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日本を蝕む!少子高齢化の原因と対策まとめ

少子高齢化が問題だ、と叫ばれて久しい。少子高齢化は明らかに問題に違いないが、その割りにはどうも危機感なく、社会全体でどこか他人事のような節がある。

それは、具体的に何が問題でいつ困るのか、どういった対策が考えられるのか、自分事として落とし込めていないからではないだろうか。かく言う私もそうである。改めて少子高齢化の原因と対策ついて調べてみた。

加速する少子高齢化の現状

50年で人口が約3分の2に

将来人口推計

具体的に人口はどの程度の勢いで減っていっているのか。
国立社会保障・人口問題研究所によれば、あと33年後の2048年に日本の人口は1億人を割り、2060年には8,674万人となる。この50年間で人口の約3分の1が失われる計算だ。


顕著な減少をみせるのは生産年齢人口(15~64歳の人口)だ。2014年には7785万人いた生産年齢人口は、2030年に6700万人ほどになり、生産年齢人口率は63.8%(2010年)から58.1%(2030年)に下がる。

「2.5人に1人が65歳以上」の未来

一方で高齢者人口は、団塊の世代(1947~1949年に生まれた人)が65歳以上となる今年(2015年)には3,395万人となり、「団塊の世代」が75歳以上となる2025年には3,657万人に達すると見込まれている。2060年には国民の約2.5人に1人が65歳以上、4人に1人が70歳以上の高齢者になる(高齢社会白書 2014)。

高齢化の推移

少子高齢化の問題点

約1.8人で1人を扶養する高負担社会

単純に働き手が不足するという問題に加え、人口に占める”支えを必要とする人”の割合が激増する。2010年に生産労働人口約2.8人で高齢者1人を扶養し、2030年には約1.8人で1人を扶養することになる。

財政上の危険

また生産年齢人口は、毎年40~50万人程度が減る。日本が現状のGDP(国内総生産)を維持しようと思えば、単純に考えると同じ数だけの労働力が必要になる。(GDP=労働人口×労働生産性)約40兆円の税収で毎年100兆円程度の予算を組んでいる日本の債務残高は1000兆円を超えていることから、将来的にはギリシャの財政破綻も対岸の火事ではない。

少子高齢化の原因

考えられる原因は多岐にわたる。価値観の多様化による未婚率の上昇、女性の社会進出による平均初婚年齢の上昇(晩婚化)、結婚から出産までの年数の増加(晩産化)等が考えられる。また、子どもを望んでいても授からないケースも増えている。それでいて医療技術の発達により、寿命はどんどん延びていく。

平均初婚年齢

(図:平均初婚年齢の推移 人口動態調査 人口動態統計より作成)

少子高齢化対策

少子高齢化対策のアプローチとしては、2つのアプローチが考えられる。

1.国内の労働人口を増やす

その方法としては、労働人口のリタイア年齢をさらにのばす・フランスのように国内で人口増加政策を実施する・海外から移民を受け入れるなどが考えられる。一番現実的なのは移民の受け入れである。リタイア年齢を引き上げるのにも限界があり、また女性の社会進出と核家族化が進む日本において、国内での劇的な人口増加も望み薄だ。

日本は1980年代後半から90年にかけて外国人労働者の受け入れを積極的に行った事があるが、うまくいったとは言いがたい。廉価な労働力として受け入れた外国人労働者は、バブル崩壊後の不況で多くが失業などして日本を去り、残った労働者による犯罪も増加した。

だからと言って移民政策に嫌悪感を持ってしまえば、日本の長期衰退は確定してしまう。誰かれかまわず受け入れるのではなく、成績優秀者や日本に必要な資格やスキルを持った人に限るなど、今までとは違ったアプローチが必要だ。

また、日本ではどうしても外国人の仕事は単純労働か語学の講師になってしまう。日本の英語教育にもっと力を入れるか、移民の日本語教育にもっと力を入れていく必要がある。国外の優秀な人材を、言語の壁でみすみす逃しているというのは、非常に惜しい状況である。

移民550

2.機械化によって労働に必要な人数を減らす

これも移民政策と同様に賛否が分かれそうな議論である。人口減少のカバー分よりも機械が進めば、失業率は上昇する。例えばAmazonはロボットの開発会社を買収し、自社の配送センターに1万台を超えるロボットを導入した。これにより500~1,000億円の人件費削減を見込んでいる。Amazonでは解雇は行わないとしているが、新規雇用は見込めないだろう。

しかし、いつの時代もコスト削減が企業の課題である以上、機械化の進行は今後も進む。TPPによる関税の撤廃などを受け、日本企業もこれまで以上の競争力強化が重要である。機械化を善か悪かで判断するのではなく、企業の機械化率に上限を設けたり、人間の採用に優遇政策を導入するなど、折り合いのつけ方を議論するのも建設的ではないだろうか。

以上少子高齢化について考えてみた。賛否両論さまざまであろうが、社会の問題を自分事としてとらえ、自分なりの意見を持てるようになりたいと思う。

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