
ボーダレス・ジャパンでは、2023年3月17日~21日の5日間、ソーシャルビジネスの現場を知るボーダレススタディツアー in Bangladeshを開催しました。
全国各地から参加した大学生がそれぞれの学びや想いを綴っています。ぜひご覧ください。
【参加者レポート No.2 宮渕 菜乃香さん】
福岡在住の大学3年生。(ツアー参加当時)人生目標は、「人生を終える時、楽しかった、やりきったという事」「自分の力を人のために使う事」。この2つの目標を基に災害復興ボランティア、地方創生ボランティア、市議会議員事務所でのインターンシップなどを行ってきた。現在はソーシャルビジネスについて学んでいる。
Q.スタディツアーに参加した理由を教えてください
ー「就活が始まり、みんなが当たり前のように就職活動をおこなっている中で1人疑問を抱いていた。」
大学3年生になり、学校でも友人間でも「就活」という言葉を耳にするようになった頃、私はある疑問を抱いていました。「私はこのまま、世の中を知らないまま大人になってもいいのだろうか。」
高校生の頃から社会問題に興味を持ち始め、講演会やイベントに参加していたものの、現場を直接見たことも当事者の声を直接聞いたこともありませんでした。自分は問題のたった一辺を知っただけで、社会のこと、世界のことを知ったつもりになっていることに危機感を感じ、自分の目で直接現場を知るためのプロジェクトを探していたところ、ボーダレス・ジャパンのHPで今回のスタディツアーを見つけました。
Q.ツアーを通して得た学びや新たな気づきを教えてください
ー「私達が考える当たり前は正解ではない。」
私がこのツアーに参加して初めて気づいたことです。私は21年間日本で過ごし、周りの人の当たり前を自分の当たり前と認識して生きてきました。しかしバングラデシュは生き方、仕事、教育そのどれをとっても私の当たり前が通用しない国でした。
日本ではごみはゴミ箱に捨てることが当たり前。ポイ捨てはダメなこと。として認識されていると思います。一方でバングラデシュでは、そもそもごみはゴミ箱に捨てるものだという概念がないため、ごみは“ポイ捨てする“ことが当たり前。
日本では義務教育というものがあり、学校に行ってみんな一緒に教育を受けることが当たり前。一方でバングラデシュの農村部などでは教育の必要性が認識されていないために学校に行かせない家庭が多くあるという現状があります。
上に挙げた例は一部に過ぎず、他にも交通、結婚、市場など、現地に行った1週間だけで多くの「違い」に気づくことができました。
また、当たり前の習慣には背景に教育があるということも学びました。現地の方がおっしゃっていた「この国の未来を変えるのは子どもの教育にかかっている」という言葉の通り、教育には大きな可能性があると思います。だからこそ私は教育にもっとフォーカスを当ててこれからも学んでいきたいと考えています。
Q.ツアーでの経験をどのように生かしていきたいですか?
ー「現地で見つけた自分の立ち位置」
このツアーに参加したことをどう活かすか。
私はこの問いを、現地で見つけた自分の立ち位置という視点から答えようと思います。
このツアーに参加するまでの私は、何かしたい。だけど何がしたいか分からない。という状態でした。しかし、このツアーを通して多くの人と話し、深く考えたことで、自分の中で2つの結論が出たような気がしています。
1つ目、それは、先頭に立って活動する人々を支える立場に立つ。ということです。今回のツアーではバングラデシュを知ると同時に、自分を知るということも目標に掲げていました。その中で自分は先頭に立って問題を解決するよりも、これらの問題を伝えて行くサポートとして社会問題に携わって行きたいという自分の気持ちに気づくことができました。
2つ目、それは、この現状や活動を多くの人に知ってもらい、母数を増やしたい。ということです。
私は興味があってこれらの問題に関わっていますが、まだまだ日本には、知る機会がない人、社会問題は意識の高い人が関わることだという風潮により積極的に知ることを躊躇している人がいると感じています。
かわいそうだと思う世界を、他人事だと思う世界をもっとポジティブに、そして身近な問題として大きな輪の中で解決できる。そんな世界が作れたらと思います。
Q.このブログをご覧の方へメッセージ
ー「完璧じゃなくてもいい。一歩踏み出す勇気」
私はこのツアーへ参加を決める時、正直少し悩みました。他の参加者と違い、社会問題の解決に関して明確な目標があるわけでも英語を話せるわけでもなく、何か大きな事を成し遂げたこともありません。
それでも知りたい、見たい、聞きたいという気持ちが強くなり、ワクワク半分、不安半分で飛行機に乗り込みました。
日本に帰国してはや2週間、私は参加してよかったと心から思っています。
人生で滅多に味わうことのできないほどの大きな衝撃に出会った7日間。
忘れかけていた人の温かみに出会った7日間。
周りの友人の行動力を肌で感じた7日間。
ソーシャルビジネスの可能性を感じた7日間。
自分を見つめ直すきっかけになった7日間。
どの瞬間を切り取っても深く濃い時間を過ごすことができました。新しい自分の立ち位置にも気づくことができました。あんなに頭を働かせ、感情が動いた1週間は初めてでした。
参加するきっかけはなんだっていいと思うし、参加する理由は決して大きくなくてもいいと思います。ただ真摯に現実と向き合えば、見えてくるもの、感じるものはたくさんあると思います。
またコロナのような出来事が起きるかもしれません。いつ、どこでなにが起きても後悔しない選択をしてほしいし、私もしていきたいと思っています。
完璧じゃなくてもいい。是非一歩踏み出してみてください。
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