就職、進学、独立―。数ある進路の中から社会起業家への道を選んだ人が、毎年ボーダレス・ジャパンに集う。2018年4月に新卒で入社予定のメンバーに、この道を選んだ理由を聞いた。

6人目は、小野 悠希さん。「自分の意志で生きている、と思える人を増やしたい」と語る彼女は、何がきっかけで社会問題に関心を持ち、どんな経験を経てこれから何をしたいと考えているのだろうか。
(聞き手 / ボーダレス・ジャパン 新卒採用担当:石川)

機会の不平等をなくしたい

―最初に、小野さんがやりたいことについて教えてください。

小野:「自分の意志で生きている」と思える人を増やしたいです。そのために、機会の不平等さ、特に「お金がないから何かができない」という人を減らしたいと思っています。私が今まで出会ってきた途上国の人は農家の方が多かったので、まず、彼らが農業で生計をたてられるよう、ビジネスでアプローチしたいと思います。

―ちなみに、小野さんは2年前からすでに、ボーダレスのことを知っていたそうですね。

小野:そうなんです(笑)。2年前の夏に、知人を通じてボーダレス・ジャパンのミャンマーオフィスと、バングラデシュの工場に行く機会がありました。彩菜さんBORDERLESS LINKの仕事現場を見せてもらったり、ファルクさんに工場を案内してもらったりしたんですよ。

―社会問題解決やソーシャルビジネスには、かなり早くから関心があったんですか?

小野:実は、その時にボーダレスの事業を知るまで、ソーシャルビジネスという言葉さえ知らなかったんです…(笑)

大学に入ったばかりの時は旅行が好きで、ユーザーが旅を企画するWebサービス「trippiece」で広報のインターンをしたり、世界一周団体「TABIPPO」が企画する2000人規模のイベントで学生団体へ営業をしたりしました。シンガポールでのビジコン形式のインターンにも参加したんですが、ソーシャルビジネスとはあまり関連していなかったです。

2年生になった時に、高校生の頃から興味があった株式会社「CRAZY」でインターンをすることができました。ちょうどウェディング事業の大阪支社を立ち上げるタイミングで、自分で仕事を創っていかなきゃいけない中、半年間、結婚式場の開拓準備や社内の共有ツールの情報整備などをしていました。

自分の人生を何にかけたいか?

―その年の夏にボーダレス・ジャパンの事業を目の当たりにして、どうでしたか?

小野:BORDERLESS LINKのオフィス見学をした時に、彩菜さんが「なぜこの事業をミャンマーでやろうと思ったのか」という話を聞かせてもらいました。どうしてもやりたい、自分がやるんだという熱い気持ちが伝わってきて、日本人なのに日本と全然関係なく見える土地で、この仕事をしなければ交わることもないだろう人のために人生かけているのがすごいなと、衝撃を受けました

その後帰国して、先輩から「一緒にアプリ開発をしないか」というお誘いを頂いたんです。今までだったら面白そう!と飛びついていたと思いますが、その時はお断りしました。「なぜそれが世の中に必要なんだろう?」と思って。もちろん世の中には色んなサービスがあって、それを必要としている人たちがいるんですけど、私は、「自分の時間を、本当に困っている人のために使いたい」と思ったんです。

だから、3年生の間はソーシャルビジネスに関わるため、カンボジアで小規模農家の所得向上のためのビジネスを行う「AGRIBUDDY」や、フェアトレードを超える仕組みでカカオから世界を変えるという「Dari K」でインターンをしました。

―どんなことが印象に残っていますか?

小野:カンボジアでインターンしていた時のことですね。そこで、中学・高校くらいの男の子に出会いました。彼は農家の家庭に生まれたのに、実家の農業が儲からないからという理由で家族を捨てて家出をしてきたと言っていたんですね。別の職業に就きたくて、自分の意思で農家以外の道を選択したのではなく、農業で十分な収入を得られないが故に家出を選択していたことが衝撃でした。

社会起業家になるために最短の道のりを

―それが、小野さんが成し遂げたいことに繋がっているんですね。

小野:そうですね。大学の3年間でインターンや旅行という形で途上国をみてきて、「機会が不平等である」ことを痛感しました。だから、自分はそれをなくしていくことに時間をかけたいと思いました。

私は、ソーシャルビジネスの成功例は何か?と聞かれた時にグラミン銀行を真っ先に挙げます。

事業自体はバングラデシュ国内のものですが、そのモデルはバングラデシュを超えて、世界中に広がっています。その人たちが全ての土地に行かなくても、真似されることで大きなインパクトを出すモデルを創り上げたのがグラミン銀行で、私もそういう成功モデルを作りたいと思いました。

―自分で起業することは、考えなかったんですか?

小野:自分で始めるとなると、資金集めなど事業開発以外のところに時間を割かなければなりません。私は自分の時間をできるだけ現地の人たちのために割きたいと思っているので、ソーシャルビジネスをつくる人が集い、その人たちが事業開発に自分の時間もリソースも割けるボーダレス・ジャパンが一番の近道だと思いました。

―これから先は、どんなことにトライしたいですか?

小野:入社までの間は、「物を売る」スキルをつけたいと思います。自分で事業を創るためには、何か1つでも良いからモノを作って、売り出すところまで経験した方が良いというアドバイスをいただいたので、それを実践したいですね。長期休みは今まで行ったことのないアフリカや中南米にも足を運んで、色んな国の社会問題を自分の目で見てみたいと思います。できるだけ早く自分で「成功モデル」と呼べるソーシャルビジネスを創りたいので、そこに向けて今から動いていきます。

―ありがとうございました。来年4月、楽しみに待っています!

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