なので出資してたくさんサポートする=恩を送るお金は出資金としてサポートします。それを、恩を送る側になったら配当という形で出していく。

もし社長が株を10%もっているとしたら、等分で配当したときに90%はボーダレス・ジャパンにいくけれど、10%は社長本人にいきます。そういう風にしたときにどうなるかというと、めっちゃ儲かっている会社の社長はその10%で結構いっぱいお金が入ってくる。めっちゃ儲かってないところは少ししか入ってこない、ということになっちゃう。これは清い素直な集団を作ろうとしたら、すごく邪魔になります。

例えば、アフリカのケニアで頑張っているメンバーがいますけれども、めちゃくちゃ大きなインパクトを出しています。でも年間3000万円くらい利益出すのは結構きついと思うんですよ。限界がある。でも日本でしっかりやっていい事業が出来上がったら、年間4億円くらいの利益出す会社もあるんですね。

じゃあ同じ10%っていったときに、4億円出してるところの社長は10%で4000万円が懐に入ってくるのに、ケニアで頑張っている人たちは、10%の300万円しかはいってこない。この4000万円と300万円が、同じチームで助け合おうっていう風になるかっていうと、なかなか難しいぞっていう。なので株式というものは持たない、株式を既得権益と見なさないというのが僕ら全員の考え方です。これは当然ながら、支配力も持っていません。僕らは便宜上、その形態(株式会社)をとっている。

じゃあ実際の自分の報酬はどうなの?というと、自分で決めていいんです。誰からの監督も受けないという風になっています。お金がもっと欲しいですという人は、どうぞ自由にあげたらいいし自由にもらってください。どっかの大企業の事業部長は3000万円くらいもらってるんで僕も3000万円ほしいよ、っていうのも「いいんじゃないですか」っていう。

その代わりルールはあるよと。自分が3000万円もらいたいんだったら、1番年棒の低い人の1/7にしましょうね、つまり430万円くらいにするんだったら自分は3000万円でいいんじゃないですかということです。1番年棒低い人は200万円で雇ってるのに、自分だけ3000万円もらうっていうのは無理です。1番年棒低い人が200万円だったら、どんだけすごい会社で創業者であっても7倍の1400万円があなたのMAXですよという、人としてのけじめを持ちながら自由にやっていこうね、という感じでやってます。

だから一般の概念と株式に対する考え方が全く違うんです。株式配当はしないというのは、ボーダレス・ジャパンに対する考え方なんですよね。子会社からは恩送りをするために配当をしっかりやっていくけども、それを事務局であるボーダレス・ジャパンのメイン株主である僕に配当が入ってくるとなると、「何のために頑張ってるの」ってなってしまう。

なのでボーダレス・ジャパンを所有している僕という人は、配当をもらってはいけませんというのが、このルールの考え方です。ちなみに僕の給料もそうなんです。ネットで僕の給料は2000万円とかって勝手に出てて(笑)そういう嘘つきがいっぱい出てくるな~って、2000万円も全然もらってないんだけど。

僕の給料もみんなと同じです。ボーダレス・ジャパンていう会社の中にいる1番年棒の低い人の7倍以内、っていうのが僕の給料です。実質的には創業者メリットは全くゼロですよね。かつ、理論値的には僕の給料が一番低くなります。

なぜかというと、事業会社はバックオフィス業務っていうのを全部アウトソースできる仕組みになっているんですね。つまり総務とか法務とか経理っていうところって、一般的にはそんなに給料が高い人ばかりじゃなくても、業務的なところをやる社員がいっぱい必要になります。一方で事業会社っていうのはシステム開発とか営業とか、(一般的には給料の高い)事業開発部隊だけを背負えばいいっていう。事業会社の社長はその7倍以内になります。

僕はコストを握っているので、給料ばんばん高くあげていく集団ばかりではなく…その7倍以内っていう感じなんです。そういう基本的な安心感というか、事業社長がめっちゃ頑張って僕が一人お金持ちになるということはまずありえない仕組みになっているんです。だから株式の話に対してボーダレスグループとして疑う人が誰もいないし、定款に前文を書いてます。憲法に前文があるように定款にも前文を作って、その言葉を定めています。これは逸脱できないことになっています。

日野:ボーダレス・ジャパンを本部とか本社って呼ぶ関係でもないですよね。
田口:はい、それはもう禁止ですね。本部とか本社とかいう言い方はそもそも禁止されているし、そういう関係性でもないです。

社会についてのご質問

Q.ソーシャルビジネスがたくさん出てくる日本をつくるために必要なことは何だと考えられてますか?

A.やっぱりね、起業の難しいところは個人リスクがあることなんですよ。そこをどうできるかっていうところです。リスクって「リスクとリターン」という兼ね合いでとられますよね。ハイリスクだけどハイリターンがある、そういうのを喜ぶ人って実際にはごく一部なんですよ。

ほとんどの人はもっとフラットな考え方で、リスクとってまで大きなリターンとろうとは思わないっていうのが一般大衆ですよ。99%の人間ってそういう人たちですよね。そこで起業というものをやろうと思った時に、個人リスクを負いなさいっていうのが難しくなってくるかなと。

僕はソーシャルビジネスを増やすために、ソーシャルベンチャーファウンドっていうものを作りたいなと思っています。ソーシャルビジネスって別に上場させる訳じゃないですよね、いわゆるベンチャーキャピタルって千三つ(せんみつ)といわれるように、あらゆるところにいっぱい張ってそのうちのいくつかが何万倍にもなります、みたいな形で他の物を回収するっていうものです。

それはそれで素晴らしい一つのエコシステムが出来上がっていると思うんですけど、僕らのソーシャルビジネスっていうのは1個1個が確実に成功していく、小さくてもいいから成功していくってことが大切であって、それが何万倍に化ける必要はないんですね。そういう意味でEXITを持たないんですよ。EXITがないからここにお金を投資する人たちがいないっていうのが、この業界の苦しさ。

なので、そういうお金の回し方じゃない、別の回し方が必要かなって思ってます。今、起業家にも社会起業家がいるように、投資の世界にも社会投資家といわれるものがあって、この社会投資家がめちゃくちゃ増えてるんですよ。めちゃくちゃ増えてるんだけど、社会投資家が何に困っているかって…この前も大手の信託銀行が僕のところにいらっしゃって「投資信託をつくりたいんだけど、投資先がない」って言うんですよ。

ソーシャルベンチャーとかソーシャルビジネスやってるところでやりたいんだけど、ある程度何十億とか何百億(円)っていう単位で運用できないと、商品にならないと。それだけの投資先がないですっていうのが実際の声だったりするんです。だけど、そういうところに投資したいっていう投資家は山ほどいます。ESG(Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の三つの言葉の頭文字をとったもの)って言われたりしますけれど、そういうのが一般的な流れとしてあるのに投資先がないのが実態です。

だから、そこの枠を作った方がいいと思って、ソーシャルビジネスファウンドを作ろうと考えているんです。社会投資家からのお金をそこに入れていく。彼らが求めるのは、すごい大きなリターンじゃないんですよ。どっちかというとリターンは少しでいいと、その代わり社会的リターンをくれと。つまり、自分が投資したことによって社会にどういうインパクトが出たのかっていうのをハッキリ見える形で教えてくれよっていう、そういう投資商品をやったらいいかなって思ってます。

なので、ソーシャルベンチャーファウンドを作ろうっていうのが一つ。そこでノーリスクでできるように、そこからお金を借りてトライできるっていうこと。利益が出たらちゃんと戻してくださいと。出来なかったときには、「あなたのところの担保を引っぺがすよ」ということがない仕組みをうまく作れたらいいなっていうのが一つの形です。
そのためには今ボーダレスが頑張っているように、必ず伴走する人がいないと難しくなります。放っておいてお金だけ貸してっていうのはやっぱり難しいので、僕らはどういう形で伴走していけるかなっていうのを、これから開発していくっていうことですね。

あとは僕は銀行を作りたいと思っています。ボーダレスバングをどっかのタイミングで作りたい。経済が回っているのって、個人が預けたお金を銀行が融資してその利子をもらって、また預金者に利子を返してっていうこの差額で回るのが銀行です。

今、僕らがどこかの銀行に預けたときにそのお金がどこに行っているかって全然分かりませんよね。軍事兵器の開発をやってる会社に行くかもしれないし、分からない。これもお金の流れと同じかなと思っていて、あなたがうちに預託してくれたらそのお金はソーシャルビジネスをやる会社にしか融資しませんよ、ということをクリアすればそこにお金を集めたいっていう人が来るかなと。

今利子なんてほどんどないですから…銀行からお金を借りるとき1.5%とかで借りるわけで、そしたら一般の人たちに0.5%の利子ですよという、他よりもちょっといい利子でも出来る可能性はあるんじゃないかなと思っています。そうやって専門のソーシャルベンチャーにだけ投資するってなったら、そこにお金を預けたいっていう人たちが十分出てくるだろうなって。そうするとソーシャルベンチャーに低い利子でお金を貸すことができると考えています。

銀行は少し時間かかると思うので、まずはソーシャルベンチャーファウンドくらいから始めていけたらいいなって思ってます。


Q.政府に期待することはありますか?

A.僕はあまり期待はしてないんです。期待しないっていうのは諦めてるっていう意味じゃなくて、淡い期待はしないっていう。自分がどう関わっていけるかをいつも考えるタイプなんです。

政府なりなんなりって、みんなそれなりに頑張った結果こうなんだろうから、そこをどうこうというよりも…とはいえ僕は良い政府だとは全然思っていません。だけどそう言ってても仕方ないんで、どう変えていくのかっていう話です。僕は地方から変えていくっていうのが、具体的な一手だと思っています。

やっぱり歴史を見ても必ず地方から変わっていきます。中央政府を変えるとか、東京都を変えるってすごく難しいことだと思うんですよね。地方って無投票で通っちゃうようなものもあったりするじゃないですか。地方はこれからすごく大切なのに、議員が変わらない地域がすごくいっぱいあるんです。

実は色んな提案しに行ったりするんです。ある旅館組合が「つぶれそう。助けて!」っていうので、僕らは全然儲からないのに「こういうことをやろう」って提案しに行ったんだけど、やっぱり新しいことはしたくないって議会で止められたりね、そういうのが結構いっぱいあるんですよ。そういうことってすごく勿体ないなと思っていて、地方議会から変えていくっていうのは僕らでも出来ると思ってます。

僕は3~4年を目途に政治の世界には行きたいなって、ボーダレスとして。僕らが立候補するとかそういうことじゃなくて、ビジネスの仕組みを変えたように、政治の仕組みも変えていくってことがすごく大切です。まずその手がけ方として地方議会をどうしていくかというところから、日本を少しずつ変えていくことは出来るかなと思っています。

自分が常にコントローラブルに働きかけることを考えているので、今の政府に対して言いたいことはいっぱいありますけれども、その中で自分がどうしようとしているかというと「地方議会を変えていく」ということが面白いと思っています。日本が変わっていく上で。

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