私からは、ボーダレス・ジャパンが日々創り出すWebサイトやパッケージデザインなどの「クリエイティブ」について、事業部のデザインへのこだわりや制作の裏側などをお話していきたいと思います。

ボーダレス・ジャパンはソーシャルビジネスしからやらない会社として、事業運営を行っておりますが

共有点はそれのみで、中身はシェアハウス事業「ボーダレスハウス」オーガニックハーブティー「AMOMA」お揃い子供服ブランド「Corva」ビジネスマンを応援する本革ブランド「Business Leather Factory」などなど実に様々な事業が存在し、解決する問題も業界もコンセプトもそれぞれに異なってきます。

そのため、私たちクリエイティブチームはその事業によってチャンネルをパチッパチッと変えるように頭を切り替えて、担当する事業のデザインを考えていかなければなりません。

その中で、今回はオンラインで創る革小物のオーダーメイド「JOGGO(ジョッゴ)」のリニューアルデザインの裏側についてお話したいと思います。

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革小物のカスタムデザインJOGGOがオープンした2014年3月当初は、事業のメインターゲットを30代、40代の男性に絞っていました。本革製品をオーダーメイドまでしようと思うのは、若い男女ではなく、きっと時間やお金に余裕を持ったビジネスマンで、さらに本革のことを熟知した人だろうと。

ですから、最初のデザインはオトナの男性にマッチするよう「落ち着き」や「本格的」などをキーワードとしたこちらの静かなサイトイメージでした。じっくりと商品を眺めて、検討してからカスタムデザイン画面に進むという流れです。

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インターネット通販で重要な指標の一つにCVRというものがあります。これは、「WEBサイトへのアクセス数のうち購入に至った割合のこと」で、端的に言うとこの数値が高ければ高いほどサイトに入ってきたユーザーの心を掴むWEBページになっている事を表します。

JOGGOにおいては、キャンペーンや季節性はあるもののこのCVRが常に1%という横ばい状態が続いていました。そこでオープンをして半年を経過したとき、「このデザインが本当にお客様の心を掴んでいるのか」、「想定したターゲットが合っているのか」を確認するため、購入したお客様だけでなく、アクセスはしたものの購入しなかったお客様も含めて、徹底的にユーザーへのヒアリングを行いました。

数十名へのヒアリングの結果、私たちのこれまでの想定とは違い、ユーザー属性は「主に30代の女性(男性35%:女性65%)で好奇心旺盛なオシャレさん」であることが分かってきました。しかも本革に詳しいわけでも、こだわりがあるわけでもなく、ライフスタイルの中で自分が創ったデザインを持ち歩くこと自体を楽しんでいる方々でした。

(実際のFacebookでの投稿)

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そこで、クリエイティブチームはJOGGOのデザインキーワードを「大人ワクワク!」に変更し、WEBサイトの全面リニューアルを決定
つまり、本革製品の価値よりも、まずはiPhoneケースや名刺入れをデザインをすること自体に楽しみを感じている大人をターゲットに変更したのです。また、購入者の半数以上がスマホからアクセスしていることも分かり、パソコンとスマホ、どちらからアクセスしてもデザインが最適化されるレスポンシブデザインも採用しました。

2014年12月にJOGGO Custom Design としてリニューアルオープン。
テーマカラーをビビッドなイエローとブラックに変更し視認性を強め、サイトを訪問した方がよりワクワク感を感じて頂けるよう、トップイメージにはずらっとユーザー写真を配置、コンテンツ全体にもスクロールと連動する賑やかで楽しいアクションも加えていきました。また、デザインシミュレーションも商品ページの上部に埋め込み、直感的にすぐデザインシミュレーションを行って頂ける様に仕様に大幅に変更いたしました。

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このデザイン変更によって、CVRは1%から2.5%まで上昇し、問い合わせの数も3倍以上に増えました。(測定期間12/27~1/11)商品数や商品価格にはほぼ変更がないため、まさにデザイン力そのものが売上アップにつながった事例と言えるかと思います。

たかがデザイン、されどデザイン。
しっかりとターゲットにマッチしたデザインを創ることでこんなにも変わるんですね。
しかし、ユーザーはどんどん変化していきます。だからこそクリエイティブ・デザインセンターでは常に市場とお客様を見つめながらさらに良いデザイン、技術を追求していかなければなりません。

革小物のカスタムデザイン「JOGGO Custom Design」