
罪悪感や重い気分を抱くための作品ではありません
見つめたことのない世界への招待状なのです
服を買うだけであなたもその一部です
ただ目と心を開いてほしいのです
服は人が作っています
生きた誰かが手をかけているんです
大切な命である誰かがね
(ANDREW MORGAN-映画監督)
久しぶりに大勢で映画を鑑賞した。場所は社内。
『UNITED PEOPLE(ユナイテッドピープル)』が今月の14日から配信予定の映画「THE TRUE COST」だ。
ファストファッション
(=最新の流行を採り入れながら低価格に抑えた衣料品を、短いサイクルで世界的に大量生産・販売するファッションブランドやその業態)を支える裏側で、バングラデシュ・インド・ミャンマーなどの製造者たちが、いかに過酷な労働環境の中で製造を行っているか…その知られざる真実を伝えてくれるドキュメンタリー映画だ。
作中には2013年に起きたバングラデシュのラナプラザ縫製工場ビルの倒壊事件も出てきていた。1,100人を超える犠牲者が出たものの、依然労働者たちの権利は否定されたままだそうだ。
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「ネガティブなことをいかにポジティブに変えていけばいいのか考えていた」
「トップの重要さを感じた」
「かしこい買い物をしなければいけない」
「パラグアイにも同じような川があるから考えさせられた」
「繋がりの大切さを感じた」
「どのくらいの日本人がこの事実を知っているんだろう」
「お母さんたちにぜひ見てほしい」
「広告の重要性を感じた」
「障害を持っているから不幸ということは絶対にないけれど、本来なかったはずの障害がでてきたりするのは違うと思う」
「エシカルなことをいかに文章で伝えていけば良いだろうか」
「バングラデシュの工場が心配になった」
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映画をみたメンバーの感想の一部だ。感じるところがとても多い映画だった。
映画には『People Tree(ピープル・ツリー)』代表のSafia Minney(サフィア・ミニー)さんが出演していて驚いた。
People Treeといえば、チョコのイメージが私の中で強かったので、衣料品・雑貨と、フェアトレード商品を幅広く展開していることにとても感動した。People Treeのチョコは、いまや多くの食料品雑貨店・カフェ・無印良品等で見かけるので、エシカルなことが自然と私たちの生活に馴染んできていているとても良い例だと感じる。
ファストファッションに限らず、私たちは消費者として日々様々な物を消費している。ファストファッションの裏側を知って、突然すべての服をフェアトレード製品に変えることは難しいと思う。他の製品も然りだ。その恩恵も受けているからこそ、すべての否定は現生活の否定にも繋がるというジレンマがある。
知らないこと、それが怖い。
まずは知ること、それがとても大切だと思う。
何事も見えない側面がどこかしらにあるはずだ。現実を知ったうえで、それからの行動はすべて個人に委ねられる。
スケールの大きな問題を前にすると尻込みしてしまいがちだが、そんなに難しいことではない気がする。
これから買う服の10着中1着をフェアトレード商品にするもよし。この映画を誰かに伝えるもよし。フェアトレード食品を買ってみるもよし。
見つめたことのない世界を知っただけで、一歩進みはじめていると思う。最終的に何を買うのか、それは私たち一人一人に決定権がある。
”かしこい消費者であれ”、まさにここに行きつくのではないかと思わせられる映画だった。