BORDERLESS LINKは、ミャンマーの僻地にある村の物流インフラを築き、お米や油、石けんなどの生活用品を適正価格で届けています。

様々な村を訪れていると、それぞれが抱える問題が見えてきます。
LINKメンバーのティンプロフィールページで書いているように、村が抱えている問題は同じではありません。それぞれの村人たちの話を聞き、LINKの出来る事・出来ない事を考えます。

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雨期に米が不足する村にはそれに備えてデリバリーしました

先日、あるジュントウ村の村長さんに話を聞きました。
村の近くにモノを買えるお店はあるし、村までの道も不便はなさそうです。
特にLINKがモノを届ける必要はない村だと思いました。
しかし、村長さんからこんな話がありました。

「田植えに必要な肥料を高金利でしか買う事ができない。」

聞くと、去年まで政府から融資を受けられていた農家も今年から政策が変わり、高金利の借金をせざるを得なくなっているそうです。

今年になり、政府からの貸付対象の農家枠が激減。村人は月利5%のブローカーから借金するしかありません。
雨期の今、1農家あたり10俵以上の肥料を購入します。
お米収穫し、現金を得て返済可能になるのが7ヶ月後。つまり、利率35%にまでなります。

「月利2%だったら、村人も助かる。今は高金利に頭を悩ます農家が多い。」

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村人たちへの説明会。9つの村から70人ほどが来てくれました。

せっかく知ることができた村の問題。
LINKがマイクロファイナンスの要領で、肥料代をブローカーより低い金利で立て替えられないかな。
マイクロファイナンスなんて本で読んだことあるだけだけど、今、目の前にチャンスがあるからやってみよう。
すぐに、社長副社長に相談し、GOをもらいました!
本当ありがとうございます!

5〜9人のグループ貸付制で、誰かが返済不可の場合他メンバーが借金を肩代わりします。
村の人々は、今年は高金利のブローカーから借金しなくてはならないと諦めていたので、私たちの提案に喜んでくれました。

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20tトラック二台で508袋の肥料デリバリーをしました。

ここの村長さんは、本当に村の人々の生活をより良くしたいと考え、私たちに提案してくれました。
自ら問題を認識し、解決のための提案をしてくれるなんてなかなかありません。
私たちとしてはこういう村長さんに出会えるのは嬉しいことです。そして、一緒に新しいプロジェクトを始められるのはもっと嬉しいです。
早速この話を聞きつけた他の村からも、呼ばれています。

ただ村にモノを届けるだけでなく、今回みたいにそれぞれの抱える問題について、柔軟に、私たちなりにどんどんアプローチしていきたいです。