ボーダレス・ジャパンで活躍する社会起業家たちは、圧倒的なモチベーションで常に高い目標を設定し、その達成のために心をブラさない。

そんな起業家たちのブログはすでに色々とアップされているので、今回は切り口を変えて「社会起業家の内側はどうなっているのか?」を科学的に考えてみたい。
就職前の学生・転職を考えている方々に何らかの参考となれば幸いである。

違いその1. やりたいことありき。

多くの人は働くために仕事をしている。一方、社会起業家は解決したい問題があるから働いている。
これは脳科学的に見ても圧倒的なモチベーションの差を生む。

大脳550

人間は、進化の過程で脳を大きくしてきた。一番外側の「大脳新皮質」が最も新しい部分で、理性や言語を司る。一方、内側の脳は「大脳辺縁系」と言い、本能や感情を司っている。行動の決定などは全てこの大脳辺縁系で行われている。

ただ大脳辺縁系は論理機能を持っていないため、生活のため・お金を稼ぐためと言った理性的な理由では高い行動レベルには結びつかない。本能レベルで納得した志があるからこそ、高いパフォーマンスに結びつく積極的な行動の動機となる。

ましてさまざまな社会問題で、現在進行形で苦しんでいる人々のことを考えれば時間はない。それがなおさら強い動機となる。

TEDの有名な動画に、サイモン・シネックの「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」というものがある。
知っている方も多いかもしれないが、まだ見たことのない方は、人の心を動かすメカニズムに対する考察が秀逸なので、ぜひご参考に。

違いその2. 圧倒的なアウトプットの量と質

いいと判断したらすぐ実行するボーダレス・ジャパンの社風も、社会起業家の高いパフォーマンスの一因である。脳研究者の池谷裕二氏は著書『脳には妙なクセがある』で、脳には入力(身体感覚)と出力(身体運動)があるが、出力の方がより重要であると説いている。

例えば会議中に眠くなるのも、静かに座っている姿勢(身体運動)が休息の姿勢であるから眠い(身体感覚)という状態になる。またやる気を生み出す側坐核も、実際の行動(身体運動)によって刺激を受け、ドーパミンを放出する=やる気が出る(身体感覚)。

内面の状態は、常に実際の行動がトリガーになっているということだ。考える時間を長くとるより、極力早く試した方がアウトプットの質は高まりやすい。

側坐核550

さらに、米デューク大学のクルパ博士らは「ネズミのヒゲに物を触れさせる/ネズミ自らヒゲを動かして物に触れる」という2パターンの実験で、大脳皮質がどのような反応をするか記録している。

前者の受動的な状況と、後者の積極的な行動では、「同じ物が同じヒゲに触れる」という状況であるにも関わらず、神経細胞の活動の強さは10倍になるということがわかった。

この結果から、自ら考え、自ら動く裁量を社員に与えている組織では、働く者のアウトプットの質も高まることが考えられる。圧倒的な成長を望むなら、就職・転職活動の際はこれらの基準を満たす会社を探されてみてはいかがだろうか。