前回のバディブログ:堀江貴文氏の「飲食店に料理の味、必要ない論」に隠された飲食店経営成功のキーワード

1.情報共有って本当に難しい

みなさん情報共有してますか?
最初から最後まで自分1人で完結できる仕事なんてない。だから上司、部下、同僚、時には他の部署まで、とにかく色んな人とコミュニケーションをしながら進めていく。単純な作業ならまだしも、長きに渡るプロジェクトとなると多くの情報が複数人の間で同時進行で絡み合っている。

だからチームのメンバーでメールや管理ツールを使ってタスクの進捗確認をしたり、頻繁に集まって会議をする。それだけじゃ足りず、社内メッセンジャーやSNSまで使うこともあるだろう。
そう、組織って日々めっちゃ情報共有をしているのだ。

でも、人はよく言う。
「その話は聞いてない」
「その話だけじゃ分からない」

私も何回も言われたことがあるし、言ったこともある。不思議だ。組織でこんなに共有してるのに?めっちゃ発信してるのに?
なのに伝わらない。

社会人3年目ぐらいの時にこんな事があった。

作内(わたし) 
「その話、詳しく教えてもらえますか?」
先輩      
「え?プロジェクト違うし、大体で良くない?」
作内      
「いや、、全体を知りたいので、もう少し詳しく教えてくれませんか?」
先輩      
「別に良いけど作内にあまり関係ないと思うよ」

文字にするとかなり悪い先輩に見えてしまうが、先輩は決して意地悪で教えなかったわけではなく、そもそも私に共有する必要性を感じていなかった。だから、教えてくださいと言ったあとは渋々ではあったが丁寧に教えてくれた。

情報共有の難しさはここにある。
発信側は大体ちゃんと伝えているつもりだったり、そもそも言う必要がないと思っている。反対に受け手側はもっと詳しく知りたい、どうして教えてくれないんだろうと感じていたりする。

特に、発信側が「自分はしっかり情報共有をしている」と思っている場合、残念ながらもうそれ以上に情報が共有されることはない。

ツールを駆使しても情報共有は上手くはいかない

2.ツールを駆使しても共有は上手くはいかない

組織にとって情報共有は永遠の課題だ。どの会社でもメンバー間、チーム内、会社全体でスムーズに情報が回るように多くのツールを活用しているし、各企業からも情報管理システムが次々と売り出されている。ただ、残念なことにツールの導入と情報共有の解決はイコールではない事が多い。

ある大手商社が2億円をかけて独自開発した情報管理システムは、スケジュール機能やSNS連携、Wiki機能、検索まで付いた高機能なもので、社内のシステム部が社員全員に対して研修までして周知したのだが、1ヶ月もすると形骸化し結局は誰も使わなくなってしまったという。

フリマアプリで有名なメルカリでは今年、それまで部署やプロジェクト単位で複数使い分けていた共有ツールを一本化し、社内情報を一つにまとめ情報共有を効率化したという記事が出ていた。これもツール導入の記事かと思ったが、彼らのゴールはツール導入ではなく「社内で情報を書くマインド」をつくる事だった。

最初はリーダークラスに新しいツールを使うことを習慣化させ、次にそれを使うことでどんな改善ができるかを提示し、徐々に社内に定着させていったという。

どんな優秀なツールでも結局使うのは人なのだ。
使う人が情報を共有しようと思わなければ無論、情報は発信されない。

3.合理性は時にコミュニケーションを犠牲にする

効率的な座席配置

一つの興味深い実験がある。
何をしても、どんなツールを入れても組織のコミュニケーションが上手く行かない企業が、トップダウンの命令により強制的に部署をごちゃ混ぜにした座席の配置転換を行なった。

それまでは部署ごとの合理性を考え機能的に配置されていた座席がある日を境にして、営業部Aさんの隣には経理部のBさん、その隣には商品開発部のCさん、そのまた隣には品質管理部のDさんといった具合となった。これには社内から非難轟々。

同部署の人間が遠くなったことでスピーディに打ち合わせができない、コピーを最も使う経理担当がコピー機から遠くなり非効率、自分の仕事に関係のない人が隣にいる意味が分からないなど。とにかく大騒ぎになった。でも、1週間が経ち、2週間が経つと状況が変わり始める。

「経理部のBさんって、大人しいと思ってたけど意外と面白い人なんですね」
「さっき電話で営業してた会社、ウチの品質管理部で既に取引あるかもしれません」
「机に置いてる開発部のサンプル、営業でお客さんの所に持っていってみましょうか」

そうして1ヶ月後には1人1人が違う部署にも関わらず、飲み会に出かけるグループも現れるようになった。
何だか皮肉な話だが、合理性を考えて整然と並べた座席配置では解決されなかった問題が、この非効率的な座席配置にして初めて他の部署への興味が湧き、そこにいる人へと興味が湧き、自然と社内に情報共有が生まれたのだ。

4.情報共有とは愛を伝えること。

情報共有とは愛を伝えること。

今月、ボーダレスの新規事業の一つ「みらい畑」が12月に初出荷する野菜パッケージのクリエイティブを担当した。今回はバディというより一時的な助っ人マンとして参画したカタチだ。

プロジェクトを始めてすぐ違和感を感じ、社長の石川美里に「もっと情報をシェアしてほしい。自分が思っている2倍か3倍ぐらい!」と頼んだ。いままでの取り組み、商品のこと、地元の人との会話、いま困っていること。何でもよかった。とにかくクリエイティブをカタチにする上で、東京から遠い宮崎県でスタートしたみらい畑の空気感を何としても掴みたかった。

同じことを私が現在バディを担当するボーダレスキャリア高橋大和にも言ったことがある。「思ったこと、起きたことをもっともっともっと共有してくれ」と。

大和も美里も必要なことは全て私に話していたし、本人たちも十分に共有していると思っていたと思う。でも伝わらなかった。何というか彼らが持ってる「愛」が伝わらなかった。
あともう少し、日々思うちょっとした事や、何気ない出来事でいい。もっと共有してくれたら、私も同じレベルで愛せるのになと思うことが何度もあった。

他者との仕事をスムーズに進めるには、自分の仕事の仕方や考え方を周りに理解してもらう方が良い。その最も確実な方法は、メンバーへの愛、事業に対する愛、はたまた、自分が困っている事、悩んでいる事などの熱量を相手に分からせる事なのかと思う。

情報共有は「Give & Give」だ。
与えて与えまくる、無償の愛だ。

母のように思いやりがあって、おせっかいで、たまに面倒な。あの愛だ。

だから、必要ないだろうなぁと思っても自分が知っていることを教えるし、欲しがらないだろうなぁと思っても得た情報をシェアするのだ。面倒でも教えるのだ。

すると、いつのまにか「愛情」や「悩み」が伝わり、自分の仕事や考え方が理解されるようになってくる。

与えて与えまくると自分が空っぽになる。すると、その不安から今度は他人の情報を貪欲にインプットするようになる。そうしたアウトプットとインプットの連続した社内循環が会社全体に情報共有の波を生み出していく。

ボーダレスが目指すGive&Giveの精神。
正直、まだまだできていない。

だからこそ一人一人が「愛」を持って、そのちっぽけな情報を与えまくるのだ。

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