
老後。
それは遠い未来のことのようで、実は刻一刻と誰しもに迫っている時間の流れだと思います。
「老後ってなんだろう?」
「介護ってなんだろう?」
「看取るってなんだろう?」
そんな疑問を、持つのも知るのも、きっといつかの自分に活きるはず。
老後の世界へタイムトリップさせてくれる「ヨレヨレ」という雑誌があります。
ヨレヨレは、
『福岡市にある”宅老所よりあい”という老人介護施設のことを全面的に取り扱った雑誌です。介護の専門誌ではありません。どっちかというと、変な雑誌です。たぶん、この世のどこにもない雑誌です。』
(ヨレヨレ読書上の注意点より抜粋)
読書上の注意点にたがわず、ヨレヨレの内容は実に興味深いです。
1.ジャムと妖怪。
2.モンドくん×谷川俊太郎
3.看取り合宿・10日間の記録
4.うんこの水平線
5.ムシニキコ
6.惚け誌 などなど…。
誰かを看取るということ、誰かを介護するということ。
それは祖父母かもしれないし、両親かもしれないし、兄弟かもしれません。そしていずれ自分がその側に立つ。
「ヨレヨレ」は、誰もが避けては通れない老後の生活を、面白い角度から少しだけのぞき見させてくれます。
近年、先進国では高齢者の増加・家族ユニットの不安定化(離婚・再婚など)・少子化などの理由から、10代や20代で家族の介護をしている『ヤングケアラー』が増えてきています。
”子どもや若者が介護をしている”という認知度がまだ低いため、ヤングケアラーの孤立や精神的負担が問題になってきています。
ヤングケアラーの支援が前進しているイギリスでは、彼らをサポートするのは専門家などではなく、普通の人たちです。
彼らが切実に求めているのは、話し相手と、介護に関する情報提供だからです。
毎日すれ違う通学カバンを抱えた学生が、学生生活の裏側で介護をしているかもしれないと認識することが、普通の人たちに求められてきています。
老後にまつわるエトセトラを頭の片隅に置いておくことは、自分や家族だけではなく、子どもや若者のサポートまで繋がる可能性を秘めています。