
前回のバディブログ:ZOZOTOWNから学ぶユーザー巻き込み型の「バズマーケティング」術とは
今回のバディブログはアイデアの出し方!
仕事をする上でアイデアは欠かせないもの。良いアイデアは時として、劇的に売れる商品やサービスを生み出したり、人をワクワクさせたり、難しい課題を解決したりと様々な効果をもたらします。そしてアイデアの発想は今や経営者やクリエイターだけが求められるのではなく、どの立場の人にだって求められるものです。
でも、自分はアイデアを出すのが苦手で、、、と諦めてしまいがち。「あの人はいつも面白いアイデアを持っている」と言われるような人たちは何か特別な能力を持っているのでしょうか。いや、実はアイデアを生み出すにはいくつかの発想法があるのです。そこでアイデア出しの時に、日頃から取り入れているいくつかの発想方法をご紹介致します。
1.別の視点に立ってみる
「全く新しい車のコンセプトを考えてください」
あなたがこのような課題を出されたとします。あまり意識していないと思いますが商品にはそれぞれ売る側のコンセプトが込められています。もちろん車も同様。単純に「人を乗せて高速移動するマシーン」というコンセプトだけであればデザインや機能を変えた車種を増やす必要はありません。クルマという名前一つだけで良いわけです。でも、実際はターゲットやライフスタイルのが違いから価格も大きさもデザインも実に様々な種類の車種が販売されています。
新しいコンセプトの自動車をあなたならどのように発想しますか?新しいコンセプト、新しいコンセプト、、ん〜、、と念仏のように唱えていてもアイデアは生まれません。
そこで別の視点に立って発想するという方法です。
やり方は「クルマとは◯◯◯のための△△△だ」という文章をつくるだけです。
◯に入るのは自分とは別の立場の名前。△にはその人にとってどんな存在かを当てはめていきます。
例えば
▪️クルマとは、家族のための動くリビングだ
▪️クルマとは、赤ちゃんのためのよく眠れるベッドだ
▪️クルマとは、カップルのためのデートスポットだ
▪️クルマとは、お父さんのための小さな書斎だ
といった感じです。どうでしょうか、こうして見ると今まで移動手段とだけ考えていた車がリビングになり、ベッドになり、デートスポットにもなってしまいます。ちょっと強引だと思われるかもしれませんが、こう定義することでアイデアはどんどん膨らんでいくのです。
ここで重要なのは、自分が予想できないような立場を◯◯◯の中に思い切って入れてみることです。愛犬だったら?おじいちゃんだったら?宇宙人だったら?とかでも面白いと思います。あとは車という存在がその立場の人にとって何になるかを考え見れば良いわけですね。
この手法によって、実際に生まれた有名なコンセプトの車があります。トヨタの「bB」です。bBの発売当初のキャッチコピーは
「トヨタ、ミュージックプレーヤー発売」
でした。これは音楽好きな若者をターゲットに開発されたアイデアです。だから、上の文章に当てはめて見ると
「クルマとは、若者のためのミュージックプレーヤーだ」
となりキャッチコピーもそのまま作られたわけです。
こうしてbBは“クルマ型Music Player”という開発テーマを掲げ、重低音の鳴り響くウーハーやスピーカーを9つ配置し、音楽に連動して点滅するイルミネーションも取り付けました。このように、この手法で生まれた一つのメッセージがこれまでに無いコンセプトの車を生み出し大ヒット商品となったのです。
2.既存条件を破壊する
「全く新しいホッチキスのアイデアを考えてください」
今度はゼロから新しいアイデアを発想するのではなく、既存の枠組みの中からアイデアを出すという方法を考えてみましょう。実際、仕事をする上では圧倒的にこちらの方が多いと思います。でも自分が日々行なっている業務の中から新しいアイデアを出すのは容易ではありません。なぜなら、その仕事を知りすぎているがあまり新しい考えが凝り固まっていたり、アイデアを思いついても、もう既に検討されている事があるからです。
その時に試したいのが、既に当たり前に存在している既存の条件を破壊するという方法。これは商品やサービスをつくる目的は変えず、手段だけをぶっ壊す方法です。言葉では難しいので具体例を書きましょう。
ホッチキスは言わずと知れた「紙を一つに綴じる」有名な文房具です。
ホチキスの目的:紙を一つに綴じてまとめる事
その手段:針で穴を開け貫通させる
実に100年以上も、針で穴を開けて紙を綴じ込む手段はホッチキスの揺らぐことのない既存条件でした。もはや、この方法以外に紙を一つに綴じ込む手段を考える必要がなかったのです。しかし、時代は21世紀を迎え企業の商品やサービスにエコが求められる時代となっていきます。ホッチキスに至ってもその波に逆らえず、文具メーカーのコクヨでは、エコなホッチキスの斬新なアイデアが求められました。
そこで既存条件を破壊するアイデアが出されます。
針を使わないホッチキス
穴を開けないホッチキス
驚くような破壊をアイデアとして掲げます。ホッチキスの目的はあくまで紙を一つに綴じる事であり、その目的が変わらなければ手段はどれほど変えても良いのです。当時はそんなこと出来るわけないと社内の誰もが感じたと思いますが、結果的には2009年に針を一切使わないホッチキス「ハリナックス」を開発。さらに2014年には紙に穴を開けるこもなく紙同士を圧着するホッチキス「ハリナックスプレス」の製品化に成功し大ヒットしました。それまで絶対と思われた既存条件を見事に破壊したのです。
その他にも
ダイソンの「羽根の無い扇風機」
ブリヂストンの「パンクしないタイヤ」
ピニンファリーナ社の「インクがいらないペン」
なども、この手法を使って打ち出したアイデア商品は数多くあるのです。
3.反対にして考える
「全く新しい下着のアイデアを考えて下さい」
商品やサービスにはそれぞれが持つ価値があります。価値があるからこそ売れ続けるわけですし、何回もリピートするような熱狂的なファンもできるのです。ただし、一つの商品価値を膨らますアイデアはある一定の水準に達すると、新しい価値を生み出すことが非常に困難になってきます。
そこで今度は、反対にして考えるという発想方法です。
簡単に言うと、現在の商品が持っている価値を否定してしまうという手法です。そんな事ができるかって?私もそう思っていましたが、それで新しいアイデアを現実にした例が沢山あります。
「小さく見せるブラ」はその典型的な例。日に日に進化する女性下着のブラジャーは女性が好むデザインや素材、着け心地などはもちろんのこと、バストの形をよりキレイに見せたい、さらには実物よりバストを大きくみせたい女性の欲求までを満たす機能的な面を各メーカーで競い合ってきました。そんなレッドオーシャンに逆転の発想で新しいアイデアを生み出したのがワコールの「大きな胸を小さく見せるブラ」です。
これはワコールが求めてきたブラジャーの美しく大きく見せるという概念を全く反対から発想したことで、「大きいのは太って見えるからイヤ」「ブラウスの隙間が出来て恥ずかしい」というこれまで誰もが見逃していたニッチニーズを開拓し、新しいブラジャーのコンセプトを打ち立てたのです。この商品は2010年の発売以来、現在まで毎年のように増産を重なるほどの人気商品となり、今では代表的なカテゴリー商品となりました。
反対にして実現したアイデアは他にも、
会いに行けるアイドル 「AKB48」
歩きづらい靴 「イージートーン」
一目で義理とわかるチョコ 「ブラックサンダー」
消えるメッセージアプリ 「スナップチャット」
など、どれも聞いた事がある商品だと思いますが、これらは全て通常に備わっている価値を全く反対にして考えられた結果、新しいニーズや商品の役割に気づき大ヒットを生んだ商品達なのです。
いかがでしたでしょうか?
・別の視点に立ってみる
・既存条件を破壊する
・反対にして考える
これらは私が日頃アイデアを出したくても中々出ない時に、順番に行なっている3つのアイデア発想法です。もちろん、私も含めてこれらをやった所ですぐに目が覚めるようなアイデアがすぐ浮かぶわけではありませんが、覚えておく事で考える時の取っ掛かりにはなるかと思います。
この他にも、皆さんにご紹介したい発想方法がもう何個かあるのですが、ここまで書いたら思ったより長いブログになってしまったので今回はここまでにします。次回はこの続きから。もう少し違った角度でアイデアの発想方法をお伝えしたいと思います。
あなたが、新しいアイデアに出逢えますように。
◆社長の相棒「バディ」ブログ◆
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