前回のバディブログ:一線は超えていません!の「一線」とはなにか!?

ボーダレスで新規事業が立ち上がった時、その社長の相棒に付くバディ。今回は事業が立ち上がった後、事業が安定的に伸びていくために必要な「修正力」について書いていく。

1.ソーシャルビジネスに必要な2つのコンセプト

新規事業が立ち上がる時。それは、ある社会課題を解決しようとする若き社長が数ヶ月間練りに練ったソーシャルビジネスが完成したことを意味する。ソーシャルコンセプトとビジネスコンセプトが合わさって、一つの具体的なビジネスモデルがリリースされる。

ソーシャルビジネスには以下の二つが設定されてなければいけない。

1.ソーシャルコンセプト
→ 誰の何の社会課題を解決するのか。

2.ビジネスコンセプト
→ どのような手段でその社会課題を解決するのか。

この二つの違いについては、副社長の鈴木のブログに詳細が書かれているので、そちらを参考にして頂きたいのだが、要はソーシャルビジネスは「ソーシャルコンセプト」、「ビジネスコンセプト」この二つがなければ成立しない。

ソーシャルコンセプトは一度設定したら変わることのない事業の目的であるのに対し、ビジネスコンセプトは社会課題を解決すべき「手段」のことを指す。そのため上手く事業が回り始めるまで幾度となく変化し、修正をし続けていく。

ソーシャルコンセプト: 不変的な事業価値。事業開始から原則的に変わらない。
ヒジネスコンセプト : 社会課題解決の手段であり事業開始後も修正し続ける。

この下段の「ビジネスコンセプト」の修正が、実に新規事業においての肝となる。

はっきり言って、初期に練られたビジネスコンセプトが、最後にそのままのカタチで残っていることはまずない。原型を留めていないことだってある。社長もバディも長い間考えてたビジネスコンセプトだから、これ以上正しい方法はないのだと確信をしている。だが、事業を始めると修正はすぐに迫られてしまう。なぜなのか。

2.なぜビジネスコンセプトを修正するのか

それは、ターゲットの消費行動が自分の想定した動きにズレが生じるからだ。
ターゲットの感情や購買意欲などは複雑で、そう簡単なものではない。絶対にこうだと思っても、いざ始めると計画通りに売上は立ってはくれない。つまり何かのボタンがかけ違っている。ボーダレスではこれを成功の押しボタンと呼んでいる。

ビジネスコンセプトの修正は、この押しボタンを探すことだ。

どこかの天才経営者が、ある瞬間に閃いたビジネスコンセプトがそのままのカタチで世の中に出ていく事があるかもしれない。ただ、ほんの一握りというか、もはや奇跡だと思う。スティーブ・ジョブズだって、ジェフ・ベゾスだって、きっと初案から修正に修正を重ねて理想のカタチへと近づけていっている。

だからこそアイデアを出したあとは、その瞬間から過信せず「本当にこれで合ってるのだろうか」という疑いの目で自分自身のコンセプトを見つめ直さなければならないのだ。

この修正作業は自己否定の繰り返しであり、とても苦しい作業だ。内容的にも価格を下げようとか、広告の配信先を変えようとかいう改善作業ではなく、もっと根本的な課題となることが多い。

なぜ、商品を買ってくれないのか。
なぜ、もっとお客さんが来てくれないのか。
サービスの内容が伝わっていないのかもしれない。
ターゲット自体が違うのかもしれない。
事業が差別化ができてないのかもしれない。

答えがでなければどんどん原点に戻っていく。情けないなぁ、カッコ悪いなぁ、と思いながら初期のコンセプトを変えていかなければならない。カッコつけて突っ立ってたって、お客さんは買ってくれない。お店にも来てくれない。それだけは事実だからだ。

3.ターゲット一人に憑依して考える。

事業をつくる当事者はその事業を考えすぎるがあまり、事業ナルシストになっていることがよくある。この商品はここが良いんだ!ユーザーのためなんだ!ここに、こだわってるんだ!と。ただ、利用する方からすればそんなの知ったこっちゃない。良ければ買う、悪ければ買わない。それだけだ。

そんな時は、自分が知る特定のターゲット一人だけに絞って憑依するようにしている。なーんだユーザー目線になれってことね、と思われるかもしれないが実はそれほど簡単でもない。「憑依」するからだ。相手が、20歳の女性でも、外国人でも、高齢者だったとしても。そして憑依する相手は、自分の事業を利用しなかった(購入しなかった)方がさらに良い。

憑依が完了したら、

なぜ、自分は買いたくないんだろう。
なぜ、自分は利用したくないんだろう。

を考え続ける。すると、仮説が生まれてくる。

このデザインの印象が良くないんだ!
この文章の意味が伝わらないんだ!
この商品を必要としてるのは、そもそもこの人じゃないんだ!

などと。仮説ができた後で、実際にその人物にヒアリングを行う。
ヒアリングを最初から行うのではなく、憑依の後にするのは、人は「こうじゃないですか?」と具体的な事例を提示された方がYESかNOかを正確に判断することができるからだ。深層心理で思っていることは自分でも気づいていないことが多く、言われれてみて初めて、触れてみてはじめて、その良し悪しに気づくのだ。

そうやって、一つの修正案がまとまる。
その修正は、また間違っているかもしれない。
しかし、それが失敗だと分かった事が自分たちの財産となる。

一歩、事業が前進する。

事業を前に進めるということ。それは、現状の何かを変えることだと信じている。
その修正が早ければ早いほど事業も良いものへと変わっていく。

このことを自分に言い聞かせながら、今後も変化を怠らず、恐れず、ビジネスコンセプトを修正し続けてる一人のビジネスマン、社長のバディでありたいと思う。